『 司法書士 過去問題 14/13/12/11年度 』司法書士試験対策オンライン通信講座 Newton TLT e-Learning

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LinkIcon 『 司法書士 過去問題 平成 14〜11年度 』

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平成14年度司法書士午前試験では、26問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   Aは、Bと婚姻をしていたが、ある日、Bが家を出たまま行方不明となった。この事例に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 Bの生死が7年以上不明の場合、Aは、Bの失踪宣告を得ることができるので、婚姻を解消するためには、失踪宣告の申立てをする必要があり、裁判上の離婚手続によることはできない。
   2 Bの失踪宣告がされた場合、Bが死亡したものとみなされる7年の期間満了の時より前に、Aが、Bが既に死亡したものと信じて行ったBの財産の売却処分は、有効とみなされる。
   3 Bの失踪宣告がされた後、Bが家出した日に交通事故で死亡していたことが判明した場合、Bが死亡したとみなされる時期は、Bの失踪宣告が取り消されなくとも、現実の死亡時期にまでさかのぼる。
   4 Bの失踪宣告がされた後、Bが生存していたことが判明した場合、Bの失踪宣告が取り消されない限り、Aは、相続により取得したBの遺産を返還する必要はない。
   5 Bの失踪宣告がされた後、Aが死亡し、その後にBの失踪宣告が取り消された場合、Bは、Aの遺産を相続することはない。
   【正解】 4 
   
 【問題 02】   Aは、代理権がないにもかかわらず、Bのためにすることを示して、Cとの間でB所有の甲土地を売却する旨の契約(以下「本件売買契約」という。)を締結した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Bは、Aから甲土地の売買代金の一部を受領した。この場合、Bは、Aの無権代理行為を追認したものとみなされる。
   イ Cは、Bに対し、本件売買契約を取り消すとの意思表示をした。この場合、Cは、Aに対し、無権代理人としての責任を追及して本件売買契約の履行を求めることができる。
   ウ CがAに対し、無権代理人としての責任を追及した。この場合、Aは、自己の代理行為につき表見代理が成立することを主張して無権代理人としての責任を免れることができる。
   エ Cは、本件売買契約を締結したときに、Aに代理権がないことを知っていた。この場合、Cは、本件売買契約を取り消すことはできない。
   オ Cは、Aに対し、無権代理人の責任に基づく損害賠償を請求した。この場合、Cは、甲土地を転売することによって得られるはずであった利益に相当する額を請求することができる。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 03】   次の対話は、条件と期限に関する学生AとBとの対話である。
   [  ]部分に挿入する語句を下記語群の中から選択して対話を完成させた場合、一度も使用されない語句の組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうちどれか。ただし、一つの語句を複数回使用してもよい。
   学生:A 条件と期限とは、どこが違うの。例えば、事業が軌道にのったら返すという約束で、XがYから無償で住宅を提供してもらったときは、どう考えればいいの。
   学生:B この約束は、YからXに対し[  ]付の[  ]がされたと考えるべきで、事業が軌道にのる見込みがなくなったら、XはYに住宅を返さなければならない。
   学生:A でも、将来事業が軌道にのるかどうかは確実ではないから、YからXに対する[  ]付の[  ]がされたとみることもできるような気がするんだけど。
   学生:B どちらの考え方でも、[  ]場合にXがYに住宅を返さなければならない点は、同じだよね。でも、君のように考えると、[  ]場合を除き、Xが死亡したときは、Xの相続人が住宅の所有権を取得することになるよね。
   
   語群 確定期限 不確定期限 解除条件 停止条件 使用貸借 贈与 事業の成功が確定した
       事業の失敗が確定した
   1 確定期限 停止条件 事業の失敗が確定した
   2 不確定期限 停止条件 贈与 事業の成功が確定した
   3 不確定期限 解除条件 事業の成功が確定した
   4 確定期限 解除条件 使用貸借 事業の失敗が確定した
   5 確定期限 解除条件 事業の成功が確定した
   【正解】 1 
   
 【問題 04】   Aは、Bの任意代理人であるが、Bから受任した事務をCを利用して履行しようとしている。この事例における次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 AがCを復代理人として選任する場合には、Cは、意思能力を有することは必要であるが、行為能力者であることは要しない。
   2 AがBから代理人を選任するための代理権を授与されている場合にも、AがBのためにすることを示してCを代理人として選任するためには、Bの許諾又はやむを得ない事情が存することが必要である。
   3 AがBの指名によりCを復代理人として選任した場合には、Aは、Cが不適任であることを知っていたときでも、その選任について責任を負うことはない。
   4 Aがやむを得ない事情によりBの許諾を得ることなくCを復代理人として選任した場合には、Cの復代理人としての権限は、保存行為又は代理の目的たる権利の性質を変更しない範囲における利用若しくは改良行為に限られる。
   5 Aから復代理人として適法に選任されたCの法律行為の効果がBに帰属するためには、CがAのためにすることを示して当該法律行為をすることが必要である。
   【正解】 1 
   
 【問題 05】   抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲に関する次の二つの説について説明した下記アからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。 なお、付合物又は従物の意義については、判例の趣旨に従うものとする。
   甲説 民法第370条本文の「附加シテ之トー体ヲ成シタル物」(付加一体物)は、同法第242条の「従トシテ之二附合シタル物」(付合物)と同義であり、同法第87条の従物を含まない。ただし、抵当権設定当時の目的不動産の従物には、抵当権の効力が及ぶ。
   乙説 民法第370条本文の付加一体物には、同法第242条の付合物のみならず、同法第87条の従物も合まれる。
   ア Aは、自己所有の家屋に抵当権を設定した後、その家屋に畳と障子を設置した。この場合、甲説によっても、乙説によっても、、畳と障子には抵当権の効力が及ぶ。
   イ Bは、A所有の土地を不法に占拠して使用し、桑の樹を植栽していた。その後、Aは、この土地にCのために抵当権を設定した。この場合、甲説によっても、乙説によっても、桑の樹には抵当権の効力が及ぶ。
   ウ Aは、自己所有のガソリンスタンド用店舗建物にBのために抵当権を設定した。その後、Aは、その店舗に自己所有の洗車機を設置した。この場合、甲説によっても、乙説によっても、洗車機には抵当権の効力が及ぶ。
   エ Aは、抵当権の目的となっている自己所有の家屋の雨戸を取り替えた。この場合、甲説によっても、乙説によっても、雨戸には抵当権の効力が及ぶ。
   オ Bは、Aから土地を賃借し、この土地を造成して石垣を設置した。その後、Aは、この土地にCのために抵当権を設定した。この場合、甲説によっても、乙説によっても、石垣には抵当権の効力が及ぶ。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 06】   対抗関係に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 自己所有の土地上に未登記建物を所有するAが当該土地に抵当権を設定し、Bが競売によって当該土地を買い受けた場合、Aは、当該建物について登記をしていない以上、当該建物の所有権をBに対抗することができず、したがって、当該建物に係る法定地上権は、成立しない。
   イ 袋地である甲地を所有するAが甲地をBに譲渡したが、Bは、所有権移転登記を受けていない。この場合、Bは、甲地の所有権移転登記を受ければ、甲地を囲繞する土地である乙地の所有者Cに対し、囲繞地通行権を主張することができない。
   ウ AがBから土地を購入したが、その所有権移転登記を受けないうちに、当該土地につき無権限のCが当該土地上に建物を建築した。Aは、所有権移転登記を受けなくても、Cに対し、当該土地の明渡しを請求することができる。
   エ Aは、Bに対する貸金債権を担保するために、B所有の土地に抵当権を設定し、その旨の登記をした。その後、当該貸金債務は全額弁済されたが、抵当権設定登記が抹消されないうちに、Aは、たまたまBに対して債権を有していたCとの間で当該抵当権のみを譲渡する契約を締結し、その旨の登記をした。この場合、抵当権設定登記が抹消されていない以上、Bは、Cに対し、抵当権の消滅を対抗することができない。
   オ A及びBが共同相続した土地につき、Bが勝手に単独で相続した旨の登記をし、さらに第三者CがBから所有権移転登記を受けた。この場合、Aは、Cに対し、自己の持分を登記なくして対抗することができる。
    1 アイエ   2 アイオ   3 アウオ   4 イウエ   5 ウエオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 07】   Aは、Bに対して100万円を貸し付け、その貸金債権を担保するために、BがCに対して有する50万円の貸金債権に質権を設定した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Cが質権の設定を承諾していた場合において、Bが弁済期日までにAに対する弁済をせず、かつ、BC間の貸金債権の弁済期が到来しているときは、Aは、Cに対し、自分に50万円を支払うよう請求することができる。
   イ BC間の消費貸借について借用証書が作成されていたが、Aが質権を設定するに際し借用証書は不要と考えてBからその交付を受けなかった場合において、Cが質権の設定を承諾していたときは、Aは、BC間の貸金債権に対する質権を行使することができる。
   ウ BC間の貸金債権に譲渡禁止の特約が付されていた場合、Aは、質権を取得することはできない。
   エ Aは、Bの承諾がなければ、自己の質権を更に質入れすることはできない。
   オ BC間の貸金債権に対するAの質権設定を第三者に対抗するための要件であるCの承諾は、質権者がAであることを特定して行われなければならない。
    1 アイエ   2 アイオ   3 アウオ   4 イウエ   5 ウエオ
   【正解】 4 
   
 【問題 08】   物権的請求権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 建物を不法に占有している者が増築をした場合において、当該増築部分が建物の構成部分となっているときは、建物の所有者は、不法占有者に対し、所有権に基づき増築部分を原状に戻すよう請求することができる。
   イ 第三者に対抗することができる土地の賃借権を有する者は、その土地上に不法に建物を建ててこれを使用している者に対し、当該賃借権に基づき当該建物の収去及び土地の明渡しを請求することができる。
   ウ 動産の質権者は、その占有を不法に奪われた場合であっても、占有の侵奪者に対し、質権に基づき返還請求をすることはできない。
   エ A所有の土地上に不法に建てられた建物の所有権を取得し、自らの意思に基づきその旨の登記をしたBは、その建物をCに譲渡したとしても、引き続きその登記名義を保有する限り、Aに対し、自己の建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡しの義務を免れることはできない。
   オ 共有の土地を不法に占有している第三者に対する所有権に基づく土地の明渡請求は、共有者が、その持分の価格の過半数をもって決するところに従い、共同して行わなければならない。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 09】   債務者Eに対する債権者として、E所有の不動産の1番抵当権者A(債権額1000万円)、2番抵当権者B(債権額1200万円)及び3番抵当権者C(債権額1400万円)がおり、また、無担保の債権者D(債権額1600円)がいる。これらの債権者の間で次のアからエまでの行為がされた場合につき、当該不動産の競売に基づく売却により3000万円を配当するものとして各債権者に対する配当額を算出し、Aに対する配当額が多い順にアからエまでを並べ替えた場合、正しい順番は、後記1から5までのうちどれか。
   ア AがDの利益のために抵当権を譲渡した。
   イ AがCの利益のために抵当権の順位を譲渡した。
   ウ AがDの利益のために抵当権を放棄した。
   エ AがCの利益のために抵当権の順位を放棄した。
    1 イアエウ   2 イエアウ   3 ウエアイ   4 エイウア   5 エウイア 
   【正解】 4 
   
 【問題 10】   動産留置権と動産質権に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 動産留置権は目的動産の占有を取得しなければ成立しないが、動産質権はその設定契約をもって成立し、目的動産の占有の取得はその対抗要件である。
   イ 動産留置権は被担保債権の弁済期が到来する前は成立しないが、動産質権は被担保債権の弁済期が到来する前であっても成立する。
   ウ 動産留置権と動産質権は、いずれも被担保債権全額の弁済を受けるまで目的動産を留置することができる権利である。
   エ 動産留置権と動産質権は、いずれも目的動産から生じた果実につき優先弁済を受けることができる権利である。
   オ 動産留置権と動産質権は、いずれも目的動産の滅失によって債務者が取得すべき金銭その他の物に対して代位することができる権利である。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 11】   占有すべき権利(本権)のない占有者に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 善意の占有者は、本権の訴えで敗訴した場合であっても、起訴の時までの間に占有物から生じた果実を消費していたときは、その果実の代価を償還する義務を負わない。
   イ 善意の占有者は、自己の責めに帰すべき事由によって占有物が滅失したときは、回復者に対し、損害の全部を賠償する義務を負う。
   ウ 善意の占有者は、占有物に支出した有益費について、価格の増加が現存するときは、回復者の選択により、回復者に対し、費やした金額又は増価額の償還を請求することができる。ただし、裁判所は、回復者の請求により、その償還に相当の期限を許与することができる。
   エ 悪意の占有者は、占有物が滅失したときは、その滅失が自己の責めに帰すべからざる事由によるものであっても、回復者に対し、損害の全部を賠償する義務を負う。
   オ 占有者は、善意であるか悪意であるかを問わず、占有物に支出した必要費については、占有物から生じた果実を取得した場合を除き、回復者に対し、その全額の償還を請求することができる。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 12】   民法第188条が規定する占有権の効力に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 民法第188条にいう占有物の上に行使する権利とは、所有権その他の物権に限られ、賃借権その他の債権は含まれない。
   イ 土地の占有者は、その土地の所有者である旨を主張する者からその所有権に基づき明渡しを請求された場合において、その者から土地の所有権を譲り受けた旨の主張をするときは、民法第188条による推定は働かず、所有権の譲受けに係る事実を主張立証しなければならない。
   ウ 他人の所有する土地につき地上権を主張する占有者は、その土地の所有者に対し、民法第188条に基づき地上権の設定登記手続を請求することができる。
   エ 建物の賃貸人が有する不動産賃貸の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた賃借人所有の動産に及ぶが、賃借人が占有している備付け動産は、民法第188条によって賃借人の所有に属するものと推定される。
   オ 民法第188条が適用されるのは、現在の占有者についてのみであり、過去の占有者は、その占有の間、本権を適法に有していたとは推定されない。
   (参考)
   民法第188条 占有者カ占有物ノ上二行使スル権利ハ之ヲ適法二有スルモノト推定ス
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 13】   「留置物の使用の承諾は、留置物に関する債務者の処分行為の一つである。したがって、留置物の所有権が債務者から第三者に移転した場合において、新所有者が留置物の所有権取得について対抗要件を具備するよりも前に留置権者が債務者から留置物の使用の承諾を受けていたときは、新所有者は、留置権者に対し、留置物の使用を理由に留置権の消滅請求をすることはできない。」という見解がある。
    次のアからオまでの記述のうち、この見解と矛盾するものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 留置物の使用の承諾は、留置権者の果実収取権を確定的なものとする意味を有する。イ 留置物の使用の承諾は、意思表示のほかに格別の要件を必要としない。
   ウ 留置権の本来的な効力は、留置権者が被担保債権の弁済を受けるまで留置物の引渡しを拒むことができるということにあるから、留置物の使用の承諾は、債権的な効力を有する。
   エ 債務者は、留置物の所有権を第三者との関係で確定的に失った後も、留置権者に対して留置物の使用の承諾をすることができる。
   オ 留置権者が承諾の範囲を超えて留置物を使用した場合には、承諾を与えた債務者は、留置権の消滅請求をすることができる。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 4 
   
 【問題 14】   Aは、Bに対し、甲建物を賃貸していたが、Bは、3か月前から賃料を全く支払わなくなった。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Aは、Bに対し、相当期間を定めて延滞賃料の支払の催告をした上、賃貸借契約を解除する旨の意思表示をしたが、その後、Bが延滞賃料を支払ったので、Bの承諾を得て、解除を撤回する旨の意思表示をした。この場合、解除の撤回は有効である。
   イ Aは、Bに対し、期間を定めずに延滞賃料の支払を催告したが、相当期間が経過してもBが延滞賃料を支払わなかったので、賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。この場合、解除は無効である。
   ウ Bは、Aの承諾を得て甲建物をCに転貸していたところ、Aは、Cに対してBの延滞賃料の支払の機会を与えないまま、Bに対し、相当期間を定めて延滞賃料の支払の催告をした上、賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。この場合、Aは、Cに対し、解除の効果を主張することはできない。
   エ Aは、Bに対し、相当期間を定めて延滞賃料の支払を催告した。Bは、催告の期間経過後に延滞賃料及び遅延損害金を支払ったが、その後、Aは、Bに対し、賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。この場合、解除は無効である。
   オ Aは、Cからその所有する甲建物を賃借し、これをCの承諾を得ずにBに転貸していたところ、Cが、この事実を知り、3か月前から、Bに対し、甲建物の明渡しを求めてきた。そこで、Bは、Aから相当期間を定めた延滞賃料の支払の催告とともに、支払のない限り賃貸借契約を解除する旨の意思表示があったが、延滞賃料を支払わず、相当期間が経過した。この場合、解除は無効である。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 15】   委任契約に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 委任契約においては、有償の場合と無償の場合とで、受任者の注意義務の程度は異ならない。
   イ 委任契約には、第三者による義務の履行を禁止する規定はないので、受任者は、いつでも第三者をして委任事務を処理させることができる。
   ウ 委任契約は、原則として無償とされているが、有償の場合、受任者は、報酬の支払があるまでは委任事務の履行を拒絶することができる。
   エ 委任契約において受任者が委任事務の処理のため過失なくして損害を被った場合、委任者は、無過失であっても、受任者に対する損害賠償の責任を負う。
   オ 委任契約は、いつでも解除することができるが、相手方にとって不利な時期に解除をするには、やむを得ない事由がなければならない。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 16】   次の対話は、詐害行為取消権に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の《  》部分の回答のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   教授: 詐害行為取消権の対象となる債権者を害する行為というのは、どのような意味ですか。
   学生: 債務者の責任財産を減少させ、すべての債権者に完全な弁済をすることができなくする行為をいいます。(ア)《既存の債務のために物的担保を提供しても、債務者の資力に増減は生じないので、詐害行為取消権の対象にはなりません。》
   教授: 詐害行為取消権を行使するためには、債務者が無資力であることが必要ですが、その資力は、いつの時点を基準にして判断しますか。
   学生: 詐害行為の時点が基準になります。(イ)《行為の時点で債務者が無資力であれば、その後資力を回復することがあっても、詐害行為取消権を行使することができます。》
   教授: 詐害行為取消権の被保全債権となるためには、その債権がいつの時点までに成立している必要がありますか。
   学生: 詐害行為の時点までに成立している必要があります。(ウ)《詐害行為の時点までに成立している債権であれば、詐害行為よりも後に当該債権を譲り受けた債権者であっても、当該債権を被保全債権として詐害行為取消権を行使することができます。》
   教授: 詐害行為取消権は、被保全債権の額の限度でのみ行使することができますが、債権の額は、いつの時点を基準に定めるのですか。
   学生: 詐害行為がされた時点を基準にして、その時点で成立していた債権の額の範囲で詐害行為取消権を行使することができます。(エ)《詐害行為の時点よりも前に成立した元本債権に対する遅延損害金であっても、それが詐害行為よりも後の期間に発生したものであるときは、被保全債権とすることはできません。》
   教授: 譲渡の意思表示と所有権移転登記との間に日時の隔たりがある不動産の譲渡を詐害行為として取り消す場合、被保全債権の成立時期との先後は、譲渡の意思表示と所有権移転登記のうち、どちらを基準にして判断しますか。
   学生: 対抗問題ではないので、所有権移転登記との先後は、問題になりません。(オ)《所有権移転登記よりも前の金銭消費貸借契約によって成立した貸金債権であっても、それが譲渡の意思表示より後に成立したものであるときは、被保全債権とすることはできません。》
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 17】   債権譲渡に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 債権の発生原因である契約が虚偽表示である場合、当該債権の譲渡について通知を受けた債務者は虚偽表示であることを善意の譲受人に主張することができない。
   イ 連帯債務者全員に対する債権を譲渡した場合、一部の債務者に通知をしたときは、通知をしていない債務者に対しても債権譲渡を対抗することができる。
   ウ 債権が弁済により消滅した後に譲渡された場合、債務者が異議をとどめないで承諾をしたときでも、当該債権を被担保債権とする債務者所有の不動産上の抵当権は復活しない。
   エ 同一の債権につき、確定日付に先後のある複数の債権譲渡通知が同時に債務者に到達した場合、後れた日付の通知に係る譲受人も、債務者に対し、当該債権全額の支払を請求することができる。
   オ 確定日付のない通知を受けた債務者が当該譲受人に弁済をした後に、債権者が当該債権を第二の譲受人に譲渡し、債務者が確定日付のある通知を受けた場合、第二の譲受人は、債務者に対し、当該債権の支払を請求することができる。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 2 
   
 【問題 18】   婚姻の解消に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 父母の共同親権に服する子がある場合において、父母が協議離婚をしようとするときは、その協議により、親権者のほか、子の監護について必要な事項を定めて届け出なければならない。
   イ 法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づき協議離婚の届出がされた場合であっても、生活保護の給付を受けるための方便として届出をしたにすぎないときは、その協議離婚は無効である。
   ウ 離婚後に当事者の一方が再婚をしている場合において、離婚が詐欺又は強追により取り消されたときは、取消しの効果は遡及し、重婚となる。
   エ 夫婦の一方の死亡によって婚姻が解消した場合において、生存配偶者が婚姻前の氏に復したときは、死亡した配偶者の血族との姻族関係は終了する。
   オ 夫婦の死亡によって婚姻が解消した場合、生存配偶者は、死亡した配偶者の血族との姻族関係が終了した後であっても、死亡した配偶者の直系血族と婚姻をすることはできない。
    1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 19】   嫡出否認に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 婚姻成立から200日後で、かつ、婚姻の取消しから300日以内に生まれた子であっても、婚姻の取消しが詐欺又は強迫を理由とするときは、嫡出性は推定されないから、夫であった者は、父子関係を争うのに嫡出否認の訴えによることを要しない。
   イ 内縁中に母が懐胎し、母の婚姻成立後に生まれた子は、婚姻成立後200日以内に出生したものであっても、母とその夫との嫡出子となるが、母の夫は、父子関係を争うのに嫡出否認の訴えによることを要しない。
   ウ 離婚から300日以内に生まれた子は、母とその夫であった者が離婚前から長期間にわたり別居状態にあったとしても、夫であった者の嫡出子と推定されるから、夫であった者は、父子関係を争うためには嫡出否認の訴えによらなければならない。
   エ 嫡出否認の訴えの出訴期間の制限は、嫡出親子関係を早期に確定させるのが子の福祉にかなうことなどを理由とするものであるから、子の母の夫が成年被後見人であるときも、嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。
   オ 嫡出否認の訴えの相手方は、子又は親権を行う母であるが、子が意思能力を有せず、かつ、母が死亡している場合における嫡出否認の訴えの相手方は、子の未成年後見人がいるときであっても、家庭裁判所が選任した特別代理人である。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 4 
   
 【問題 20】   次の表は、未成年後見人と成年後見人について記述したものであり、それぞれについて該当する事項には「○」を、該当しない事項には「×」を記載してある。この表のアからオまでの事項についての「○」と「×」の記載がいずれも正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
 
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 3 
   
 【問題 21】   Aには実子B及びC並びに養子Dが、Bには実子E、Cには養子F、Dには実子Gが、さらに、Eには実子Hがいる。この事例における相続に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Eが死亡した後にAが死亡し、Bが相続を放棄したときは、Hは、E及びBを代襲し、Aの財産は、H、C及びDが相続する。
   イ Aの相続に関しCが廃除されたときは、CがFを養子としたのが、その廃除後である場合であっても、Aの相続の開始前であるときは、Fは、Cを代襲し、Aの財産は、B、F及びDが相続する。
   ウ Dが死亡した後にAが死亡した場合であっても、GがAとDとの養子縁組前に出生していたときは、Gは、Dを代襲しないから、Aの財産は、B及びCが相続する。
   エ B及びHが死亡した後にEが死亡したときは、Aは、Bを代襲しないから、Eの財産は、C及びDが相続する。
   オ A、B、E及びFが死亡した後にCが死亡したときは、Hは、E及びBを代襲し、Cの財産は、H及びDが相続する。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 3 
   
 【問題 22】   相続欠格に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものはどれか。
   1 被相続人に対する傷害致死により刑に処せられた者は相続人となることはできないが、被相続人に対する殺人予備により刑に処せられた者は相続人となることができる。
   2 相続欠格の効果は相対的であるから、父に対する殺人により刑に処せられた者は、父の相続に関しては相続人となることはできないが、その配偶者であった母の相続に関しては相続人となることができる。
   3 被相続人が殺害されたことを知りながら告訴又は告発をしなかった者であっても、自己の兄が殺害者であるために告訴又は告発をしなかったときは、相続人となることができる。
   4 相続に関する被相続人の遺言書を破棄した者であっても、当該破棄が相続に関して不当な利益を得ることを目的としたものでなかったときは、相続人となることができる。
   5 同順位の相続人である兄に対する殺人未遂により刑に処せられた者であっても、その後、兄から宥恕の意思表示を受けたときは、父の相続に関し相続人となることができる。
   【正解】 4 
   
 【問題 23】   教唆犯に関する次のアからオまでの記述のうち、誤ったものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 教唆犯は、自らは実行行為をせず犯罪実行者の背後にあって他人の犯罪に加功するにすぎない点で幇助犯と共通の性質を有するが、犯罪の決意を実行者に生じさせる点で幇助犯と異なる。
   イ 教唆犯は、自らは実行行為を行わない点で共謀共同正犯の共謀者と類似しているが、犯罪の実行を実行者の意思にゆだねるものであって共同犯行の意識を欠く点で共謀共同正犯と異なる。
   ウ 教唆者を教唆することを間接教唆といい、間接教唆者を教唆することを再間接教唆又は順次教唆という。間接教唆も再間接教唆も、処罰されない。
   エ 当初から未遂に終わらせることを意図しながら教唆行為を行った場合を未遂の教唆という。教唆の故意は、被教唆者に特定の犯罪を実行する決意を生じさせる意思であると考えると、未遂の教唆については、教唆犯は成立しない。
   オ 既に特定の犯罪を実行することを決意している者に対し、これを知らずに、当該犯罪を実行するよう働き掛けた場合には、教唆犯は成立しない。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 5 
   
 【問題 24】   詐欺罪の成立に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Aは、所持金がないにもかかわらず、客を装って回転寿司店に入店した。店主は、客として振る舞っていたAの態度から、Aも通常の客と同様に飲食後に代金を支払うつもりであると信じて寿司を提供し、Aに飲食させた。Aの行為について詐欺罪は成立しない。
   イ Aは、友人から預かったキャッシュカードを悪用しようと考え、その友人の生年月日を暗証番号として銀行の現金自動預払機を操作したところ、番号が偶然一致して現金自動預払機が作動し、現金を引き出すことができた。Aの行為について詐欺罪が成立する。
   ウ タクシーで目的地に着き、運賃の支払を求められた際に所持金がないことに気付いたAは、支払を免れようと考え、「このビル内にいる友人から金を借りてきて、すぐに支払う。」などと嘘を言ったところ、タクシー乗務員は、Aの言葉を信じて運賃を受け取らずにAを降車させた。Aの行為について詐欺罪は成立しない。
   エ Aは、自動車を運転して、甲インターチェンジから乙インターチェンジまで料金後払制の有料道路を通行したが、乙インターチェンジを出る際、遠方の甲インターチェンジからではなく、近くの丙インターチェンジから有料道路を通行してきたかのように装い、あらかじめ用意しておいた丙インターチェンジからの通行券と乙丙間の通行料金を乙インターチェンジ出口の係員に差し出した。係員は、Aが丙インターチェンジから有料道路を通行してきたものと誤信して、Aの運転する車を通過させた。Aの行為について詐欺罪が成立する。
   オ Aは、所持金がないにもかかわらず、係員が出入口で客にチケットの提示を求めて料金の支払を確認している音楽会場でのコンサートを聴きたいと考え、人目に付かない裏口から会場に忍び込み、誰にも見とがめられずに客席に着席してコンサートを聴いた。Aの行為について詐欺罪は成立しない。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 25】   傷害の罪に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものはどれか。
   1 Aが路上でBの顔面を手拳で殴打したため、Bは、数歩後ずさりしてから仰向けに倒れ、後頭部を道路脇の縁石に強く打ち付けて死亡した。Aの暴行とBの死亡との間には因果関係が認められるから、Aには傷害致死罪が成立する。
   2 AがBの顔面を平手打ちしたところ、Bは、倒れ込んで片腕を骨折した。AがBにけがをさせようとは思っていなかった場合、Bの傷害はAが予想していた範囲を超えるから、Aには暴行罪しか成立しない。
   3 Aは、Bにけがをさせようと背後から木刀で殴りかかったが、Bが身をかがめたため、Bの背を軽くたたいたにとどまった。Aには傷害の故意があったにもかかわらず、Bに傷害の結果が発生していないから、Aには傷害未遂罪が成立する。
   4 暴行により傷害の結果が生じることが傷害罪の成立要件であるから、Aが職場の給湯ポットに毒を入れて職員に飲用させ、下痢を起こさせた場合、Aには傷害罪は成立しない。
   5 AとBは、Cに対する傷害を共謀し、実行に着手したところ、BがAの予想に反して故意をもってCを殺害した場合、Aには傷害罪しか成立しない。
   【正解】 1 
   
 【問題 26】   次の記述中の(ア)から(キ)までに、下記のaからkまでの文言のうち適切なものを入れて文章を完成させた場合、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
    一人の行為者について複数の犯罪が成立する場合でも、「一個の行為が二個以上の罪名に触れるとき」と「犯罪の手段又は結果である行為が他の罪名に触れるとき」は、その最も重い刑によって処断される。この「一個の行為が二個以上の罪名に触れるとき」を(ア)、「犯罪の手段又は結果である行為が他の罪名に触れるとき」を(イ)、両者を合わせて(ウ)と呼んでいる。具体的な(ア)の例としては(エ)、(オ)を、(イ)の例としては(力)、(キ)を挙げることができる。
   a 他人の住居に侵入し、被害者の反抗を抑圧して金員を奪った場合の住居侵入罪と強盗罪
   b 職務執行中の警察官に暴行を加えて負傷させた場合の公務執行妨害罪と傷害罪
   c 小切手を偽造し、その偽造小切手を銀行員に呈示した場合の有価証券偽造罪と同行使罪
   d 駅構内で一つの爆弾を爆発させることによって複数の駅員、乗客及び通行人を殺害した場合の複数の人に対する殺人罪
   e 保険金目的で放火し、火災保険金をだまし取った場合の放火罪と詐欺罪
   f 1時間以内に3回に分けて同一の倉庫から財物を搬出して盗んだ場合の窃盗罪
   g 併合罪
   h 科刑上一罪
   i 評価上一罪
   j 牽連犯
   k 観念的競合
   1 ア g  イ j  ウ i  エ b  オ d  カa  キe
   2 ア g  イ k  ウ i  エ a  オ c  カb  キf
   3 ア k  イ j  ウ h  エ b  オ d  カa  キc
   4 ア j  イ k  ウ h  エ a  オ c  カb  キf
   5 ア k  イ j  ウ h  エ b  オ d  カa  キe
   【正解】 3 
   
 【問題 27】   支配人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。、
   ア 支配人は、営業主に代わって、その営業に属する裁判外の行為をすることはできるが、裁判上の行為をすることはできない。
   イ 数人の支配人が共同して代理権を行使すべき旨を定めることはできるが、この定めをしても、支配人の一人に対してした意思表示は、営業主に対して効力を生ずる。
   ウ 支配人の代理権の範囲を特定の相手方との取引に制限することはできるが、この制限は、登記をしなければ、第三者に対抗することはできない。
   エ 会社の支配人は、営業主の許諾がなければ、他の会社の無限責任社員となることはできないが、営業主の許諾がなくても、他の会社の有限責任社員となることはできる。
   オ 株式会社の支配人は、その会社の監査役となることはできないが、その子会社の監査役となることはできる。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 28】   株式会社の発起人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 発起人は、定款の作成後にも株式を引き受けることができる。
   イ 発起人は、口頭により株式を引き受けることができる。
   ウ 定款の作成後に、会社の設立に際して発行する株式の発行価額を定めるには、発起人が数人あるときは、その過半数の同意を得なければならない。
   エ 発起人は、会社の設立に際して発行する株式であって会社の成立後なお引受けのないものがあるときは、他の発起人及び会社成立当時の取締役とともに、その株式を引受けたものとみなされる。
   オ 発起人は、会社の成立後に株主の地位を失っても、会社設立無効の訴えを提起することができる。
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 29】   株式会社の株主総会及び社債権者集会に関する次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   1 株主総会については株主が招集することはあるが、社債権者集会については社債権者が招集することはない。
   2 株主総会において議決権を行使すべき者を定めるために株主名簿の記載の変更をしない期間が定められることはあるが、社債権者集会において議決権を行使すべき者を定めるために社債原簿の記載の変更をしない期間が定められることはない。
   3 株主総会においては、法律又は定款に定める事項についてしか決議することができないが、社債権者集会においては、法律に定める事項のほか、裁判所の許可を得た事項についても決議することができる。
   4 株主総会において決議すべき事項の決定を特定の株主に包括的に委任する制度はないが、社債権者集会において決議すべき事項の決定を特定の社債権者に包括的に委任する制度はある。
   5 株主総会の招集手続が法令に違反する場合には株主総会の決議の取消しの制度があるが、社債権者集会の招集手続が法令に違反する場合には社債権者集会の決議の取消しの制度はない。
   【正解】 1 
   
 【問題 30】   株式会社A社の代表取締役Bに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Bが、A社と同種の営業を営む他の株式会社の取締役に就任するには、A社の取締役会において重要な事実を開示し、その承認を得なければならない。
   イ Bが、A社の取締役会の承認を得ずに、第三者を代理して、A社の営業の部類に属する取引をしたときは、A社の取締役は、その取引をA社のためにしたものとみなすことができる。
   ウ Bが、A社を代表して、A社の他の取締役Cの債務を保証するには、A社の取締役会の承認を得なければならない。
   エ Bは、自らの計算においてA社の営業の部類に属する取引をし、これによりA社に損害を与えたときは、その取引につきあらかじめA社の取締役会の承認を得ていたとしても、A社の損害を賠償する責任を負う。
   オ Bは、A社から財産を譲り受け、これによりA社に損害を与えたときは、その譲渡につきあらかじめA社の取締役会の承認を得ていたとしても、A社の損害を賠償する責任を負う。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 31】   株式会社A社と株式会社B社との間の合併契約書を承認するA社の株主総会の会日の前日において、A社の債権者がA社又はB社のいずれの本店においても会社法の規定による閲覧の請求をすることができないものは、次の1から5までのうちどれか。ただし、次の1から5までは、いずれも書面で作成されているものとする。
   1 合併契約書
   2 A社の社債原簿
   3 A社の4年前の決算期に関する監査報告書
   4 B社の株主名簿
   5 B社の最終の貸借対照表
   【正解】 4 
   
 【問題 32】   株式会社に関する次のアからオまでの場合のうち、当該会社が採るべき債権者保護手続の内容が同じものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 営業譲渡により営業を譲り受ける場合
   イ 新設分割をする場合
   ウ 吸収分割により営業を承継する場合
   エ 資本の減少をする場合
   オ 合併により解散する場合
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 33】   株式会社及び有限会社に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 株式会社の定款には資本の額を記載することを要しないが、有限会社の定款には資本の総額を記載しなければならない。
   イ 株式会社の株主総会において資本減少の決議に反対した株主には株式の買取請求権があるが、有限会社の社員総会において資本減少の決議に反対した社員には持分の買取請求権はない。
   ウ 株式会社の株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とするが、有限会社の社員の責任は、その出資の金額を超える場合がある。
   エ 有限会社を株式会社に組織変更することはできるが、株式会社を有限会社に組織変更することはできない。
   オ 会社の取締役に対する損害賠償請求権について、株式会社の場合には株主による代表訴訟の制度があるが、有限会社の場合には社員による代表訴訟の制度はない。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 34】   合名会社の定款に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。ただし、定款は、書面をもって作成されたものとする。
   ア 合名会社を設立するには、必ず定款を作成しなければならないが、定款に公証人の認証を受けることは要しない。
   イ 定款には各社員が署名しなければならないが、定款をもって会社を代表すべき社員を定めたときは、他の社員は、署名することを要しない。
   ウ 定款には社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準を記載しなければならないが、出資の履行期として会社の成立後の日を定めることができる。
   エ 定款には会社が公告をする方法を記載することを要しない。
   オ 定款の変更の手続について定款自体に定めがない場合において定款を変更するには、総社員の議決権の4分の3以上の承認を得なければならない。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 4 
   
 【問題 35】   商行為に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 利益を得て譲渡する意思をもって自動車を有償で取得する行為は、商行為である。
   イ 代理人による商行為は、代理人が本人のためにすることを示さなくても、本人に対して効力を生ずるが、代理人が本人のためにすることについて相手方が善意無過失であるときは、本人に対して効力を生じない。
   ウ 商行為の委任による代理権は、本人の死亡により終了する旨の合意があるときは、本人の死亡により終了するが、この合意がないときは、本人が死亡しても終了しない。
   エ 商人間における金銭の消費貸借の貸主は、利息を支払う旨の合意がなければ、利息の支払を請求することができないが、その合意があれば、利率の合意がなくても、年6分の割合による利息の支払を請求することができる。
   オ 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、報酬についての合意がなくても、相当の報酬を請求することができる。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 3 
   

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平成14年度司法書士午後試験では、19問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして《  》内に「訴えの取下げ」と「請求の放棄」のいずれもが入るものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 原告は、離婚請求訴訟において《  》をすることができる。
   イ 第一審の原告が控訴審において《  》をしたときは、第一審の判決は、その効力を失う。
   ウ 原告は、本案の終局判決前に《  》をしたときは、同一の訴えを再度提起することができる。
   エ 《  》は、書面でしなければ、その効力を生じない。
   オ 被告が本案について準備書面を提出した後における原告による《  》は、被告の同意を得なければ、その効力を生じない。
     1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 02】   訴えの変更に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 旧請求と新請求との間に請求の基礎の同一性がない場合には、被告が同意したときであっても、請求又は請求の原因の変更をすることはできない。
   イ 請求又は請求の原因の変更は、著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、することができない。
   ウ 控訴審において請求又は請求の原因を変更するためには、第一審の被告の同意を得なければならない。
   エ 請求又は請求の原因の変更は、書面でしなければならない。
   オ 裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ 
   【正解】 4 
   
 【問題 03】   Aが、被告Bに対しては貸金の返還を、被告Cに対しては保証債務の履行を、それぞれ求めている共同訴訟に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア Bに中断事由が生じたときは、AB間の訴訟手続は中断するが、AC間の訴訟手続は中断しない。
   イ AのBに対する請求をBが認諾しても、Cが共に認諾しない限り、Bの認諾の効力は生じない。
   ウ BがAに対する弁済を主張したときは、Cがその弁済の主張をしなくても、裁判所は、AのCに対する請求において、その弁済の事実を認定することができる。
   エ 裁判所は、Cの申出により採用して取り調べた証人の証言を、Bが援用しなくても、AのBに対する請求において事実認定の資料とすることができる。
   オ AのB及びCに対する請求をいずれも棄却する旨の判決に対し、AがBについては控訴したが、Cについては控訴せずに控訴期間が経過したときは、AのBに対する請求についての判決は確定しないが、AのCに対する請求についての判決は確定する。
   1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 04】    次のアからオまでの記述のうち、判決と決定のいずれにも該当するものは幾つあるか。
   ア 仮執行の宣言を付することができない。
   イ 言渡しによらなければ、効力を生じない。
   ウ 計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、自らした裁判を更正することができる。
   エ 上訴に理由があると認めるときは、自らした原裁判を更正しなければならない。
   オ 最高裁判所に上訴をすることができる場合がある。
  1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個 
   【正解】 2 
   
 【問題 05】   次の1から5までの証拠調べの申出があった場合に、証拠調べを行うことができないものはどれか。
   1 簡易裁判所の訴訟手続における鑑定人の尋問
 2 第一審で弁論準備手続を終結した事件における控訴審での新たな証人の尋問
   3 第一審で時機に後れた攻撃防御方法として証人の尋問の申出が却下された事件における控訴審での同一の証人の尋問
   4 手形訴訟における手形の提示に関する事実についての証人の尋問
   5 少額訴訟における在廷している証人の尋問
   【正解】 4 
   
 【問題 06】   請求異議の訴えに関する次めアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 公正証書を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合、債務者は、当該公正証書の作成後に当該公正証書に係る債務を任意に弁済したことを理由として請求異議の訴えを提起することができる。
   イ 仮執行の宣言を付した判決を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合、債務者は、当該判決の確定前に請求異議の訴えを提起することができる。
   ウ 不動産を目的とする担保権の実行としての競売がされた場合、債務者は、当該担保権の被担保債権が時効により消滅したことを理由として請求異議の訴えを提起することができる。
   エ 売買代金の支払請求を認容した確定判決を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合、債務者は、当該売買契約を債権者の詐欺によるものとして取り消したことを理由として請求異議の訴えを提起することができる。
   オ 公正証書を債務名義として不動産に対し強制執行がされた場合、債務者は、当該公正証書が無権代理人の嘱託に基づき作成されたものであることを理由として請求異議の訴えを提起することができる。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 2 
   
 【問題 07】   保全命令に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 保全命令の申立てにおいては、保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性を明らかにしなければならないが、急迫の事情があるときは、保全の必要性は疎明することを要しない。
   イ 保全命令の申立てを取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を得ることを要しない。
   ウ 保全命令の申立てを却下する裁判に対しては、債権者は、告知を受けた日から1週間内に限り、即時抗告をすることができる。
   エ 不動産の仮差押命令は目的物を特定して発しなければならないが、動産の仮差押命令は目的物を特定しないで発することができる。
   オ 仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権であっても、条件付又は期限付であるものについては、発することができない。
    1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 08】   金銭の弁済供託に関する次の1から5までめ記述のうち、正しいものはどれか。
   1 弁済供託は、供託者と供託所との間における第三者のためにする寄託契約であると解されているので、第三者である被供託者が還付請求権を取得し、弁済供託による債務消滅の効果が生じるためには、被供託者の受諾の意思表示が必要である。
   2 供託者が債務者本人の代理人としてする意思で、しかし、本人のためにすることを表示せずに弁済供託をした場合には、被供託者がその供託が本人のためにされた供託であることを知っていたとしても、本人から被供託者に対する供託としての効力は生じない。
   3 契約上の金銭債務について債務者が弁済供託をした後に、被供託者の意思表示により当該契約が解除された場合には、供託者は、錯誤を理由として供託金を取り戻すことができる。
   4 毎月末に支払うべき地代又は家賃について過去の数か月分をまとめて提供したがその受領を拒否されたとして供託するには、各月分についてその支払日から提供日までの遅延損害金を付して提供したことが必要である。
   5 将来発生する地代又は家賃については、借主が期限の利益を放棄することが可能であるから、支払日未到来の将来の数か月分をまとめて提供し、その受領を拒否された場合には、これを供託することができる。
   【正解】 4 
   
 【問題 09】   債権者不確知を理由とする弁済供託(以下「債権者不確知供託」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 債権者Aが死亡し、相続が開始した場合でも、戸籍を調査することにより、亡Aの相続人が誰であるかを確定することができるから、債務者は、「亡Aの相続人」を被供託者として債権者不確知供託をすることはできない。
   イ 債権者がその債権をA及びBに二重に譲渡し、そのそれぞれについて確定日付ある譲渡通知が債務者に到達したが、その先後関係が不明である場合には、譲渡通知は同時に到達したものとして取り扱われるから、債務者は、「A又はB」を被供託者として債権者不確知供託をすることはできない。
   ウ 供託物を受け取る権利を有しない者を被供託者としてされた供託は無効であるから、「A又はB」を被供託者として債権者不確知供託がされた場合において、Bが還付請求権を有しないときは、当該供託は、全体として無効となる。
   エ 被供託者を「A又はB」とする債権者不確知供託については、A又はBは、還付を受ける権利を有することを証する書面を提出することができないとして、催告払の手続により供託物の還付を受けることはできない。
   オ 被供託者を「A又はB」とする債権者不確知供託については、第三者Cが、A及びBを被告とする訴訟の確定判決の謄本を添付して、Cが当該供託に係る債権の実体上の権利者であることを証明したとしても、Cは、供託物の還付を受けることはできない。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 10】   供託物の払渡手続に関する次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   1 保証として金銭を供託したときは、供託者は、当該供託がされた翌年度の4月以降において、前年度分の利息の払渡しを請求することができる。
   2 錯誤により債務額を超える額の供託をしたときは、債務の同一性が認められる限り、本来の債務額の範囲で供託自体は有効であり、超過額については、錯誤を証する書面を添付して取り戻すことができる。
   3 金銭供託の払渡しの場合における供託金の交付は、日本銀行あての記名式持参人払の小切手を払渡請求者に交付する方法によるほか、請求者が払渡請求書に記載して希望するときは、払渡請求者の預貯金に振り込む方法によることもできる。
   4 保証として有価証券が供託され、当該有価証券に添付されている利札の償還期が到来したときは、供託者その他の利札の払渡しを受ける権利を有する者は、利札のみの払渡しを請求することができる。
   5 弁済供託において被供託者の所在が不明のため供託通知書を発送することができなかったときは、被供託者は、還付請求をするに当たり、催告払の手続によることを要しない。
   【正解】 1 
   
 【問題 11】  
   
 【問題 12】  
   
 【問題 13】  
   
 【問題 14】  
   
 【問題 15】  
   
 【問題 16】  
   
 【問題 17】  
   
 【問題 18】  
   
 【問題 19】  
   
 【問題 20】  
   
 【問題 21】  
   
 【問題 22】  
   
 【問題 23】  
   
 【問題 24】  
   
 【問題 25】  
   
 【問題 26】  
   
 【問題 27】   次のアからオまでの登記のうち、登記事項として登記権利者が記載されないものは幾つあるか。
   ア 所有権移転の権利の消滅に関する事項の定めの登記
 イ 承役地についてする地役権設定の登記
   ウ 地上権の区分地上権への地上権変更の登記
   エ 抵当権の順位変更の登記
   オ 買戻特約の仮登記
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 3 
   
 【問題 28】   株式会社の解散及び清算に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 解散の登記、清算人就任による変更の登記及び清算結了の登記は、同一の申請書で一括して申請することはできない。
 イ 資本減少の効力発生日を解散の日以降の一定の日とする資本減少による変更の登記の申請は、解散の登記後は受理されない。
   ウ 代表清算人を選任したことによる変更の登記の申請書には、清算人会議事録の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
   エ 休眠会社の整理により解散の登記がされている会社が、株主総会において清算人を選任したことにより、当該選任に係る清算人就任による変更の登記を申請するには、定款に別段の定めがある場合を除き、その前提として、法定清算人の就任及び退任の登記をしなければならない。
   オ 清算結了の登記の申請書には、清算事務報告書及び結了時の貸借対照表を合綴した株主総会議事録とともに、「一定の期間内に債権を申し出るべき旨」を公告した官報を添付しなければならない。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 29】   登記の更正に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 臨時株主総会で取締役A及び監査役Bを選任したにもかかわらず、当該株主総会議事録を添付して取締役Aの就任登記のみを申請し、当該登記をしたときは、監査役Bの就任につき遺漏による登記の更正を申請しなければならない。
 イ 「平成14年6月30日取締役A就任」と変更の登記をすべきところ、本店所在地で誤って「平成14年6月30日取締役B就任」と登記したため、その登記の更正をしたときは、支店所在地で当該登記簿抄本を添付して「平成14年6月30日取締役A就任」の変更の登記を申請することはできない。
   ウ 登記の更正を申請する場合には、その更正すべき登記により朱抹された登記事項があるときであっても、当該登記事項の回復を同時に申請する必要はない。
   エ 本店変更の登記の申請については、変更の事実を証する書面の添付が不要とされているので、当該登記の更正を申請する場合には、当該登記の申請書又はその添付書類により錯誤又は遺漏があることが明らかでないときであっても、錯誤又は遺漏があることを証する書面の添付を要しない。
   オ 株式会社が取締役会の決議により、資本準備金の資本組入れを行い、資本の額の変更の登記をした後、資本準備金が存在しなかったことを理由として先の準備金の資本組入れの決議を取り消すことにより資本の額の登記の更正を申請することはできない。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 30】   次の対話は、商業登記の意義及び効力に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次の1から5までの学生の回答のうち、誤っているものはどれか。
   教授 株式会社A社の代表取締役Bが振り出した手形を受け取るに当たっては、A社の登記簿にBが代表取締役として登記されていることを確認すればよいですか。
 学生1 いいえ。それに加えて、Bについて、職務執行停止の仮処分命令が出されていないか、他の代表取締役と共同して代表すべき旨が定められていないかなど、その代表取締役としての権限を確認する必要があります。
   教授 A社に破産宣告があったことは、確認することができますか。
   学生2 はい、できます。破産宣告があった場合には、裁判所から遅滞なくA社の本店及び支店所在地を管轄する各登記所に破産の登記の嘱託がされることとなっていますので、登記簿により、破産宣告の有無を確認することができます。
   教授 第三者Cが、A社の取締役会が開催された事実がないのに取締役会議事録を偽造し、自らをA社の代表取締役として登記した場合において、真の代表取締役Bがそのことに気付く前に、第三者Dがこの登記を信頼してA社の代表取締役と称するCと契約をしたときは、Dは、A社に対して契約の履行を請求することができますか。
   学生3 はい、できます。不実の登記がされた場合には、登記された事項が不実であることを善意の第三者には対抗することができないとされていますので、この事例では、A社は、不実の登記について責任を負います。
   教授 それでは、会社の信用にかかわる登記事項には、どのようなものがありますか。
   学生4 例えば、資本の額です。株主の責任は出資を限度とする有限責任であるため、会社債権者の最終的なよりどころは会社財産です。資本の額は、会社財産を確保するための基準となる一定の金額であって、会社財産そのものではありませんが、会社の信用の基礎として登記されるものです。
   教授 それでは、目的の登記は、どのような機能を果たしていますか。
   学生5 会社の目的は、会社の権利能力の範囲を画するものであり、また、会社の商号使用権の範囲をも画するものであって、これを登記することにより、取引の円滑に資する機能を有しています。
   【正解】 3 
   
 【問題 31】   商業登記の申請人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 株式会社の設立に係る商号の仮登記を発起人の一人が申請した後、予定期間内に行う株式会社の設立の登記は、当該仮登記を申請した発起人以外の発起人も申請することができる。
 イ 取締役を辞任したが、法令又は定款に定める員数を欠いていないにもかかわらず会社が退任による変更の登記をしないときは、辞任した取締役は、当該登記を命ずる確定判決を得て、自ら退任による変更の登記を申請することができる。
   ウ 「甲野商事株式会社」という商号の会社が登記されているが、当該会社の実体がない場合には、同市町村内に同一の営業を目的とする「甲野商事有限会社」という商号の会社を設立しようとする社員は、甲野商事株式会社の商号の抹消を申請することができる。
   エ 株式会社A社が新設分割により株式会社B社を設立するときは、B社の代表取締役となるべき者は、B社の新設分割による設立の登記の申請及びA社の新設分割による変更の登記を申請することができる。
   オ 株式会社A社が株式移転により株式会社B社を設立するときは、A社の代表取締役は、B社の株式移転による設立の登記を申請することができる。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 32】   株式会社A社の営業の全部又は一部を株式会社B社に承継させる吸収分割があった場合においてB社がする吸収分割による変更の登記の申請書に添付すべき書面に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 B社の株主総会の承認を得ないで分割したときは、B社の株主総会の承認を得ないで分割する旨を公告し又は株主に通知したことを証する書面を添付しなければならない。
 2 A社の株主総会の承認を得ないで分割した場合において、反対の意思を通知したA社の株主があったときは、その株主が有する議決権の総数及び総株主の議決権の数を証する書面を添付しなければならない。
   3 B社が分割に際して発行する株式の総数をA社に割り当てたときは、B社の債権者に対して異議申述の催告をしたことを証する書面を添付することを要しない。
   4 B社が分割により資本を増加しないときは、A社から承継した債務の額、A社又はその株主に支払うべき金額及びこれらの者に移転すべき株式の会社帳簿の価額の合計額がA社から承継した財産の価額を上回ることを証する書面を添付しなければならない。
   5 B社の株主総会の承認を得ないで分割した場合において、A社の株主に分割交付金を支払うときは、B社の最終の貸借対照表を添付しなければならない。
   【正解】5 
   
 【問題 33】   新株発行による変更の登記の申請書に添付すべき書類に関する次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   1 株主総会で株主に新株引受権を与えて新株を発行することを決議したときは、定款を添付しなければならない。
 2 株主に新株引受権を与えてする新株発行手続中に、失権株が生じたため取締役会で新たに株主を募集した場合において、申込期日がその取締役会の3日後であったときは、期間短縮についての総株主の同意書を添付しなければならない。
   3 特定の者に新株を発行することとし、予定した全員から新株の申込みがあった場合において、一部の申込人の払込みが遅れることが明らかとなったため払込期日を延期したときは、払込期日延期についての株式申込人全員の同意書を添付しなければならない。
   4 株式の譲渡制限を定めている会社が株主総会の特別決議を条件として特定の者に新株を発行した場合において、その払込期日が取締役会決議の20日後で株主総会特別決議の10日後であったときは、期間短縮についての総株主の同意書を添付しなければならない。
   5 一般から株主を募集する方法で新株を発行することとして募集を開始した後に、払込みを取り扱う銀行を追加したときは、裁判所の許可書を添付しなければならない。
   【正解】 2 
   
 【問題 34】   取締役としてA、B及びCが登記されている株式会社における取締役及び代表取締役の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 取締役Bの退任の登記及び取締役Dの就任の登記がされた後、Dの取締役選任決議不存在確認判決が確定し、取締役Dの就任の登記が抹消されたときは、登記官は、職権により取締役Bの退任の登記を抹消し、取締役Bの登記を回復する。
 イ 取締役Cが仮取締役として登記されている場合において、新たにDが取締役に就任したときにおける取締役Dの就任の登記と仮取締役Cの退任の登記は、同時に申請しなければならない。
   ウ A及びBが代表取締役として登記されているときは、Aが取締役を辞任したことによる代表取締役退任の登記は、後任取締役の就任の登記と同時に申請しなければならない。
   エ 定款の規定により定時株主総会の終結時に取締役全員の任期が満了するので、同総会でA、B及びCを取締役に再選する決議がされた場合には、Aの就任承諾が得られないときであっても、B及びCの重任の登記は申請することができる。
   オ A、B及びCの任期がすべて満了しているときは、後任者が選任されなければ任期満了による退任の登記は申請することができないが、Cが任期満了後に解任されたときは、Cの退任の登記は申請することができる。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 35】   次の対話は、株式会社と社団法人の登記に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の回答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   教授: 株式会社は、設立の登記によって成立するため、設立の登記の申請書には会社成立の日は記載しませんが、社団法人の場合は、どうですか。
 学生:ア 社団法人は、主務官庁の設立許可によって成立するため、その許可書の到達日を法人成立の年月日として登記用紙と同一の用紙に記載しなければなりません。
   教授: 株式会社で登記された事項に変更が生じたときは、代表取締役は、所定の期間内に変更の登記の申請をしなければならず、これを怠ると過料に処せられますが、社団法人の場合は、どうですか。
   学生:イ 社団法人の理事も、所定の期間内に変更の登記をすることを義務付けられていますが、登記の申請を怠ったときの罰則については規定がないため、これを怠っても過料に処せられることはありません。
   教授: 株式会社の資本の額に変更があった場合には、その変更の都度、登記すべきものとされていますが、社団法人の資産の総額に変更があった場合は、どうですか。
   学生:ウ 社団法人においても、その変更の都度、登記すべきものとされていますが、毎年初め又は事業年度の終わりに登記してもよいものとされています。
   教授: 株式会社の場合、代表取締役の就任による変更の登記の申請書には、取締役会議事録の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければなりませんが、社団法人の場合は、どうですか。
   学生:エ 社団法人の理事については、定款の定めに従い、(a)社員総会、理事会等で選任する場合、(b)理事長が任命する場合、(c)理事会の同意等の手続を経て理事長が任命する場合等があることから、これらの議事録又は任命書の印鑑について、市区町村長の作成した証明書の添付は不要です。
   教授 株式会社が解散を命ずる裁判により解散した場合には、清算人の登記は、その清算人の申請によってされますが、社団法人の場合は、どうですか。
   学生オ 社団法人が主務官庁による設立許可の取消しにより解散した場合も、清算人の登記は、その清算人が申請すべきものとされています。
   1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 3 
   

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平成13年度司法書士午前試験では、35問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   AがBからC社製造の甲薬品を購入した場合に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア AがBから甲薬品を100箱以上購入しないと店から出さないと脅されて、これを購入した場合でも、BがAB間の売買代金債権をDに譲渡し、その旨の通知をAにしたときは、Aは、Bとの間の売買契約を取り消すことができない。
   イ Bは、C社の従業員から甲薬品はガンの予防に抜群の効果があるとの虚偽の説明を受け、これを信じてAに同様の説明をし、Aもこれを信じて甲薬品を購入した場合、Aは、Bとの間の売買契約を取り消すことができる。
   ウ Aが、C社の従業員から甲薬品はガンの予防に抜群の効果があるとの虚偽の説明を受け、これを信じて甲薬品を購入した場合、Bがその事情を知り得なかったときでも、Aは、Bとの間の売買契約を取り消すことができる。
   エ AがEに対しガン予防の薬品の購入を委任し、EがBから甲薬品はガンの予防に抜群の効果があるとの虚偽の説明を受け、これを信じてAの代理人として甲薬品を購入した場合、Aは、甲薬品がガンの予防に効果がないことを知っていたとしても、Bとの間の売買契約を取り消すことができる。
   オ AがEに対しガン予防の薬品の購入を委任し、EがAの代理人としてBから甲薬品を購入した場合、Eが未成年者であったとしても、Aは、Bとの間の売買契約を取り消すことができない。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 02】   民法第95条の錯誤に関する学生AとBの次の対話中の(ア)から(オ)までのいずれにも入らない語句は、後記1から5までのうちどれか。
   学生:A 民法第95条の錯誤とは、(ア)と表示との不一致を表意者が知らないことだよね。
   学生:B 僕は、民法第95条の錯誤とは(イ)と表示との不一致を表意者が知らないことだと考えているんだけど。
   学生:A B君の立場だと、錯誤による無効を主張することができる場合が広くなりすぎないかな。
   学生:B 僕の立場でも、(ウ)の錯誤に当たるかどうかを検討するから、そうはならないと思う。むしろ、A君の立場だと、(エ)の錯誤が常に錯誤にならないということにならないかな。
   学生:A いや、動機が表示されているかどうかで区別するから、問題はないと思う。
   学生:B そうすると、A君の立場も僕の立場も、(オ)が意思葬示の効力に影響を及ぼすことを認める点では共通だね。
    1 真意   2 動機   3 表示意思   4 内心的効果意思   5 要素 
   【正解】 3 
   
 【問題 03】   Aが、実父Bを代理する権限がないのに、Bの代理人と称してCから金員を借り受けた。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。なお、Cには、Aに代理権がないことを知らなかったことに過失があるものとする。
   ア Bが死亡し、AがBを単独で相続した場合、Cは、Aに対し、貸金の返還を請求することができる。
   イ Aが死亡し、BがAを単独で相続した場合、Cは、Bに対し、貸金の返還を請求することができる。
   ウ Bが死亡し、AがBの子Dと共にBを相続した場合、Dが無権代理行為の追認を拒絶しているとしても、Cは、Aに対し、Aの相続分の限度で貸金の返還を請求することができる。
   エ Bが死亡し、AがBの子Dと共にBを相続した場合、Dが無権代理行為を追認したときは、Cは、A及びDに対し、貸金の返還を請求することができる。
   オ Bが無権代理行為の追認を拒絶した後に死亡し、AがBを単独で相続した場合、Cは、Aに対し、貸金の返還を請求することができる。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 04】   債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効の起算点について、次の二つの見解がある。
   第1説 本来の債務の履行を請求し得る時から進行する。
   第2説 債務不履行の時から進行する。
    次のアからオまでの記述のうち、第2説の根拠として適切でないものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 損害賠償請求権は、債務不履行があって初めて発生する権利である。
   イ 債権者の救済手段として、債務不履行による損害賠償請求権と債務不履行による契約解除に基づく原状回復請求権との間で、不均衡が生ずることを認めるべきではない。
   ウ 損害賠償請求権は、債務不履行に対する救済手段としての重要な機能を有している。エ 損害賠償請求権は、本来の債権が転化した権利である。
   オ 不確定期限が付された債権の消滅時効の起算点は、当該期限の到来時であって、債権者又は債務者が期限の到来を知っているか否かを問わない。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ
   【正解】 5 
   
 【問題 05】   「詐欺による意思表示の取消しは、取消し後の第三者に対しては、登記がなければ対抗することができない。」という見解がある。次のアからオまでの記述のうち、この見解の根拠として適切でないものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 意思表示の効果がいつ覆滅されるかも分からないとすると、取引の安全が害されるおそれがある。
   イ 詐欺による意思表示も、取り消されるまでは一応効力が生じていたのであるから、取消しの遡及効は、法律上の擬制にすぎない。
   ウ 取引の相手方に権利があると信頼した善意の者が保護されるべきである。
   エ 欺罔されて瑕疵ある意思表示をした取消権者が保護されるべきである。
   オ 取消しにより取消しの相手方から取消権者への物権変動があったものとみることができる。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 4 
   
 【問題 06】   AとBはCの子であり、Cが死亡した場合(AとB以外に相続人はいない。)においてCが同人名義の甲土地を有していたときに関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものはどれか。
   1 Bが甲土地につき勝手に単独相続の登記をし、これをDに売却して所有権移転登記をした後、AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をした場合、Aは、Dに対し、その所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。
   2 Bが甲土地につきAB各持分2分の1の共同相続の登記をし、自己の持分をDに売却して持分移転登記をした後、AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をした場合、Aは、Dに対し、その持分移転登記の抹消を請求することができる。
   3 AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をした後、Bが甲土地につき勝手に単独相続の登記をした上、これをDに売却して所有権移転登記をした場合、Aは、Dに対し、その所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。
   4 AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をした後、Bが甲土地につき勝手に単独相続の登記をした場合、これをAから買い受けたDは、Bに対し、その所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。
   5 AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をし、Aがこれにつき単独相続の登記をした上、Dに売却して所有権移転登記をした場合、Cから生前に甲土地を買い受けたEは、Dに対し、その所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。
   【正解】 4 
   
 【問題 07】   次の対話は、即時取得の成否に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の回答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   教授: 他人の山林を自分の山林であると誤信して立木を伐採した場合、即時取得は成立しますか。
   学生:ア いいえ。取引行為によらずに立木の占有を開始した場合ですので、即時取得は成立しません。
   教授: 無権利者から善意無過失で山林を買い受けた後、その山林の立木を伐採した場合は、どうですか。
   学生:イ その場合は、取引行為によって立木の占有を開始した場合と同視することができるので、即時取得が成立します。
   教授: それでは、強制競売によって無権利者から動産を買い受けた場合、即時取得は成立しますか。
   学生:ウ いいえ。強制競売は、任意で行われた取引行為ではないので、即時取得は成立しません。
   教授: 無権利者から代物弁済によって動産の譲渡を受けた場合は、どうでしょうか。
   学生:エ 代物弁済は、弁済と同一の効力を生ずるものであり、取引行為ではないので、即時取得は成立しません。
   教授: では、本人の代理人から動産を買い受けたところ、本人がその動産の所有者でなかった場合、即時取得は成立するでしょうか。
   学生:オ 無権利者から買い受けた場合ですので、善意無過失であるときは、即時取得が成立します。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 08】   混同に関する次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   1 Aが自己所有地についてBのために抵当権を設定した後、その抵当権をCの転抵当権の目的とした場合、BがAからその土地の所有権を譲り受けても、原抵当権は消滅しない。
   2 Aが自己所有地についてBのために1番抵当権を設定した後、Cのために2番抵当権を設定した場合、BがAからその土地の所有権を譲り受けても、1番抵当権は消滅しない。
   3 Aが自己所有地についてBのために1番抵当権を設定した後、Cのために2番抵当権を設定した場合、CがAからその土地の所有権を譲り受けても、2番抵当権は消滅しない。
   4 Aが自己所有地を建物所有目的でBに賃貸し、Bが対抗要件を具備した後、その土地についてCのために抵当権を設定した場合、BがAからその土地の所有権を譲り受けても、賃借権は消滅しない。
   5 Aが自己所有地を建物所有目的でBに賃貸し、Bがその地上に建物を所有する場合において、A及びCがBからその建物の所有権を譲り受けたときは、賃借権は消滅しない。
   【正解】 3 
   
 【問題 09】   留置権に関する次のアからオまでの記述のうち、《  》線を付した(A)又は(B)の部分のいずれか一方のみが判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 留置権者は、(A)《目的物から優先弁済を受ける権利を有しない》ので、(B)《目的物を競売に付する権利を有しない。》
   イ 物の引渡しを求める訴訟において、被告が留置権を行使して引渡しを拒絶した場合、(A)《債務の完済までは原告に目的物引渡請求権は生じない》ので、(B)《裁判所は、引換給付の判決をすべきである。》
   ウ 留置権が生じた後に目的物が売却された場合、(A)《留置権は対世的な効力を有する》ので、(B)《その目的物の占有者は、買主に対し留置権を行使することができる。》
   エ 賃貸借契約の目的物である土地が譲渡された場合、借地人は、土地の譲受人に対し借地権を対抗することができないときであっても、(A)《借地権は土地に関して生じた債権である》ので、(B)《留置権を行使して土地の明渡しを拒絶することができる。》
   オ 建物の賃借人が、賃料不払のために契約を解除された後に、権原がないことを知りながら有益費を支出した場合、(A)《占有が不法行為によって始まった場合と同様の状況にある》ので、(B)《賃借人は、その建物について留置権を行使することができない。》
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 1 
   
 【問題 10】   転抵当の法律構成については、大別して、次の甲説と乙説の対立がある。転抵当に関する後記1から5までの論点のうち、甲説と乙説のいずれの説を採るかによって結論が異なるものはどれか。
   甲説: 転抵当とは、抵当権と被担保債権とに共同して質権を設定するものである。
   乙説: 転抵当とは、被担保債権から切り離して抵当権が把握する交換価値そのものに更に抵当権を設定するものである。
   1 抵当権者は、原抵当権設定者の承諾がない場合でも、転抵当権を設定することができ るか。
   2 抵当権の一部に転抵当権を設定することができるか。
   3 転抵当権者は、原抵当権の被担保債権を直接取り立てることができるか。
   4 転抵当権者は、原抵当権の被担保債権の弁済期が到来する前でも、転抵当権に基づき 原抵当権を実行することができるか。
   5 転抵当権は、その被担保債権額が原抵当権の被担保債権額を上回る場合でも有効か。
   【正解】 3 
   
 【問題 11】   次の表は、抵当権が設定された不動産の第三取得者と他人の債務のために自己所有の不動産に抵当権を設定した物上保証人について比較したものであり、第三取得者又は物上保証人ができる事項には「○」を、できない事項には「×」を記載している。この表のアからオまでの事項についての「○」と「×」の記載が共に正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
 
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 12】   抵当権の侵害に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 抵当権者は、抵当権設定者が通常の用法に従い抵当権が設定された山林の立木を伐採している場合には、その禁止を請求することができない。
   イ 抵当権者は、抵当権が設定された山林の立木が伐採されて木材となった場合には、その搬出の禁止を請求することができない。
   ウ 抵当権の侵害による不法行為に基づく損害賠償は、抵当権の実行により損害額が確定した場合でなければ、請求することができない。
   エ 債務者が抵当権の目的物を毀損した場合には、債務者は、期限の利益を失う。
   オ 抵当権者は、抵当権の侵害があった場合でも、抵当権の目的物の交換価値が被担保債権額を弁済するのに十分であるときは、その妨害排除を請求することができない。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 1 
   
 【問題 13】   AがCに対する2,500万円の債権を担保するために甲土地(時価3,000万円)と乙土地(時価2,000万円)について共同抵当権を有し、BがCに対する2,000万円の債権を担保するために甲土地について後順位の抵当権を有している。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合わせは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 債務者Cが甲土地及び乙土地を所有する場合において、Aが甲土地の抵当権を実行して債権全部の弁済を受けたときは、Bは、1,500万円の限度で乙土地についてAの抵当権を代位行使することができる。
   イ 債務者Cが甲土地及び乙土地を所有する場合において、Aが甲土地及び乙土地について抵当権を実行したときは、Bは、Aに対し、甲土地から500万円、乙土地から2,000万円の配当を得るように主張することができる。
   ウ 債務者Cが甲土地及び乙土地を所有する場合において、Aが乙土地の抵当権を放棄して甲土地の抵当権を実行したときは、Bは、Aによる抵当権の放棄がなければ乙土地についてAの抵当権を代位行使することができた限度で、Aに優先して配当を受けることができる。
   エ 債務者Cが甲土地を、物上保証人であるDが乙土地を所有する場合において、Aが甲土地の抵当権を実行したときは、Bは、乙土地についてAの抵当権を代位行使することができない。
   オ 物上保証人であるDが甲土地及び乙土地を所有する場合において、Aが甲土地の抵当権を実行したときは、Bは、乙土地についてAの抵当権を代位行使することができない。
    1 アイ   2 アウ   3 イオ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 14】   不法行為による損害賠償に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 交通事故により死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定については、幼児の損害賠償債権を相続した者が幼児の養育費の支出を必要としなくなった場合には、将来得べかりし収入額から養育費を控除することができる。
   イ 交通事故により死亡した者の相続人に対して給付された生命保険金は、その死亡による損害賠償額から控除すべきではない。
   ウ 交通事故の被害者の後遺障害による財産上の損害賠償額の算定については、その後に被害者が第二の交通事故により死亡した場合には、就労可能期間の算定上その死亡の事実を考慮すべきではない。
   エ 交通事故の被害者の後遺障害による財産上の損害賠償額の算定については、その後に被害者が第二の交通事故により死亡した場合には、死亡後の生活費を控除することができない。
   オ 交通事故により介護を要する状態となった被害者がその後に別の原因により死亡した場合でも、その相続人は、死亡後も平均余命に至る期間までの介護費用の賠償を請求することができる。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 15】   保証に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 主たる債務者がした承認による時効中断の効力は保証人にも及ぶが、主たる債務者がした時効利益の放棄の効力は保証人には及ばない。
   イ 主たる債務者に強制執行が容易な財産がある場合でも、その財産に債権全額の弁済をするだけの価値がないときは、保証人は、検索の抗弁権を行使することができない。
   ウ 主たる債務者が、債務の一部弁済をしたにもかかわらず、債権の譲受人に対し異議をとどめない承諾をした場合には、保証人は、保証債務の一部消滅を主張することができない。
   エ 主たる債務者がした弁済が債権者取消権の行使によって取り消され、債権者が弁済金の返還に応じた場合には、保証人は、保証債務の消滅を主張することができる。
   オ 債権者が主たる債務者に対し債権譲渡の通知をした場合には、その通知に確定日付がなくても、債権の譲受人は、保証人に対し、債務の譲渡を対抗することができる。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 2 
   
 【問題 16】   売買及び強制競売における担保責任に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 他人の権利を売買の目的とした場合において、売主が当該権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、売買契約の当時、当該権利が他人のものであることを知っていたときでも、売買契約を解除することができる。
   イ 売買の目的である土地の一部に他人が所有する土地が含まれたことにより、買主が当該他人の土地を取得することができなかった場合においては、買主は、売買契約当時、当該土地の一部が他人の土地であることを知っていたときでも、売買契約を解除することができる。
   ウ 売買の目的である土地に抵当権が設定されていた場合において、買主が第三者弁済をして当該抵当権を消滅させたときは、売買代金が当該土地の客観的価格から当該抵当権の被担保債権額を控除して定められたときでも、買主は、売主に対し、第三者弁済に係る出捐額の償還を請求することができる。
   エ 強制競売の目的である権利の一部が他人に属していたことにより、買受人が当該権利の一部を取得することができなかった場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。
   オ 強制競売の目的物に隠れた瑕疵があった場合において、買受人が売却許可決定がされた当時、当該瑕疵があることを知らなかったときは、買受人は、当該瑕疵を知っていながら申し出なかった債務者に対し、損害賠償を請求することができる。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 17】   解約手付けが授受された売買契約に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 売主が売買契約を解除するには、買主に対し、手付けの倍額を償還する旨を告げてその受領を催告するのみでは足りず、その現実の提供をしなければならない。
   イ 売買契約が合意解除されたときは、手付金受領者は、その手付けを相手方に返還することを要しない。
   ウ 買主が売買代金の履行期前に売買代金を提供したとしても、履行の着手があったことにはならないので、売主は、売買契約を解除することができる。
   エ 履行の着手の前後を問わず履行の終了するまでは解約手付けによる解除権を行使することができる旨の特約がある場合には、当事者の一方は、相手方が履行に着手した後であっても、売買契約を解除することができる。
   オ 当事者の一方は、自らが履行に着手した場合には、相手方が履行に着手していないときでも、売買契約を解除することができない。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 2 
   
 【問題 18】   氏に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 夫婦の一方の死亡により婚姻が解消したときは、婚姻によって氏を改めた者は、婚姻前の氏に復することができない。
   イ 嫡出である子は、その出生前に父母が離婚したときは、母の氏を称する。
   ウ 婚姻によって氏を改めた者が養子となったときは、養子は、養親の氏を称しない。
   エ 夫婦共同縁組をした養親の一方のみと離縁をしたときは、養子は、縁組前の氏に復しない。
   オ 特別養子縁組の場合には、離縁が成立しても、養子は、縁組前の氏に復しない。
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ 
   【正解】 4 
   
 【問題 19】   婚姻の取消しに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 離婚後に再婚をしたが、離婚が無効であるときは、再婚は、無効であるので、取り消すことができない。
   イ 強迫による婚姻は、当事者が強迫を免れた後、3か月を経過したときは、取り消すことができない。
   ウ 未成年者の婚姻は、父母の同意を得ないでしたときも、取り消すことができない。
   エ 再婚禁止期間の規定に違反した婚姻は、当事者の一方が死亡した後は、その配偶者も、取り消すことができない。
   オ 婚姻適齢の規定に違反した婚姻は、その不適齢者も、婚姻適齢に達した後は、取り消すことができない。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 20】   養子縁組に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 未成年者を養子とするには、原則として、家庭裁判所の許可を得なければならないが、養子となるべき者が15歳未満であって法定代理人の代諾により縁組をするときは、家庭裁判所の許可を得ることを要しない。
   イ 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、原則として、配偶者と共に縁組をしなければならないが、配偶者の嫡出である子を養子とするときは、単独で縁組をすることができる。
   ウ 配偶者のある者が成年者を養子とするには、原則として、配偶者の同意を得なければならないが、配偶者が心神喪失の状態にありその意思を表示することができないときは、その同意を得ないで縁組をすることができる。
   エ 真実の親子関係がない親から嫡出である子として出生の届出がされている場合、その出生の届出は無効であるが、その子は、15歳に達した後は、その出生の届出を縁組の届出として追認することができる。
   オ 15歳未満の子について真実の親子関係がない戸籍上の親がした代諾による養子縁組は、その親に代諾権がないので無効であるが、その子は、15歳に達した後は、その縁組を追認することができる。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 1 
   
 【問題 21】   相続の単純承認に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 相続人が自己のために相続の開始があったことを知らない場合でも、相続の開始の時から3か月が経過したときは、単純承認をしたものとみなされる。
   イ 相続人が相続の放棄をした後に相続財産を処分したときは、単純承認をしたものとみなされる。
   ウ 相続人が相続財産である建物の不法占有者に対し明渡しを求めたときは、単純承認をしたものとみなされる。
   エ 相続人が相続財産である建物の賃借人に対し賃料の支払を求めたときは、単純承認をしたものとみなされる。
   オ 未成年である相続人の親権者が相続財産である建物を売却したときは、その相続人は、単純承認をしたものとみなされる。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 22】   遺言の撤回に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 遺言者が公正証書遺言の方式によって甲土地をAに遺贈した場合であっても、その後、遺言者が自筆証書遺言の方式による遺言によって前の遺言を撤回したときは、Aは、甲土地の所有権を取得しない。
   イ 遺言者が前の遺言で甲土地をAに遺贈し、後の遺言で甲土地についてBのために地上権を設定した場合、Aは、甲土地の所有権を取得しない。
   ウ 遺言者が前の遺言で甲土地をAに遺贈し、その遺言書の中で「これが最終の遺言であり、撤回することはない。」旨を明記した場合には、後の遺言で甲土地をBに遺贈しても、Bは、甲土地の所有権を取得しない。
   エ 遺言者が甲土地をAに遺贈した後に、これをBに生前贈与した場合には、その生前贈与が遺言者が遺言の内容を失念していたためにされたときであっても、Aは、甲土地の所有権を取得しない。
   オ 遺言者が甲土地をAに遺贈した後に、その遺言書を他の書類と誤認して焼却した場合には、Aは、甲土地の所有権を取得しない。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 23】   中止未遂に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 中止未遂の要件である「自己の意思により」について、行為者本人が犯罪の完成を妨げる認識を有していたか否かを基準とする見解は、中止未遂の根拠について責任が減少すると解する立場と結び付きやすいが、違法性が減少すると解する立場からも、この見解を採ることは可能である。
   イ 中止未遂の効果は、行為者が中止した犯罪と併合罪の関係にある別罪には及ばないが、科刑上一罪の関係にある別罪には及ぶので、窃盗目的で他人の住居に侵入した後、窃盗を中止した場合には、住居侵入罪についても中止未遂が成立する。
   ウ 中止犯が成立するためには、中止行為により犯罪の完成が妨げられたことが必要であるので、殺意をもって被害者に重傷を負わせた後、悔悟して被害者を病院に搬送し、一命を取り留めさせたが、たまたま落雷で病院が火事になり被害者が焼死した場合には、中止犯は成立し得ない。
   エ 被害者に傷害を負わせる意図で暴行に及んだところ、被害者が転倒し、頭部から血を流して失神したのを見て、死亡させてはいけないと思い、病院に搬送して治療を受けさせたため、脳挫傷を負わせるにとどまり一命を取り留めさせた場合には、傷害致死罪の中止犯が成立する。
   オ 共同正犯者が実行行為に着手した後、一部の関与者について中止未遂が認められるためには、その関与者が自己の犯行を中止したことだけでなく、着手未遂の場合には他の共犯者の行為を阻止したこと、実行未遂の場合には自己及び共犯者の行為から生ずべき結果を阻止したことが必要である。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 2 
   
 【問題 24】   正当防衛に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 正当防衛の要件である急迫の侵害とは、法益侵害の危険が切迫していることをいい、将来起こり得る侵害は、これには当たらないので、将来の侵害を予想してあらかじめ自宅周囲に高圧電線をはりめぐらせた場合、その後に侵入者がこれに触れて傷害を負ったとしても、正当防衛は成立しない。
   イ 正当防衛の要件である不正の侵害とは、違法なものをいうが、動物による侵害は違法ではあり得ないので、突然襲いかかってきた他人の飼い犬から自己の生命身体を守るためにその犬を殺害した場合、正当防衛は成立しない。
   ウ 正当防衛は、不正の侵害に対して許されるので、Aから不意にナイフで切り付けられたBが自己の生命身体を守るために手近にあったCの花びんをAに投げ付けた場合、その結果花びんを壊した点を含めて、自己の生命身体を防衛するためやむを得ずにした行為として、正当防衛が成立し得る。
   エ 正当防衛の要件として防衛の意思の存在を要しないとの考え方からすると、AがBを殺そうとしてけん銃を発射し、一方Bもたまたま、コート内に隠し持っていたけん銃を発射してAを殺そうとしていたところであったが、Aの弾丸が一瞬早く命中してBを殺害した場合、正当防衛が成立し得る。
   オ 正当防衛の要件として防衛の意思の存在を要するとの考え方からすると、攻撃の意思が併存していても防衛の意思を認めることはできるが、防衛に名を借りて積極的な加害行為に出た場合は、防衛の意思を欠くことになるので、過剰防衛として刑が減軽され、又は免除されることはない。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 25】   次の1から5までの事例のうち、判例の趣旨に照らしてAについて強盗既遂罪が成立するものはどれか。
   1 Aは、うらみを晴らす目的でBになぐるけるの暴行を加え、Bを失神させた後、この機会に金品を奪おうと考え、Bが身に付けていた背広のポケットを探り、中にあった財布を奪った。
   2 Aは、たまたま公園内で、Bが「金をよこせ。」などと言いながらCになぐるけるの暴行を加えているのを目撃したため、Bに加勢して自分も金品を奪おうと考えたが、Bが現金を奪って立ち去ってしまったため、負傷して身動きができなくなったCの傍らに置いてあったCのバッグを奪った。
   3 Aは、金品を奪う目的でBにナイフを突き付けて金品を要求したところ、Bは、恐怖心は感じたものの、合気道の達人であるので、反抗ができないわけではないと思ったが、万が一けがをしてはいけないと考え、自らAに所持金を差し出し、Aは、これを奪った。
   4 Aは、金品を奪う目的でBにナイフを突き付けて金品を要求したことろ、驚いたBは、反射的に逃げ出し、その途中でポケットから財布を落としたが、それに気付かないまま逃走した。Bの姿が見えなくなった後、Aは、財布が路上に落ちているのに気付き、Bが落としたものと思って、これを奪った。
   5 Aは、コンビニエンス・ストアに押し入って売上金を強奪することを計画し、深夜、けん銃を持って営業中の店に侵入したが、たまたま店員が不在であったため、レジから売上金を奪った。
   【正解】 3 
   
 【問題 26】   偽証罪に関する次の記述中の(ア)から(カ)までに下記のaからfまでの文言を入れて文章を完成させる場合、最も適切な組合せは、後記1から5までのうちどれか。
    偽証罪は、法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をした場合に成立するが、虚偽の意味については、主観説と客観説とが対立している。主観説によれば、証人が(ア)事実を陳述すれば、それが(イ)ものであり、かつ、(ウ)ものであっても、偽証罪は成立しないことになる。これに対し、客観説によれば、(イ)陳述が虚偽に当たるが、(エ)場合には、故意がないので、偽証罪は成立しないし、そもそも(オ)陳述をした場合には、それが(カ)ものであり、かつ、(ウ)ものであっても、虚偽の陳述には当たらないので、偽証罪は成立しないことになる。
   a 客観的事実に合致する       b 客観的事実に反する
   c 証人が真実であると思う      d 証人が真実ではないと思う
   e 自己の記憶に合致する       f 自己の記憶に反する
   1 (ア)c  (イ)b  (ウ)f  (エ)e  (オ)a  (カ)d
   2 (ア)c  (イ)f   (ウ)b  (エ)a  (オ)e  (カ)d
   3 (ア)e  (イ)d  (ウ)b  (エ)c  (オ)f   (カ)a
   4 (ア)e  (イ)b  (ウ)d  (エ)c  (オ)a  (カ)f
   5 (ア)e  (イ)b  (ウ)d  (エ)f   (オ)c  (カ)a
   【正解】 4 
   
 【問題 27】   株式会社に関する次の1から5までの記述のうち、後記アからエまでの資本に関する原則又は制度と関係がないものはどれか。
   1 資本の額は、原則として、発行済株式の発行価額の総額であるが、その2分の1を超えない額を資本に組み入れないことができる。
   2 利益配当の限度額の算定に際して貸借対照表上の純資産額から控除すべき額には、資本の額が含まれる。
   3 資本減少を行うには、株主総会の特別決議を経るほか、会社債権者に異議を述べる機会を与えなければならない。
   4 現物出資の目的物の評価については、裁判所が選任する検査役の調査を経なければならない。
   5 定款に記載された株式の総数の範囲内であれば、取締役会の決議だけで新株の発行をすることができる。
    ア 授権資本制度  イ 資本維持の原則  ウ 資本充実の原則  エ 資本不変の原則
   【正解】 1 
   
 【問題 28】   株式会社における代表取締役と支配人とを比較した次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア いずれも、必要的かつ常設的な機関である。
   イ 代表取締役は競業避止義務を負うが、支配人は競業避止義務を負わない。
   ウ いずれについても、共同代表又は共同代理の定めをすることができる。
   エ 未成年者は、代表取締役になることはできないが、支配人になることはできる。
   オ その選任は、いずれも、取締役会の決議によらなければならない。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 4 
 【問題 29】   株主総会の承認を得ることを要しない簡易な合併手続に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 債権者保護手続は、官報による公告をするほか、債権者に対する各別の催告に代えて、定款に定めた時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙による公告をすることができる。
   2 合併をする各会社は、取締役会決議に基づき合併契約を締結すれば足り、株主総会の承認を要しない。
   3 存続会社は、合併契約書にその商号を変更する旨を記載することにより、これを変更することができる。
   4 存続会社の株主は、合併に反対の場合でも、株式の買取りを請求することができない。
   5 簡易な合併手続は、消滅会社に現存する純資産額が存続会社に現存する純資産額の10分の1を超えない場合に認められる。
   【正解】 1 
   
 【問題 30】   財産引受けに関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らして誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 財産引受けは、会社の設立の段階における営業用財産の取得手段の一つである。
   イ 財産引受けは、発起人が行うことができる営業の開始の準備行為である。
   ウ 財産引受けをするには、その対象財産の価格の多寡にかかわらず、対象財産、その価格及び譲渡人の氏名を定款に記載しなければならない。
   エ 定款に記載のない財産引受けであっても、成立後の会社が、株主総会の特別決議で追認すれば、有効となる。
   オ 定款に記載のない財産引受けであっても、譲渡人は、その無効を主張することができない。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ 
   【正解】 5 
 【問題 31】   株主以外の第三者に対する新株の有利発行について、「株主総会の特別決議を経なかった場合でも、新株発行は無効とならない。」とする見解がある。この見解に関する次のアからオまでの記述のうちづ正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア この見解に反対する立場は、株主以外の第三者に対する新株の有利発行を株主総会の権限とした趣旨を重要視する。
   イ この見解によれば、株主が法令違反を理由として申し立てた新株発行差止めの仮処分が発令されたのに、これを無視して新株発行がされた場合でも、新株発行は無効とならないことになる。
   ウ この見解は、新株の発行を会社の合併と同様の性質を有する行為であると位置付ける。
   エ この見解は、株主総会の特別決議が取締役会の権限行使についての要件にすぎないことを根拠とする。
   オ この見解によれば、新株の発行により会社に損害が生じた場合でも、新株を発行した取締役の会社に対する責任は発生しないことになる。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ
   【正解】 2 
 【問題 32】   A会社の発行済株式総数は1,000株(すべて議決権がある。)で、株主数は200人であるが、A会社の定款には、「株主総会の決議は、、出席した株主が有する株式の数にかかわらず、その議決権の過半数をもって決する。」という定めがあった次の1から5までの場合のうち、A会社の株主総会決議が瑕疵なく成立するものはどれか。
   1 A会社の定款には、取締役の員数を3人とする旨の定めがあったが、これを5人に変更するために株主総会を招集したところ、出席した株主の保有株数は600株で、そのうち350株を保有する株主が決議に賛成した。
   2 A会社の定款には、株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めはなかったが、定款を変更してその旨の定めを設けるための株主総会を招集したところ、出席した株主は150人で、その保有株数は750株であり、そのうち120人の株主が決議に賛成し、その保有株数は600株であった。
   3 A会社は、定時株主総会において配当可能利益の範囲内で自己株式を取得して消却することを議案としたところ、出席した株主全員が賛成したものの、その保有株数は100株であった。
   4 A会社は、監査役1名の任期が満了することから、定時株主総会で新たな監査役を選任することになったところ、出席した株主の保有株数は300株で、そのうち200株を保有する株主が決議に賛成した。
   5 A会社は、資本の額が2,000万円であったが、設立後2年を経過していない時点でその設立前から事務所の敷地として予定しておいた第三者所有の土地を150万円で譲り受ける契約をすることとし、そのための株主総会を招集したところ、出席した株主の保有株数は500株で、そのうち400株を保有する株主が決議に賛成した。
   【正解】 3 
   
 【問題 33】   会社の計算に関する規制の在り方については、会社の個々の財産の処分価額の総額をもって会社財産として表示することを目的とする財産法の立場と、会社の収益力を把握し、これを表示することを目的とする損益法の立場がある。次のアからオまでの記述のうち、「この立場」が損益法を指すものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア この立場は、会社の継続性を軽視するもので、社会の実態に即していない。
   イ この立場によれば、資産の評価方法としては、取得原価主義を採用するのが適当である。
   ウ この立場によれば、繰延資産の貸借対照表への計上を認めることは困難である。
   エ この立場には、会社の各期における利益配当の平均化に資するという意義がある。
   オ この立場によれば、期末に実地棚卸しを行い、期末の残高と期首の残高との差額によって営業年度の損益を把握することになる。
    1 アウ  2 アオ  3 イウ  4 イエ  5 エオ 
   【正解】 4 
 【問題 34】   社債管理会社に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 商法上、会社は、各社債の金額が1億円以上の社債を募集する場合には、社債管理会社を定めることを要しない。
   イ 社債管理会社は、各別に社債権者を表示することなく、社債権者のために社債の元利金を受領することができる。
   ウ 社債管理会社は、社債権者集会の決議を得なければ、総社債につき支払を猶予することができない。
   エ 社債管理会社が社債権者のために社債の元利金の支払を請求する訴えを提起するには、社債権者集会の決議を得なければならない。
   オ 社債管理会社が起債会社から社債の元利金を受領した場合でも、社債権者が実際に弁済金を受領するまでは、起債会社の社債元利金支払債務は存続する。
    1 アイ   2 アウ   3 イオ   4 ウエ   5 エオ 
   【正解】 5 
 【問題 35】   有限会社の持分に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 有限会社の持分についても、株式と同様、定款で議決権のない持分を定めることができる。
   イ 有限会社の持分の移転は、社員名簿に譲受人についての記載をしなければ会社に対抗することはできないが、その記載をしなくても第三者には対抗することができる。
   ウ 有限会社の持分を譲渡するには、譲渡の相手方が社員の場合も社員以外の第三者の場合も、社員総会の承認を得なければならない。
   エ 有限会社の持分を有する者の総数は、特別の事情がある場合において裁判所の認可を得たときを除き、50人以下に制限されている。
   オ 有限会社による自己持分の取得は、持分の消却のためにはすることができるが、取締役又は使用人への譲渡のためにはすることができない。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ
   【正解】 5 

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平成13年度司法書士午後試験では、18問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   次の1から5までの記述のうち、準備的口頭弁論及び弁論準備手続の両手続に共通しないものはどれか。
   1 裁判所は、手続を終了又は終結するに当たり、その後の証拠調べにより証明すべき事実を当事者との間で確認するものとされている。
   2 裁判長は、相当と認めるときは、手続を終了又は終結するに当たり、手続における争点及び証拠の整理の結果を要約した書面を当事者に提出させることができる。
   3 裁判所は、当事者が期日に出頭しないときは、手続を終了又は終結することができる。
   4 手続の終了又は終結後に攻撃又は防御の方法を提出した当事者は、相手方の求めがあるときは、相手方に対し、手続の終了又は終結前にそれを提出することができなかった理由を説明しなければならない。
   5 裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときは、当事者の一方がその期日に出頭した場合に限り、当事者の意見を聴いて、いわゆる電話会議方式によって手続を行うことができる。
   【正解】 5 
   
 【問題 02】   文書提出命令に関する次のアからオまでの記述のうち、文書の所持者が訴訟当事者であるか、又は第三者であるにかかわらず正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 文書提出命令の申立てをするときは、文書の提出義務の原因を明らかにしなければならない。
   イ 裁判所は、文書の提出を命じようとするときは、その文書の所持者を審尋しなければならない。
   ウ 文書の所持者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、その文書の記載に関する申立人の主張を真実と認めることができる。
   エ 文書の所持者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、決定で、20万円以下の過料に処する。
   オ 文書提出命令に対しては、その文書の所持者は、即時抗告をすることができる。
    1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 03】   自由心証主義に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 自由心証主義は、職権探知主義が採られている訴訟には適用されない。
   イ 自由心証主義は、主要事実及び間接事実のみならず、補助事実についても適用される。
   ウ 自由心証主義の下では、弁論の全趣旨のみで事実認定をすることも許される。
   エ 自由心証主義の下では、反対尋問を経ない伝聞証言には証拠能力が認められない。
   オ 自由心証主義の下では、一方の当事者が提出した証拠を相手方当事者に有利な事実の認定に用いてはならない。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 04】   Aが、Bとの間の自動車の売買契約(以下「本件売買契約」という。)に基づき、Bに対し、代金300万円の支払を求める訴え(以下「前訴」という。)を提起したところ、A勝訴の判決が確定したが、その後に、Bは、Aに対し、300万円の代金債務の不存在確認を求める訴え(以下「後訴」という。)を提起した。次のアからオまでの記述は、いずれも後訴におけるBの主張である。これらの主張のうち、判例の趣旨に照らして前訴の判決の既判力に抵触しないものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 「本件売買契約に基づく300万円の代金債務は、前訴の口頭弁論の終結後に弁済した。」旨の主張
   イ 「本件売買契約は、その目的物である自動車が買い受けたいと思っていたものとは違っていたから、錯誤により無効である。」旨の主張
   ウ 「本件売買契約は、Aの強迫に基づき締結したものであるから、これを取り消す。」旨の主張
   エ 「本件売買契約に基づく300万円の代金債務については、前訴の口頭弁論の終結前に消滅時効が完成していたから、この消滅時効を援用する。」旨の主張
   オ 「本件売買契約の締結前に発生したBのAに対する貸金債権300万円をもって、本件売買契約に基づく300万円の代金債務と相殺する。」旨の主張
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 2 
   
 【問題 05】   少額訴訟に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 訴訟の目的の価額が30万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。
   イ 少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、最初にすべき口頭弁論の期日までにしなければならない。
   ウ 少額訴訟においては、即時に取り調べることができる証拠に限り、証拠調べをすることができる。
   エ 少額訴訟においては、判決書の原本に基づかないで判決の言渡しをすることができる。
   オ 少額訴訟の終局判決に対しても、控訴をすることができる。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ 
   【正解】 4 
   
 【問題 06】   占有移転禁止の仮処分に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 占有移転禁止の仮処分でも、目的物を執行官に保管させ、かつ、債務者の使用を許さないものの場合には、仮処分命令の主文に、債務者に対して目的物の占有の移転を禁止する旨を掲げることはできない。
   イ 債権者は、占有移転禁止の仮処分の執行がされたことを知って目的物を占有した者に対しては、その者が債務者の占有を承継した者でない場合であっても、本案の債務名義に基づき目的物の引渡しの強制執行をすることができる。
   ウ 債権者は、占有移転禁止の仮処分の執行がされたことを知らないで債務者の占有を承継した者に対しても、本案の債務名義に基づき目的物の引渡しの強制執行をすることができる。
   エ 債権者は、占有移転禁止の仮処分の執行がされたことを知って債務者の占有を承継した者に対して本案の債務名義に基づき目的物の引渡しの強制執行をする場合には、承継執行文の付与を受けることを要しない。
   オ 占有移転禁止の仮処分の執行後に目的物を占有した者は、債務者の占有を承継したものと推定される。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 07】   強制執行に関する次の1から5までの記述のうち、その目的物が不動産であるか、又は動産であるかにかかわらず正しいものはどれか。
   1 申立ては、目的物の所在地を管轄する地方裁判所に対してしなければならない。
   2 申立てにおいては、目的物を特定しなければならない。
   3 差押債権者の債権及び執行費用の弁済に必要な限度を超えて差押えをしてはならない。
   4 債務者は、差押物を使用することができない。
   5 第三者が目的物を占有する場合でも、することができる。
   【正解】 5 
   
 【問題 08】   供託当事者に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 行為無能力者がした供託手続上の行為は、供託には公法関係の側面があること及び手続の安定の要請があることにかんがみ無効な行為と解されるので、営業の許可を受けていない未成年者が単独でした弁済供託は、無効である。
   2 裁判上の保証供託は、裁判所の担保提供命令によってするものであるので、担保提供を命ぜられた当事者以外の第三者は、裁判所の許可を受けなければ、当事者に代わって供託者となることができない。
   3 弁済供託の被供託者は、供託の当事者として供託の成立の時に具体的に確定している必要があるので、被供託者が確定していない場合には、弁済供託をすることができない。
   4 相続財産管理人、遺言執行者などの他人の財産の管理人は、本人のために財産を管理する者であるので、その財産管理の一環としてする供託においては、本人が供託者となる。
   5 営業上の保証供託は、不特定の者が被る可能性のある損害を担保するためのものであるので、営業者以外の第三者は、監督官庁の承認を受けて、営業者に代わって供託者となることができる。
   【正解】 1 
   
 【問題 09】   供託申請についての供託官の審査権限は、形式的審査の範囲にとどまるが、供託原因の存否等、当該供託が実体法上有効なものであるかどうかという供託の実体的要件が審査の対象となるか否かについては、「ならない」とする甲説と「なる」とする乙説とがある。この二つの考え方についての次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 賃料の受領拒絶を原因とする弁済供託について、供託書の記載から、申請者が提供した賃料にその弁済期から提供の日までの遅延損害金が付加されていなかったことが明らかであるときは、供託は、甲説によれば受理されるが、乙説によれば受理されない。
   2 供託官が、法定の添付書類以外の資料の提出を求めたり、関係者の説明を聞くなどして、供託原因の存否を調査することは、甲説によれば許されないが、乙説によれば許される。
   3 金銭債権の差押えがされた場合に第三債務者がする執行供託について、供託書の記載から、債務履行地ではない場所の供託所に供託申請がされたことが明らかであるときは、供託は、甲説によれば受理されるが、乙説によれば受理されない。
   4 民法上の組合を供託者として、組合の名称及びその代表者Aを表示して供託申請がされた場合において、添付書類によりAの代表権が認められるときは、供託は、甲説によれば受理されないが、乙説によれば受理される。
   5 売買代金の受領拒絶を原因とする弁済供託について、供託書の記載から、買主が口頭の提供のみをしているが、売主があらかじめ受領を拒絶したことも明らかであるときは、供託は、甲説によれば受理されないが、乙説によれば受理される。
   【正解】 1 
   
 【問題 10】   供託成立後の供託関係の変動に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 弁済供託において、被供託者の債権者が供託物の還付請求権を差し押さえた後は、供託者は、供託物の取戻しを請求することができない。
   イ 弁済供託において、被供託者の債権者が債権者代位権に基づいて供託物の還付を請求した後は、供託者は、供託物の取戻しを請求することができない。
   ウ 弁済供託に係る債務について保証契約が締結されていた場合には、供託により主たる債務が消滅する結果、保証債務も消滅するので、供託者は、供託物の取戻しを請求することができない。
   エ 供託物の取戻請求権を差し押さえた債権者は、供託所に対し、自ら供託物の取戻しを請求することはできず、執行裁判所による支払委託の方法によって払渡しを受けなければならない。
   オ 供託物の取戻請求権及び還付請求権は、いずれも当事者の合意により譲渡することができるが、譲受人は、譲渡人から供託所に対する通知がなければ、供託物の払渡しを請求することができない。
    1 アイ   2 アウ   3 イオ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 11】  
   
 【問題 12】  
   
 【問題 13】  
   
 【問題 14】  
   
 【問題 15】  
   
 【問題 16】  
   
 【問題 17】  
   
 【問題 18】  
   
 【問題 19】  
   
 【問題 20】  
   
 【問題 21】  
   
 【問題 22】  
   
 【問題 23】  
   
 【問題 24】  
   
 【問題 25】  
   
 【問題 26】  
   
 【問題 27】  
   
 【問題 28】   次の対話は、商業登記の真正を担保するための手続に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の回答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   教授: 商業登記の真正を担保するために様々な手続が定められていますが、申請当事者の同一性を確認するという面からは、どのような手続が定められていますか。
   学生:ア 申請書に押印する申請人若しくはその代表者又はこれらの者から委任を受けた代理人は、あらかじめ印鑑を登記所に提出し、その提出した印鑑を登記申請書に押印することになっています。
   教授: 添付書類については、どのような定めがありますか。
   学生:イ 例えば、登記事項が定款の変更を伴うときは変更後の定款を添付しなければならないとされており、また、登記事項が取締役会の決議を要するときはその議事録を添付しなければならないとされているなど、添付書類から登記事項を確認することができるようになっています。
   教授: 添付された取締役会議事録の真正については、どのような手続で担保しているのですか。
   学生:ウ 議事録に押印すべき者があらかじめ登記所に印鑑を提出しているときは、その提出してある印鑑を押印しなければならないことになっています。
   教授: 添付書類の真正を確認するための書面の添付が求められることがありますか。
   学生:エ はい。取締役の就任による有限会社の変更登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しますが、この書面に押印された印鑑については、市区町村長が作成した証明書を添付しなければなりません。
   教授: それでは、添付書類の内容の審査という面からは、どうでしょう。
   学生:オ 例えば、議事録の記載から、取締役会に出席した取締役が定足数に満たないことが明らかであるときは、議事録に登記事項が可決された旨の記載があっても、登記申請は却下されます。このように、登記事項につき無効又は取消の原因がある場合には、登記をすることができないようになっています。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 5 
   
 【問題 29】   民法上の社団法人の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものは幾つあるか。
   ア 設立登記の申請書には、主務官庁の許可書又はその認証がある謄本を添付しなければならない。
   イ 設立登記の申請書には、公証人の認証を受けた定款を添付しなければならない。
   ウ 定款に理事長を置く旨の定めがある場合には、理事長の氏名及び資格が登記事項である。
   エ 法人は、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
   オ 解散の登記がされた法人が社員総会で継続決議をしたときは、継続の登記を申請しなければならない。
      1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個 
   【正解】 4 
   
 【問題 30】   商号の仮登記に関する次のアからオまでの場合のうち、商号の仮登記をするために供託した供託金を取り戻すことができない場合の組合せは、後記1から5までのうちのどれか。
   ア 商号変更に係る商号の仮登記をするために供託したが、仮登記の申請前に当該商号変更を中止したので、商号の仮登記の申請をしなかった。
   イ 商号変更に係る商号の仮登記をした会社が、商号変更を中止したため、当該仮登記の抹消を申請し、その登記を了した。
   ウ 商号変更に係る商号の仮登記をした会社が、当該会社の目的を一部追加する目的変更の登記とともに商号変更の登記を申請し、その登記を了した。
   エ 商号及び目的変更に係る商号の仮登記をした会社が、本店を他の市町村に移転し、その登記を了した。
   オ 本店移転に係る商号の仮登記をした会社が、予定期間満了日に旧本店所在地の登記所に本店移転の登記を申請し、その数日後に新本店所在地でその登記を了した。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 3 
   
 【問題 31】   株式会社又は有限会社の設立登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 株式会社の募集設立において、引受未了の株式がある場合、その設立登記の申請は、申請書に、株式引受人全員が出席し、全員一致で「設立に際して発行する株式の総数からこの未引受分を減少する」旨の決議をしたという内容の創立総会議事録を添付すれば、することができる。
   イ 株式会社の発起設立において、公証人の認証を受けた定款の絶対的記載事項に欠訣がある場合、その設立登記の申請は、申請書に、その定款と欠訣部分を補完する旨の発起人全員の同意書に公証人の認証を受けたものを添付しても、することができない。
   ウ 株式会社の募集設立において、現物出資について調査をした検査役の報告により現物出資に関する事項が変更された場合、設立登記の申請書には、変更に関する裁判書の謄本を添付しなければならない。
   エ 有限会社の設立において、定款に代表取締役を取締役の互選で選任する旨の定めがある場合、その定款で複数の取締役と代表取締役を定めていても、その定款は、設立登記の申請書に添付すべき代表取締役の選任を証する書面とはならない。
   オ 取締役が一人の有限会社の設立において、本店について最小行政区画までしか定款に規定していない場合、設立登記の申請書には、本店の所在場所を決定したことを証する書面を添付しなければならない。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ 
   【正解】 1 
   
 【問題 32】   株式会社の役員の変更登記に関する次の記述中の(ア)から(オ)までに入る語句の組合せとして正しいものは、後記1から5までのうちのどれか。
   法律又は定款に定めた取締役の員数を欠くときは、任期満了又は辞任によって退任した取締役は、新たに選任された取締役が就任するまで取締役の権利義務を有するため、取締役が3名登記されている会社において取締役1名が(ア)したときは、これによる退任の登記だけを申請しても受理されないが、(イ)したときや(ウ)ときなどは、これらによる退任の登記だけでも申請が受理される。取締役が4名登記されている会社において、取締役1名が(ア)した場合において、これによる退任の登記だけを申請するときは、当該登記の申請書に定款を添付する(エ)。取締役が4名登記されている会社において、代表取締役選任時の他の取締役3名が辞任により退任して新たに取締役3名が就任したときは、資格喪失による代表取締役の退任の登記及び代表取締役の選任による就任の登記を申請する(オ)。
   1 (ア)辞任 (イ)死亡 (ウ)特別背任罪で起訴された (エ)必要がある (オ)必要はない
   2 (ア)死亡 (イ)辞任 (ウ)成年被後見人となった   (エ)必要はない (オ)必要がある
   3 (ア)辞任 (イ)死亡 (ウ)破産宣告を受けた      (エ)必要がある (オ)必要がある
   4 (ア)辞任 (イ)死亡 (ウ)被保佐人となった      (エ)必要はない (オ)必要がある
   5 (ア)辞任 (イ)死亡 (ウ)解任された  (エ)必要はない (オ)必要はない
   【正解】 5 
   
 【問題 33】   下記の登記簿の左欄外の(ア)から(カ)までの符号で示した各登記の記載について説明した次の記述中のいずれの( )にも入らないものは、後記1から5までのうちどれか。(ア)及び(ウ)の登記は、( )による変更登記である。
   (イ)及び(オ)の登記は、( )による変更登記である。
   (エ)の登記は、( )による変更登記である。
   (カ)の登記は、( )による変更登記である。
   (登記簿の記載)
   《図⑥》
 
   1 準備金の資本組入れ
   2 抱き合わせ増資
   3 新株の発行
   4 合併
   5 株式消却に伴う資本減少
   【正解】  なし(出題当時は2) 
   
 【問題 34】   次の1から5までの株式会社の増資についての変更登記の申請のうち、受理されないものはどれか。
   1 平成13年6月1日開催の取締役会において「割当日同年6月4日、申込期日同月16日、払込期日同月19日」とする株主割当増資を決議した会社に関し、申請書に全株主の期間短縮同意書を添付しないでされた新株発行による変更登記の申請
   2 新株引受権証書が発行されているにもかかわらず、株式申込証を添付してされた商法第280条ノ9ノ2に定める有償無償の抱き合わせ増資による変更登記の申請
   3 監査役が作成した「当会社には金1,000万円の資本準備金が存在することを証明する」旨の書面を申請書に添付してされた準備金の資本組入れによる変更登記の申請
   4 新株引受権付社債を発行しているにもかかわらず、その旨の記載のない株式申込証を申請書に添付してされた新株発行による変更登記の申請
   5 申請書に弁護士の証明書及びその附属書類を添付しないでされた「価格500万円の地上権」を現物出資の目的とした第三者割当増資による新株発行による変更登記の申請
   【正解】 1 
   
 【問題 35】   株式会社(以下「会社」という。)に関する印鑑証明書の交付についての次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 会社について会社更生法による更生手続が開始された場合には、管財人は登記所に印鑑を提出して印鑑証明書の交付を受けることができるが、当該会社の代表取締役は登記所に印鑑を提出していても印鑑証明書の交付を受けることができない。
   イ 会社について商法による整理が開始され管理の命令がされた場合には、管理人は登記所に印鑑を提出して印鑑証明書の交付を受けることができるが、当該会社の代表取締役は登記所に印鑑を提出していても印鑑証明書の交付を受けることができない。
   ウ 会社について破産が宣告された場合には、破産管財人は登記所に印鑑を提出して印鑑証明書の交付を受けることができるが、当該会社の破産宣告当時の代表取締役は登記所に印鑑を提出していても印鑑証明書の交付を受けることができない。
   エ 代表取締役の職務執行が停止され職務代行者が選任されている場合には、職務代行者は登記所に印鑑を提出して印鑑証明書の交付を受けることができるが、当該代表取締役は登記所に印鑑を提出していても印鑑証明書の交付を受けることができない。
   オ 任期が満了した後に退任の登記が未了である代表取締役は登記所に印鑑を提出していれば印鑑証明書の交付を受けることができるが、登記簿上存立期間が満了している会社の代表取締役は登記所に印鑑を提出していても印鑑証明書の交付を受けることができない。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 2 
   
   

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平成12年度司法書士午前試験では、35問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   次の対話は、取り消し得べき法律行為の追認に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、誤っているものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。
   教授: Aは、Bの詐欺により錯誤に陥り、Bから、ある動産を買い受ける旨の売買契約を締結しましたが、その後に、Bの詐欺が発覚したため、Aは、売買契約を取り消したいと考えています。Aは、いつまでに取り消さなければなりませんか。
   学生:ア 売買契約を締結した時から5年を経過すると、取消権は時効により消滅してしまいますので、それまでに取り消す必要があります。
   教授: 説例の売買契約の締結後に、Bが売買契約代金請求権をCに譲渡し、その旨をAに通知したとします。Aとしては、Bの詐欺にもかかわらず、売買契約を追認しようと考えている場合、追認の意思表示は誰に対して行うことになりますか。
   学生:イ 追認とは、取り消し得べき法律行為の効力を有効に確定する旨の意思表示であり、その意思表示は、取り消し得べき法律行為の相手方に対してするものですので、説例の場合には、Cに対してではなく、Bに対してしなければなりません。
   教授: それでは、以下は、法定追認について聞きます。まず、AがCから売買代金の弁済を請求された場合、この請求を受けたという事実をもってAは追認をしたものとみなされますか。
   学生:ウ 取消権者であるAが、履行の請求をされただけでは、法定追認があったことにはなりません。
   教授: Aが売買代金を弁済する前にBから売買の目的物である動産の引渡しを受けた場合は、どうですか。
   学生:エ この場合も、Aは、Bによる債務の履行を受領しただけであり、自らの債務を履行したわけではないので、法定追認には当たりません。
   教授: AがCから強制執行を免れるために売買代金を弁済した場合は、どうですか。
   学生:オ 売買代金の弁済は、Aが債務者として履行しなければならないことですが、追認する趣旨ではないことを示した上で弁済をしていれば、追認をしたものとはみなされません。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 1 
   
 【問題 02】   不動産の仮差押えによる時効中断の効力について、次の二つの見解がある。
   第1説 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの登記の記入によって終了する。
   第2説 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの登記の記入によって終了せず、登記による執行保全の効力が存続する間、存続する。
    次のアからオまでのうち、第2説の根拠として適切なものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 確定判決で確定した権利も10年で時効消滅することとの均衡を考慮すべきである。
   イ 仮差押えの登記があることにより、債権者の権利行使の意思は明らかである。
   ウ 仮差押えの債務者は、債権者に対し、起訴命令の申立て等の対抗手段を講ずることができる。
   エ 仮差押えは、他の時効中断事由に比べて、比較的簡易に実現することができる。
   オ 登記されている抵当権も、被担保債権が消滅時効にかかることにより消滅する。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 03】   Aは、Bの代理人として、Cとの間で金銭消費貸借契約及びB所有の甲土地に抵当権を設定する旨の契約(以下両契約を合わせて「本契約」という。)を締結した。この場合における次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   1 Aが未成年者であることについて、Cは本契約が締結された当時から知っていたが、Bは本契約の締結後に知った場合、Bは、Aの制限能力を理由として本契約を取り消すことができる。
   2 BがAに対し、代理人として金銭消費貸借契約を締結する権限は与えていたが、甲土地に抵当権を設定する権限は与えておらず、Cもこれを知っていた場合、Bが追認しない限り、設定した抵当権は無効である。
   3 Aが借入金を着服する意図でCとの間で本契約を締結し、Cから受領した借入金を費消したが、CもAの意図を知っていた場合、設定した抵当権は無効である。
   4 本契約がAのCに対する詐欺に基づくのである場合、Cがこれを過失なく知らなくても、Cは、本契約を取り消すことができる。
   5 本契約が第三者DのAに対する強迫に基づくものである場合、Cがこれを過失なく知らなくても、Bは、本契約を取り消すことができる。
   【正解】 1 
   
 【問題 04】   民法94条第2項の規定によって保護される善意の第三者からの転得者の地位について、次の二つの考え方があり、後記アからオまでの記述はその一方の考え方から他方の考え方に対する批判である。各記述における「この説」が第1説を指すものはいくつあるか。
   第1説 善意の第三者が絶対的・確定的に権利を取得するので、転得者は、通謀虚偽表示について悪意であっても、有効に権利を取得する。
   第2説 処分行為の効力は当事者ごとに相対的・個別的に判断すべきであり、転得者は、通謀虚偽表示について悪意であれば、権利を取得しない。
   ア この説では、取引関係について綿密に調査したものが保護されず、逆に、調査を怠った者が保護される結果となる。
   イ この説では、権利の譲渡性・流通性が大幅に制限される。
   ウ この説では、善意の第三者は追奪担保責任を問われることになり、善意の第三者を保護した実質が失われることになる。
   エ この説では、原権利者はいったん権利を喪失したにもかかわらず、その後に、その権利が復活することになる。
   オ この説では、他人を「隠れみの」として利用することを回避することができない。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   (参考)
   民法第94条 相手方ト通シテ為シタル虚偽ノ意思表示ハ無効トス
     ②前項ノ意思表示ノ無効ハ之ヲ以ッテ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
   【正解】 1 
   
 【問題 05】   AがBに対して金銭債権(甲債権)を、BもAに対して金銭債権(乙債権)を有し、両債権の弁済期がいずれも到来しないうちにAの債権者Cが甲債権を差押さえた場合において、Bが乙債権を自働債権とし、甲債権を受動債権とする相殺を行うことの可否に関し、次の二つの見解がある。
   第1説 Bは、乙の債権の弁済期が甲債権の弁済期よりも前に到来する場合に限り、相殺をもってCに対抗することができる。
   第2説 Bは、乙の債権の弁済期の先後に問わず、相殺をもってCに対抗することができる。
    次のアからオまでのうち、第2説の根拠として適切なものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 弁済期にある債務の支払を怠りつつ、相殺適状に達するのを待って相殺をすることを認めることは、不誠実な債務不履行を助長することになる。
   イ 甲債権を差押えたCが、甲債権の債権者であるAよりも有利な立場に立つべきではない。
   ウ 甲債権は、Aの一般財産を構成しており、Cを始めとするAの一般債権者にとっての引き当てとなっている。
   エ 民法511条は、差押え後の相殺を例外的に制限する規定であり、限定的に解釈すべきである。
   オ Bは、期限の利益を放棄することができる。
   
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ
   (参考)
   民法第511条 支払ノ差止ヲ受ケタル第三債務者ハ其後ニ取得シタル債権ニ依リ相殺ヲ以テ差押債権者ニ対抗スルコトヲ得ス
   【正解】 3 
   
 【問題 06】   被害者の生命侵害による財産的損害の賠償請求権の相続について、これを認める説と認めない説がある。
    次のアからオまでの記述のうち、「この見解」が同じ説に立つと考えられるものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 「この見解」は、被害者が重傷を受けた事例よりも、即死した事例の方が、加害者が支払うべき賠償額が低くなってもやむを得ないとする。
   イ 「この見解」によれば、生前に被害者と長年交際のなかった者が損害賠償請求権を取得することもあり得ることになる。
   ウ 「この見解」によれば、他方の見解による場合よりも、年少者が即死した事例において加害者が支払うべき賠償額が低くなりうる。
   エ 「この見解」によれば、他方の見解による場合よりも、損害賠償の請求権者の範囲が明確になる。
   オ 「この見解」では、被害者が即死した事例においても、受傷と死亡との間に観念的な時間的間隔を認める。
    1 アイエ   2 アウエ   3 アウオ   4 イウオ   5 イエオ
   【正解】 5 
   
 【問題 07】   債権者代位権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているもの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 交通事故により受傷したAは、加害者であるBに対する損害賠償請求権を保全するため、Bの資力の有無にかかわらず、Bが保険会社との間で締結していた自動車対人賠償責任保険契約に基づく保険金請求権を代位行使することができる。
   イ 不動産がAからBへ、BからCへと順次売却されたが、それらの所有権移転の登記が未了の間に、Dが契約書等を偽造して、その不動産につきAからDへの所有権移転の登記を経由してしまった場合、Cは、Bの債権者として、BがAに代位してDに対し行使し得る所有権移転の登記の抹消請求権を代位行使することができる。
   ウ 高名な画家によるとされた絵画がAからBへ、BからCへと順次売却されたが、その後に、これが偽者と判明した場合において、無資力であるBがその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、Cは、Bに対する売買代金返還請求権を保全するため、Bにはその意思表示の無効を主張する意思がなくても、Bの意思表示の無効を主張して、BのAに対する売買代金返還請求権を代位行使することができる。
   エ 不動産がAからBへと売却されたが、所有権の登記名義人はいまだAである場合において、Bの配偶者であるCがBとの間で離婚の調停を行っているときは、Cは、Bとの離婚によって生ずべき財産分与請求権を保全するため、BのAに対する所有権移転登記請求権を代位行使することができる。
   オ 不動産の売主Aの所有権移転登記義務をB及びCが共同相続した場合において、Bがその義務の履行を拒絶しているため、買主Dが同時履行の抗弁権を行使して代金金額の弁済を拒絶しているときは、Cは、自己の相続した代金債権を保全するため、Dの資力の有無にかかわらず、DのBに対する所有権移転登記請求権を代位行使することができる。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 08】   建物所有を目的とする借地権の対抗力に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちのどれか。
   ア 借地人Aが借地上に養母B名義で登記をした建物を所有している場合において、その借地が第三者Cに譲渡され、その後にBが死亡し、その建物につきAがBから相続した旨の所有権移転の登記を経由したときは、Aは、Cに対し、その借地権を対抗することができる。
   イ 一筆の土地の全部の借地人が借地上に自己名義で登記をした建物を所有している場合において、その後に借地につき分筆の登記がされたときは、借地人は、分筆後の土地のうち建物が存在しない土地の所有権を取得した者に対し、その借地権を対抗することができる。
   ウ 借地人が借地上の建物につき自己名義で所有権保全の登記を経由した場合において、その後に建物につき改築がされ、構造や床面積に変化が生じたときであっても、建物の同一性が失われない限り、借地人は、その表示の変更の登記を経由しなくても、その後に借地の所有権を取得した者に対し、その借地権を対抗することができる。
   エ 甲土地及び乙土地の二筆の土地の借地人が、甲土地上に自己名義で登記をした建物を所有している場合において、両土地の周囲に塀が設けられるなどして、乙土地がその建物の庭として一体として使用されていることが明らかなときは、借地人は、その後に乙土地の所有権を取得した者に対し、その借地権を対抗することができる。
   オ 借地人が借地上に自己を所有者とする表示の登記をした建物を所有している場合、その表示の登記が職権によってされたものであっても、借地人は、その後に借地の所有権を取得した者に対し、その借地権を対抗することができる。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 09】   次の①から③までは、不動産の取得時効と登記に関するある見解を分解して要約したものである。この見解に関する下記AからCまでの批判についての後記1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   ① 時効期間の満了前に原所有者が当該不動産を譲渡して所有権移転の登記を経由した後、時効期間が満了した場合、占有者は、譲受人に対し、登記なくして時効による所有権の取得を対抗することができる。
   ② 時効期間が満了した後、原所有者が当該不動産を譲渡して所有権移転の登記を経由した場合、占有者は、譲受人に対し、登記なくして時効による所有権の取得を対抗することはできない。
   ③ 時効期間の起算点は客観的に占有を開始した時点であり、その起算点を任意に選択して時効取得を主張することは許されない。
   〔批判〕
   A 原所有者による当該不動産の譲渡が、時効期間が満了する前である場合と時効期間が満了した後である場合とを比較すると、占有期間の長い後者の方が占有者の保護が弱くなる。
   B 原所有者が当該不動産を譲渡して所有権移転の登記を経由するまでに占有の開始から10年を経過しているが、20年は経過していない場合、占有者が善意・無過失であるときの方が保護が弱くなる。
   C 不動産の時効取得について占有の継続だけを要件とする民法の原則に反する。
   〔批判についての記述〕
   1 Aは、①、②の結論を採り、③とは逆の結論を採る見解からの批判となり得る。
   2 Aは、②、③の結論を採り、①とは逆の結論を採る見解からの批判となり得る。
   3 Bは、①、②の結論を採り、③とは逆の結論を採る見解からの批判となり得る。
   4 Bは、①、③の結論を採り、②とは逆の結論を採る見解からの批判となり得る。
   5 Aは、②、③の結論を採り、①とは逆の結論を採る見解からの批判となり得る。
   【正解】 5 
   
 【問題 10】   共有物に関する次のアからオまでの行為のうち、共有者が単独ですることができるものをA群、共有者が全員でなければ、又は他の共有者の同意を得なければできないものをB群、A群とB群のいずれにも属しないものをC群に整理した場合、判例の趣旨に照らし各群の個数の組合せとして正しいものは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 共有地につき、共有者でない登記簿上の所有名義人に対し、その登記の抹消を請求する行為
   イ 共有地の不法占有者に対し、損害賠償を請求する行為
   ウ 一筆の土地の全体につき抵当権が設定された後に、その土地の単独所有者から共有持分を取得した第三者が抵当権の消滅請求をする行為
   エ 共有地である畑を宅地に造成する行為
   オ 共有地を目的とする賃貸借契約を賃料不払を理由として解除する行為
   1 A群:1個   B群:2個   C群:2個
   2 A群:1個   B群:3個   C群:1個
   3 A群:2個   B群:1個   C群:2個
   4 A群:2個   B群:2個   C群:1個
   5 A群:2個   B群:3個   C群:0個
   【正解】 3 
   
 【問題 11】   建物の取得時効の成否に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。ただし、取得時効の要件のうち、「平穏かつ公然」の要件は、いずれも満たされているものとする。
   1 甲建物に居住して善意・無過失の自主占有を8年間続けたAから甲建物を買い受けた善意・無過失のBは、その買受けと同時に甲建物をAに賃貸し、Aが甲建物に引き続き居住して更に2年間が経過した。Bは、甲建物について取得時効を主張することができる。
   2 甲建物に居住して悪意の自主占有を3年間続けたAは、甲建物をBに賃貸して引き渡した。Aは、その5年後に、甲建物を善意・無過失のCに譲渡し、Cの承諾を得て、Bに譲渡の事実を通知し、その後、更に10年間が経過した。Cは、甲建物について取得時効を主張することができる。
   3 甲建物に居住して悪意の自主占有を8年間続けたAは、甲建物を善意・無過失のBに譲渡して引き渡した。Bは、自ら8年間甲建物に居住した後、甲建物を悪意のCに譲渡して引き渡し、、Cがこの建物に居住して2年間が経過した。Cは、甲建物について取得時効を主張することができる。
   4 甲建物に居住して善意・無過失の自主占有を8年間続けたAは、甲建物をBに賃貸して引き渡した。ところが、その1年後、Bは、甲建物の真の所有者はCであり、自分は改めてCから甲建物を賃貸したので、今後Aには賃料を支払わない旨をAに通知し、そのまま居住を続け、更に1年間が経過した。Aは、甲建物について取得時効を主張することができる。
   5 甲建物の所有者Aは、甲建物をBに賃貸して引き渡した。その2年後、Bが死亡したところ、善意・無過失の相続人Cは、甲建物はBがAから買い受けたものであるとして、賃料の支払を拒絶して甲建物に居住を始めた。Aがこれを放置してうやむやになったまま、更に10年間が経過した。Cは、甲建物について取得時効を主張することができる。
   【正解】 4 
   
 【問題 12】   「無権利者から動産を譲り受けた者が民法第192条の規定によりその所有権を取得し得るためには、占有改定の方法による占有の取得では足りない。」という見解がある。次のアからオまでの記述のうち、この見解の根拠として適切でないものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 譲受人への占有改定により、真の権利者と譲渡人との間の代理占有関係は消滅する。
   イ 占有改定では、真の権利者の譲渡人に対する信頼が裏切られたということは現実化せず、譲受人の譲渡人に対する信頼も現実化していない。
   ウ 占有改定では、譲渡人は依然として直接占有者であり続けるため、動産が更に譲渡される可能性がある。
   エ 真の権利者が譲渡人に対し動産の返還を請求した場合に、譲渡人が譲受人の権利を理由としてこれを拒否し得るとするのは不都合である。
   オ 民法第192条の趣旨は、無権利者の占有に基づきこれを真の権利者と信じて取引をした譲受人を保護する点にある。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 2 
   
 【問題 13】   立木に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア BがA所有の甲土地上に無期限で立木を植裁した場合、Aは、Bに対し、当該立木を収去して甲土地を明け渡すよう請求することができる。
   イ AがBに甲土地上の立木を譲渡した後、AがCに甲土地を立木も含めて譲渡し、Cが甲土地について所有権移転の登記を経由した場合、Bは、Cが所有権移転の登記を経由する前に立木に明認方法を施していれば、立木の所有権をCに対抗することができる。
   ウ Aがその所有する甲土地上の立木の所有権を自己に留保して甲土地をBに譲渡したが、Bが甲土地を立木も含めてCに譲渡し、Cが甲土地について所有権移転の登記を経由した場合、Aは、立木に明認方法を施していなくても、立木の所有権をCに対抗することができる。
   エ Aが甲土地をBに譲渡し、Bが甲土地上に立木を植栽した後、Aが甲土地を立木も含めてCに譲渡し、Cが甲土地について所有権移転の登記を経由した場合、Bは、Cが所有権移転の登記を経由する前に立木に明認方法を施していれば、立木の所有権をCに対抗することができる。
   オ BがA所有の甲土地上に無権限で立木を植栽した場合において、Bが所有の意思を持って平穏かつ公然に20年間立木の占有を継続した後に当該立木をAが伐採したときは、Bは、Aに対し、立木所有権の侵害を理由として損害賠償を請求することができる。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 2 
   
 【問題 14】  問題を削除いたしました。
   【正解】 0 
   
 【問題 15】   抵当権の設定登記がなされた不動産の賃貸借に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。なお、賃借権の登記はなされていないものとする。
   ア 抵当権が設定されている建物を期間の定めなく所有者から借り受けた賃借人は、抵当権が実行された場合、買受人に賃借権を対抗することはできない。
   イ 抵当権が設定されている建物を期間を5年と定めて所有者から借り受けた賃借人は、抵当権が実行された場合、買受人に賃借時から3年の限度であれば、買受人に賃借権を対抗することができる。
   ウ 抵当権が設定されている建物を期間を3年と定めて所有者から借り受けた賃借人は、当該賃借人は、当該賃貸借の法定更新後に抵当権が実行された場合、法定更新後から3年の限度であれば、買受人に賃借権を対抗することができる。
   エ 建物に第一順位の抵当権が設定された後、第ニ順位の抵当権が設定されるまでの間に、当該建物を期間を3年と定めて所有者から借り受けた賃借人は、第二順位の抵当権者の申立てにより抵当権が実行された場合、賃借時から3年の限度であれば、買受人に賃借権を対抗することができる。
   オ 抵当権が設定されている建物を期間を3年と定めて所有者から借り受けた賃借人は、抵当権の実行としての差押えがされた後に期間が満了した場合、所有者との間で期間を3年と定めて合意更新をしたとしても、買受人に賃借権を対抗することはできない。
    1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 2 
   
 【問題 16】   法定地上権に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
   1 Aは、土地とその地上建物を所有しており、双方に抵当権を設定した。その後、土地、建物について抵当権が実行され、土地はBが、建物はCが買受人となった。この場合、Cのために法定地上権は成立しない。
   2 Aは、土地とその地上建物を所有しており、建物に抵当権を設定した後、建物をBに譲渡して借地権を設定した。その後、建物について抵当権が実行され、Cが買受人となった。この場合、Cのために法定地上権は成立しない。
   3 Aは、土地とその地上建物を所有しているが、建物について自己への所有権移転の登記を経由する前に、土地に抵当権を設定した。その後、土地について抵当権が実行され、Cが買受人となった。この場合、Aのために法定地上権は成立しない。
   4 Aは、更地である土地を所有しているが、土地に抵当権を設定した後、その地上に建物を建築した。その後、土地について抵当権が実行され、Bが買受人となった。この場合、Aが建物を建築することについて抵当権者から承諾を受けていたとしても、Aのために法定地上権は成立しない。
   5 Aは、土地を所有し、その地上建物をBと共有しているが、土地に抵当権を設定した。その後、土地について抵当権が実行され、Cが買受人となった。この場合、A及びBのために法定地上権は成立しない。
   【正解】 4 
   
 【問題 17】   Aは、Bに対する債務を担保するために、甲倉庫内の特定の種類の動産一切について譲渡担保権を設定した後、Cから当該特定の種類の動産を買い入れ、甲倉庫内に保管していた。
    次の対話は、この事例に関する教授と学生の会話である。教授の質問に対する次のアからクまでの学生の解答を組み合わせた後記1から5までのうち、論旨が一貫しているものはどれか。
   教授: 譲渡担保の法的構成について、どのように考えますか。
   学生:ア 所有権的構成が妥当と考えます。
       イ 担保権的構成が妥当と考えます。
   教授: 民法第333条にいう「引渡」に占有改定が含まれますか。
   学生:ウ 占有改定は、「引渡」に含まれません。
       エ 占有改定は、「引渡」に含まれます。
   教授: Bの譲渡担保権とCの先取特権は、どちらが優先しますか。
   学生:オ Cの先取特権は消滅するので、Bの譲渡担保権と競合することはなく、Bが優先することになります。
   学生:カ Cの先取特権は存続し、Bの譲渡担保権と競合することになりますが、譲渡担保権の順位は、動産質権の順位と同順位であると考えられますので、Bが優先することになります。
   教授: 君の見解に対しては、どのような批判がありますか。
   学生:キ 占有型担保と非占有型担保とを同視するのは適切ではないと批判されています。
   学生:ク Bに対する債務が弁済された場合や目的物の価値に余剰が生じた場合に適切な解決を図ることができないと批判されています。
    1 アエオキ   2 アエカキ   3 イウオク   4 イウカキ   5 イエカク
   (参考)
    民法第333条 先取特権ハ債務者カ其動産ヲ第三取得者ニ引渡シタル後ハ其動産ニ付キ之ヲ行フコトヲ得ス
   【正解】 4 
   
 【問題 18】   被相続人の所有する特定の建物を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言の解釈について、遺贈と解する説(第1説)、相続分の指定と解する説(第2説)及び遺産分割方法の指定と解する説(第3説)がある。
    次のアからオまでの記述のうち、それぞれの説に当てはまるものの組合せとして正しいものは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 遺言に基づく当該建物の所有権移転の登記の申請は、当該特定の相続人が単独ですることができる。
   イ 遺言の名あて人が相続人以外の者である場合も含め、一貫した説明をすることができる。
   ウ 当該建物の価額が法定相続分を下回るときは、法定相続分に達するまで他の相続財産を取得することができる。
   エ 遺留分減殺請求の対象となり得る。
   オ 当該建物のために設定されている敷地の賃借権を承継するためには、賃貸人の承諾が必要である。
   1 第1説:アウ     第2説:アイウ    第3説:イエオ
   2 第1説:アウエ   第2説:イオ     第3説:ウエ
   3 第1説:イエオ    第2説:アウエ    第3説:アイオ
   4 第1説:イウエオ  第2説:アエ     第3説:アウエ
   5 第1説:イエオ    第2説:アウオ    第3説:アウ
   【正解】 4 
   
 【問題 19】   相続の放棄に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 相続人が数人いる場合の相続の放棄の申述は、相続人のいずれかが自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならない。
   イ Aの相続につきその相続人であるBが承認又は放棄をしないで死亡したときは、Bの相続人であるCは、Aの相続につき放棄をした後であっても、Bの相続につき放棄をすることができる。
   ウ 錯誤により家庭裁判所に相続の放棄の申述をした相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月を経過したときは、その無効を主張することはできない。
   エ 相続の放棄をすることができる期間は、利害関係人又は検察官の請求に基づき家庭裁判所が伸長することができるほか、被相続人が遺言で伸長することもできる。
   オ 相続人の債権者は、その相続人がした相続の放棄の申述を詐害行為として取り消すことはできない。
    1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ
   【正解】 4 
   
 【問題 20】   Aが婚姻関係にないBによって懐胎し、子Cを出産した場合に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア BがAと婚姻をした後にCを認知した場合、Cは、AとBの婚姻の時から嫡出子たる身分を取得する。
   イ Bが未成年者である場合、BがCを認知するには、Bの親権者の同意を得なければならない。
   ウ BがCに認知した場合、BはAと婚姻をしなくても、Cに対する扶養義務を負う。
   エ BがCを認知した場合、Cに対する親権は、AとBが共同して行使する。
   オ BがCを自分と婚姻関係にあるDとの間の嫡出子として出生の届出をした場合、その届出は、認知の届出としての効力を有する。
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 5 
   
 【問題 21】   遺留分減殺請求に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 包括遺贈に対する遺留分減殺請求は、遺言執行者があるときでも、包括遺贈者に対してしなければならない。
   イ 遺留分減殺請求は、受遺者又は受贈者に対する意思表示によってすれば足り、必ずしも裁判上の請求によることを要しない。
   ウ 包括遺贈に対する遺留分減殺請求がされた場合、遺言者の財産は、遺留分減殺請求をした者と包括受遺者との共有になるので、遺産分割の手続によらなければ、その共有関係を解消することができない。
   エ 遺留分減殺請求を受けた受遺者は、遺贈の目的物の相続開始時における価額を弁償することにより、目的物の返還を免れることができる。
   オ 遺留分を有する推定相続人も、相続の開始前は、将来における遺留分減殺請求権の行使による所有権移転請求権を保全するため、贈与財産に対し、仮登記をすることはできない。
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 22】   親権又は未成年者の後見に関する次のアからオまでの記述のうち、明らかに誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 養父と実母とが婚姻関係にある場合、親権は、養父と実母が共同して行使する。
   イ 協議離婚の際に定めた親権者は、その後に父母の協議により変更することができる。
   ウ 父が親権喪失の宣告を受けた後、母が管理権喪失の宣告を受けた場合、後見が開始する。
   エ 養父母双方と未成年者が離縁をした場合、後見が開始する。
   オ 未婚の未成年者が子を出生した場合、その子について後見が開始する。
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 23】   過失犯の共同正犯の成否に関する次の1から5までの記述のうち、明らかに誤っているものはどれか。
   1 共同の本質は、犯罪を実行し、又はこれに加功するという犯罪的意思の共同に存するから、犯罪的結果発生についての無意識を本質とする過失犯については、共同正犯の成立を認める余地はない。
   2 共犯とは、自己の犯罪遂行の方法的類型にすぎないから、行為・因果関係の共同が存する限り、過失による共同正犯を認めることができる。
   3 共犯の本質は犯罪を共同にすることであると解しても、過失犯についても客観的注意義務に反した危険な行為という実行行為が存する以上は、これを共同にする意思と事実が認められる場合には、過失犯の共同正犯を肯定することができる。
   4 結果発生の危険が予想される状態の下で、事故防止の具体的対策を講ずるについての相互利用・補充という関係に立ちつつ、結果回避のための共通の注意義務を負う者に共同作業上の落ち度が認められる場合に、初めて過失犯の共同正犯を肯定することができる。
   5 過失犯の構造に関し、結果を認識し、又は予見しなかった心理状態に過失の実態があると解すると、過失犯の共同正犯は肯定しやすいが、過失犯の客観的な行為態様そのものに着目する見解に立つと、過失犯の共同正犯は否定しやすい。
   【正解】 5 
   
 【問題 24】   監禁罪に関する次の記述の(ア)から(キ)までに当てはまる用語の組合せとして正しいものは、後記1から5までのうちどれか。
    監禁罪は、人の身体活動の自由を保護法益とするものであるが、この身体的自由の意義については、(ア)と解する考え方と(イ)と解する考え方がある。
    この点、睡眠中の者や泥酔者を客体とする場合については、(ア)と解する考え方によれば、監禁罪の成立につき(ウ)という結論が導かれ、(イ)と解する考え方によれば、(エ)という結論が導かれる。
    また、強姦の意図を秘して家まで送ると欺き女性を車に乗せて走行する場合については、(ア)と解する考え方によれば、監禁罪の成立につき(オ)という結論が導かれ、(イ)と解する考え方によれば、(カ)という結論が導かれるが、判例は、この場合の監禁罪の成立につき(キ)との結論を採っている。
       (ア)        (イ)      (ウ)   (エ)    (オ)   (カ)   (キ)
   1 可能的自由   現実的自由   積極   消極   消極   積極   積極
   2 可能的自由   現実的自由   消極   消極   積極   消極   消極
   3 現実的自由   可能的自由   消極   積極   積極   消極   積極
   4 現実的自由   可能的自由   消極   積極   消極   積極   積極
   5 現実的自由   可能的自由   積極   積極   消極   積極   消極
   【正解】 4 
   
 【問題 25】   汚職の罪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 賄賂とは、公務員の職務に関する不正の報酬であるので、金銭の授受、飲食物の提供等の財物の提供に限られ、異性間の情交といった無形の利益は含まない。
   イ 公務員ではない仲裁人が、その職務に関し賄賂を収受した場合にも、単純収賄罪が成立する。
   ウ 収賄罪の犯人が収受した賄賂は、「犯罪行為を組成した物」に該当するが、情状により没収しないことができる。
   エ 公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に、前の職に在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたことに関し賄賂を収受した場合には、事後収賄罪が成立する。
   オ 賄賂罪の「職務に関し」とは、賄賂と対価関係にある行為が当該公務員の職務として行い得る抽象的な範囲内にあれば足りる。
    1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 26】   次の1から5までの事例のうち、判例の趣旨に照らし窃盗罪が既遂とならないものはどれか。
   1 スーパーマーケットの店内において、商品を同店舗付けの買い物かごに入れ、レジを通過することなく、その脇からレジの外側に持ち出したところで、店員に発見された場合
   2 家人が不在中の居宅に侵入して、物色した品物のうちから衣服数点を運び出し、これを持参した袋に詰めて荷造をして勝手口まで運んだところで、帰宅した家人に発見された場合
   3 公衆浴場で他人が遺留した指輪を発見し、これを領得する意思で、一時、浴室内の他人が容易に発見することができないすき間に隠匿したところで、不審に思った他の客に発見された。
   4 他人の家の玄関先に置いてあった自転車を領得する意思で、これを同所から5〜6メートル引いて表通りまで搬出したところで、警察官に発見されて逮捕された場合
   5 ブロック塀で囲まれ、警備員により警備された敷地内にある倉庫に侵入し、中のタイヤ2本を倉庫外に搬出したところで、敷地内において当該警備員に発見された場合
   【正解】 5 
   
 【問題 27】   自己株型のストック・オプション(一定の者に、あらかじめ定められた価額で、会社があらかじめ取得しておいた自己株式を自己に譲り渡すべき旨を請求する権利でああを付与するもの)と新株引受権型のストック・オプション(一定の者に、あらかじめ定められた価額で、会社の新株を引き受ける権利を付与するもの)とを比較した次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 自己株型のストック・オプションの付与の対象者は取締役又は使用人に限られるが、新株引受権型のストック・オプションの付与の対象者は取締役又は使用人に限られない。
   イ 自己株型のストック・オプションの付与については定款にその旨の定めがあることを要しないが、新株引受権型のストック・オプションの付与については定款にその旨の定めがあることを要する。
   ウ 自己株型のストック・オプションを付与するための自己株式の取得については定時総会の決議によらなければならないが、新株引受権型のストック・オプションの付与についてはそのような制限はない。
   エ 自己株型のストック・オプションを付与するための自己株式の取得の決議及び新株引受権型のストック・オプションの付与の決議は、いずれも株主総会の特別決議によらなければならない。
   オ 自己株型のストック・オプションの権利は第三者に譲渡することができるが、新株引受権型のストック・オプションの権利は第三者に譲渡することはできない。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 28】   商法上の親子会社に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
   ア 株式会社A社が株式会社B社の総株主の議決権の過半数に当たる株式を有する場合において、B社が株式会社C社の総株主の議決権の過半数に当たる株式を有するときは、B社だけでなく、A社も、C社の親会社となる。
   イ 親会社と子会社とが親会社を存続会社とする吸収合併を行うときは、親会社は、子会社における合併契約書の承認のための株主総会において議決権を行使することができる。
   ウ 子会社が親会社の株式を適法に取得した場合、その子会社は、親会社の株主総会において議決権を行使することができる。
   エ 親会社の株主は、親会社に回復することのできない損害が生じるおそれがあるときは、子会社の取締役に対しても、株主代表訴訟を提起することができる。
   オ 親会社の取締役は、その職務を行うため必要があるときは、子会社に対しても、その営業の報告を求めることができる。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 3 
   
 【問題 29】   株式会社の取締役に対する退職慰労金の額の決定について、「株主総会の決議により、無条件に取締役会の決定に一任することができる。」とする見解がある。次のアからオまでの記述のうち、この見解の根拠とするには適切でないものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 一般の役員報酬については、株主総会の決議により役員全員に対する報酬の合計額を決めることが認められていることとの均衡を図る必要がある。
   イ 退職慰労金の支払は、会社に生じた利益の分配としての性質を有する。
   ウ 退職慰労金の額は、会社の業績、退職取締役の勤続年数、功績等に基づいて決定されるので、考慮すべき要素は確定している。
   エ 取締役が、将来における自己の退職慰労金が高額に決められることを期待して、取締役会において、他の取締役につき高額の退職慰労金を定める決議をすることがあり得る。
   オ 退職慰労金の支払を受ける者は退職慰労金に額を決定する会議に参加することはできないという特殊性がある。
    1 アイ   2 アオ   3 イエ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 30】   次のアからオまでの記述のうち、転換社債及び新株引受権付社債のいずれにも当てはまるものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 会社は、転換社債又は新株引受権付社債の内容を登記しなければならない。
   イ 転換権又は新株引受権の行使により発行会社株式を取得するには、新株の発行価額の全額を払い込まなければならない。
   ウ 転換権又は新株引受権の行使して発行会社株式を取得すると、社債が消滅する。
   エ 転換権又は新株引受権と社債とは、分離して譲渡することができる。
   オ 違法な発行に対する株主の差止請求権が認められている。
    1 アイエ   2 アオ   3 イウ   4 イエオ   5 ウエ
   【正解】 2 
   
 【問題 31】   賃借対照表の資本の部内における各部の数額の変動に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
   ア 資本準備金又は利益準備金の一方を減少させ、その分について資本金の部を増加させることができる。
   イ 剰余金の部を減少させ、その分について資本金の部を増加させることができる。
   ウ 資本金の部を減少させ、そのうちの一部に相当する分について資本準備金の部を増加させることができる。
   エ 資本準備金の部を減少させ、他の部を増加させないことができる。
   オ 剰余金の部を減少させ、他の部を増加させないことができる。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 4 
   
 【問題 32】   次の対話は、株式の譲渡制限に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからクまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   教授: 株式譲渡自由の原則に対する例外として、定款の定めにより、株式の譲渡には取締役会の承認を要するものとすることが認められていますが、このような定款の定めがある会社において、取締役会の承認を得ないでした株式の譲渡にはどのような効力がありますか。
   学生:ア 会社との関係でも、譲渡の当事者間でも、無効です。
   学生:イ 会社との関係では無効ですが、譲渡の当事者間では有効です。
   教授: そのように考える理由は何ですか。
   学生:ウ 議決権行使の指示により、会社にとって好ましくない者が会社支配に介入することを防ぐ必要があるからです。
   学生:エ 会社にとって好ましくない者が株主として会社に対して権利行使することを防ぐ必要があるからです。
   教授: 会社は、このような譲渡制限に違反して株式が譲渡された場合、株式の譲渡人を株主として取り扱わなければならないのですか。
   学生:オ 株主権を行使する地位に空白が生じるのを避けるため、譲渡人を株主として扱わなければなりません。
   学生:カ 株主の譲渡制限の制度は、会社の利益保護のためのものであり、譲渡人の利益保護のためのものではないので、会社は、譲渡人を株主として取り扱わないことができます。
   教授: 会社の全株式を一人で所有している株主が、その株式の全部を取締役会の承認を得ないで譲渡した場合、会社との関係における効力についてはどのように考えますか。
   学生:キ 株式会社における所有と経営の分離の要請にかんがみると、経営に当たる取締役会の承認を得ていない以上、当該譲渡は無効です。
   学生:ク 譲渡制限の趣旨は、譲渡人以外の株主の利益を保護することにあるので、当該譲渡は有効です。
    1 アウカキ    2 アエカク   3 イウオキ   4 イエオク   5 イエカキ
   【正解】 4 
   
 【問題 33】   商法第245条の営業譲渡の意義について、次の二つの見解がある。
   第1説 営業のために組織化された有機的一体としての財産の譲渡であり、営業活動の承継及び競業阻止義務の負担を伴う。
   第2説 営業のために組織化された有機的一体としての財産の譲渡であるが、営業活動の承継及び競業阻止義務の負担は要件ではなく、重要な個別的営業用財産の譲渡も含まれる。
    以下のアからオまでの記述のうち「この説」が第1説を意味するものの組合せはどれか。
   ア この説に対しては、会社の全財産の処分を代表取締役にゆだねることになるとの批判がされている。
   イ この説は、取引の安全よりも譲渡会社の株主の利益を重視するものである。
   ウ この説に対しては、同一の法典における同一の用語は同一の意義に解すべきであるとの批判がされている。
   エ この説によると、他方の説よりも、特別決議を要する営業譲渡であるか否かを比較的容易に判断することができることになる。
   オ この説に対しては、重要財産の処分を取締役会の専決事項としていることとの整合性を欠くとの批判がされている。
    1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ
   【正解】 1 
   
 【問題 34】   株主代表訴訟に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 株主は、株主代表訴訟を提起する前に、会社に対し、取締役の責任を追及する訴えを提起するように請求しなければならず、直ちに訴えを提起することはできない。
   イ 会社が株主から提起の請求を受けた後60日内に取締役の責任を追及する訴えを提起したときは、株主は、株主代表訴訟を提起することはできない。
   ウ 株主代表訴訟を提起した株主は、会社に対し、遅滞なく訴訟告知をしなければならない。
   エ 会社は、株主から代表訴訟について訴訟告知を受けた場合でも、その旨を公告する必要はない。
   オ 株主代表訴訟に勝訴した株主は、支出した訴訟費用及び支払うべき弁護士もしくは弁護士法人の報酬のうちの相当額について、会社に支払を請求することができる。
    1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 35】   株式会社と有限会社の相違に関する次のアからエまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
   ア 株式会社の株主総会についても、有限会社の社員総会についても、決議事項の制限はない。
   イ 株式会社においても、有限会社においても、定款で取締役を株主又は社員に限ることはできない。
   ウ 株式会社においては、定款で株式の譲渡が制限されている場合を除き、株主の持ち株比率を維持する利益は保証されていないのに対し、有限会社においては、その社員の持分比率を維持する利益が保証されている。
   エ 株式会社における新株の発行も、有限会社における資本の増加も、取締役会の決議によりすることができる。
   オ 株主代表訴訟に勝訴した株主は、支出した訴訟費用及び支払うべき弁護士もしくは弁護士法人の報酬のうちの相当額について、会社に支払を請求することができる。
    1 0個   2 1個   3 2個   4 3個   5 4個
   【正解】 2 
   
   

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平成12年度司法書士午後試験では、18問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   給付の訴えに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
   ア 給付の訴えにおいて主張される給付請求権には、金銭の支払や物の引渡しを目的とするものは含まれるが、作為又は不作為を目的とするものは含まれない。
   イ 給付の訴えにおいて主張される給付請求権は、口頭弁論終結時に履行すべき状態になければならない。
   ウ 給付の訴えを認容する判決においては、裁判所は、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。
   エ 給付の訴えを認容する判決が確定すると、給付義務が存在するという判断に既判力が生ずる。
   オ 給付の訴えを却下する判決が確定すると、給付義務が存在しないという判断に既判力が生ずる。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 1 
   
 【問題 02】   重複起訴の禁止に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア AがBに対して提起した不動産の所有権確認訴訟の係属中に、AがCに対し、同一の不動産に関して所有権確認の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反する。
   イ AがBに対して提起した貸金債務不存在確認訴訟の係属中に、BがAに対し、同一の貸金債権に関して貸金返還請求の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反する。
   ウ AがBに対し、債権者代位権に基づきCに代位して提起した貸金返還請求訴訟の係属中に、CがBに対し、同一の貸金返還請求請求認の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反する。
   エ AがBに対して提起した不動産の貸金返還請求訴訟の係属中に、別訴において、Aが同一の貸金返還請求権を自働債権として相殺の抗弁を主張する場合にも、重複起訴の禁止の趣旨は妥当し、当該抗弁を主張することはできない。
   オ 裁判所は、重複起訴の禁止に反する場合であっても、その旨の被告の抗弁が主張されない限り、訴えを却下することはできない。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ
   【正解】 2 
   
 【問題 03】   自白の犠牲に関する次の1から5までのうち、正しいものはどれか。
   1 自白が擬制されるのは、事実の主張に限られず、請求の放棄や認諾についても自白が擬制される。
   2 弁論準備手続においては、自白が擬制されることはない。
   3 当事者の一方が口頭弁論の期日に出頭しなかったために相手方の主張した事実を争わなかった場合には、自白は擬制されない。
   4 当事者が相手方の主張した事実を知らない旨の陳述をした場合には、その事実を争わないものとして、自白は擬制される。
   5 自白が擬制されるかどうかは、口頭弁論終結時を基準として判断される。
   【正解】 5 
   
 【問題 04】   直接主義に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
   1 合議体の裁判官の過半数が交代した場合において、その前に尋問をした証人について、当事者が更に尋問の申出をしたときは、裁判所は、当該証人の尋問をしなければならない。
   2 単独の裁判官が交代し、その直後の口頭弁論の期日において、原告が出頭しなかった場合には、被告は、従前の口頭弁論の結果を陳述することはできない。
   3 合議体で審理をしていた事件について、合議体で審理及び裁判をする旨の決定が取り消され、その中の一人の裁判官が単独で審理を進めることとなった場合には、当事者は、従前の口頭弁論の結果を陳述する必要はない。
   4 裁判所は、証人が受訴裁判所に出頭するについて不相当な費用又は時間を要するときは、受命裁判官又は受託裁判官に裁判所外で証人の尋問をさせることができる。
   5 判決が、その基本となる口頭弁論に関与していない裁判官によってされたことは、上告の理由となる。
   【正解】 2 
   
 【問題 05】   支払督促に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 支払督促の申立ては、請求の目的の価額が140万円を超えるときは、することはできない。
   イ 支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に対してする。
   ウ 支払督促は、債務者を尋問しないで発せられる。
   エ 債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをせず、仮執行の宣言がされた後であっても、債務者は、仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から2週間の不変期間内であれば、督促異議の申立てをすることができる。
   オ 適法な督促異議の申立てがあった場合において、債権者がその旨の通知を受けた日から2週間以内に訴えの提起をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなされる。
   【正解】 4 
   
 【問題 06】   金銭の支払いを目的とする債権(以下「金銭債権」という。)に対する強制執行に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 金銭債権に対する差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。
   イ 金銭債権については、当該債権のうち差押債権者の債権及び執行費用の額を超えて差押をしてはならない。
   ウ 第三債務者は、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託することができる。
   エ ある債権者が金銭債権の一部を差し押さえた場合において、其の残余の部分を越えて他の債権者が差押えをしたときは、いずれの債権者も取り立て訴訟を提起することはできない。
   オ 転付命令が第三債務者に送達される時までに、転付命令に係る金銭債権について他の債権者が差押さえをしたときは、転付命令は、その効力を生じない。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 07】   係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分とを比較した次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 係争物に関する仮処分命令事件の管轄裁判所は、係争物の所在地を管轄する地方裁判所であるが、仮の地位を定める仮処分命令事件の管轄裁判所は、本案の管轄裁判所である。
   イ 係争物に関する仮処分命令の申立ても、仮の地位を定める仮処分命令の申立ても、保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性を明らかにしてしなければならない。
   ウ 係争物に関する仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経ないでも発することができるが、仮の地位を定める仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経ないで発することはできない。
   エ 係争物に関する仮処分命令も、仮の地位を定める仮処分命令も、担保を立てさせないで発することができる。
   オ 係争物に関する仮処分命令は、相当と認める方法で当事者に告知すれば足りるが、仮の地位を定める仮処分命令は、当事者に送達しなければならない。
    1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 08】   供託の申請手続に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 供託の申請は、法令に定める事項を記載した書面によりしなければならないが、、その様式は、適宜なもので足りる。
   2 供託書に記載した供託金額を訂正するときは、誤記した金額に二線を引いてその近接箇所に正書し、その字数を欄外に記載して押印しなければならない。
   3 法人が供託しようとするときは、その代表者の資格を証する書面が必要であるが、その書面が、登記された法人について登記所の作成したものであるときは、これを供託所に提示すれば足り、提出することを要しない。
   4 供託の申請は、本人又はその代理人が供託所に出頭してしなければならず、使者によってすることはできない。
   5 代理人によって供託しようとする場合には、代理人の権限を証する書面を添付しなければならないが、委任による代理人の権限を証する書面には、それに押された印鑑につき市区町村長又は登記所の作成した証明書を添付しなければならない。
   【正解】 3 
   
 【問題 09】   供託物の払渡請求に関する次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
   1 弁済供託の供託金の還付を請求する場合において、供託物払渡請求書に供託書正本及び供託所の発送した供託通知書を添付したときは、供託物払渡請求書に押された印鑑につき市区町村長又は登記所の作成した印鑑証明書を添付する必要はない。
   2 被供託者を「甲又は乙」とする債権者不確知を供託原因とする弁済供託の供託金を乙が還付請求する場合において、甲・乙間の訴訟の確定判決の理由中で乙が供託金還付請求権を有することを確認することができるときは、当該判決の謄本をもって還付を受ける権利を有することを証する書面とすることができる。
   3 金銭債権の一部に対して仮差押えの執行がされ、第三債務者が当該債権の全額に相当する金銭を供託したときは、供託金のうち仮差押え金額を越える部分については、債務者が受託するまでは、第三債務者が取り戻すことができる。
   4 預金または貯金への振込みの方法による供託金の払渡しについては、委任による代理人が請求したときであっても、供託金は、本人の預金又は貯金に振り込まなければならない。
   5 供託物の還付請求に際して払渡請求書に添付すべき「還付を受ける権利を有することを証する書面」は、その作成後3か月以内のものでなければならない。
   【正解】 5 
   
 【問題 10】   執行供託に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 金銭債権に対して差押えの執行がされた場合において、債務の履行地に供託所がないときは、裁判所の指定する供託所に供託しなければならない。
   イ 給与債権の一部に対して差押さえの執行がされたときは、第三債務者は、差押禁止部分を含む給与全額を供託することができる。
   ウ 金銭債権に対して差押えの執行が競合し、第三債務者が債権の全額に相当する金銭を供託するときは、供託書の「被供託者の住所氏名」欄には執行債務者の住所氏名を記載しなければならない。
   エ 金銭債権に対する仮差押えの執行が競合したときは、第三債務者は、債権の全額に相当する金銭を供託しなければならない。
   オ 金銭債権の一部に対して滞納処分による差押えの執行がされている場合において、その残余の範囲内で強制執行による差押えがされたときは、第三債務者は、当該金銭債権のうち、滞納処分による差押えがされていない部分の全額に相当する金銭を供託することができる。
    1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 11】  
   
 【問題 12】  
   
 【問題 13】  
   
 【問題 14】  
   
 【問題 15】  
   
 【問題 16】  
   
 【問題 17】  
   
 【問題 18】  
   
 【問題 19】  
   
 【問題 20】  
   
 【問題 21】  
   
 【問題 22】  
   
 【問題 23】  
   
 【問題 24】  
   
 【問題 25】  
   
 【問題 26】  
   
 【問題 27】  
   
 【問題 28】   商業登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
   ア 商業登記における登記官の審査は、添付書類に基づく形式的審査であって、申請に係る登記すべき事項の存否等の実体関係には及ばない。
   イ 支店の所在地における登記は、支店における取引の限度において本店所在地における登記と同様の公示力を有するが、本店所在地において登記されていない事項が支店所在地で登記されていたとしても、その支店の取引については、その事項について第三者の悪意が擬制されることはない。
   ウ 会社の登記については、一定の期間内に登記を申請することが義務付けられていることが多いが、この期間が経過しても、登記の申請はすることができる。
   エ 会社の登記の期間は、原則として登記すべき事項の効力が発生した日を基準として計算するが、株式会社の設立の登記は、それ自体が会社の成立要件とされており、その期間は、設立に必要な手続きが終了した日を基準として計算する。
   オ 解散して清算中の会社にも法人格があるから、そのような会社の商号と同一又は類似の商号による会社設立の登記や商号の登記の申請は、却下される。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 3 
   
 【問題 29】   民法法人の登記に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 未成年者は、意思能力を有していても、単独では完全に有効な法律行為をすることができないので、たとえ、その未成年者が理事に就任することについての法定代理人の承諾書が添付されていても、未成年者を理事とする登記の申請は、却下される。
   2 理事長のみが代表権を有するものとする定款又は寄附行為の定めは有効であるが、このような代表権についての制限は、登記をしなければ善意の第三者に対抗することができない。
   3 定款に「理事の任期は2年とする。ただし、任期満了後も後任者が就任するまではその職務を行わなければならない。」と定めた場合、理事の任期は後任者の就任時までは伸長するので、死亡や資格喪失の場合を除き、その退任による変更の登記については、後任者の就任日を退任日としなければならない。
   4 複数の理事の任期が満了した場合において、その一部について後任者を選任したが、なお定款又は寄附行為に定められた員数を欠く場合には、新たに選任された理事の就任による変更の登記の申請は、却下される。
   5 寄附行為において「A市の市長に就任した者は、当財団の理事に就く。」と規定されている財団法人において、新たにA市の市長となったことによる理事就任による変更の登記を申請する場合、申請書に当該理事への就任承諾を証する書面を添付することを要しない。
   【正解】 3 
   
 【問題 30】   次のアからオまでの記述を、商号の登記、未成年者の登記、後見人の登記及び支配人の登記(会社の支配人を除く。)に当てはめた場合に、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
   ア 登記簿に氏名を記載された者は、すべて、印鑑証明書の交付を請求することができる。
   イ 登記をするときは、必ず、営業の種類を登記しなければならない。
   ウ 法律上登記をすることが義務付けられていない。
   エ 登記の申請は、営業所の所在地を管轄する登記所にする。
   オ 登記を申請した者が死亡したときは、相続による変更登記を申請することができる。
  《図⑦》
 
   【正解】 3 
   
 【問題 31】   合併の登記の申請書の添付書類に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものはどれか。
   1 有限会社と有限会社とが合併し、株式会社を設立する場合、合併による設立の登記の申請書には、設立する会社の本店所在地を管轄する地方裁判所の許可書を添付しなければならない。
   2 合併による株式会社の変更の登記の申請書に添付された合併契約書に合併に伴う目的変更の記載がある場合でも、申請書には、別途、目的変更を決議した株主総会議事録を添付しなければならない。
   3 株式会社と合名会社との合併による株式会社の変更の登記の申請書には、株式会社の報告総会の議事録を添付しなければならない。
   4 合名会社と合資会社との合併による合資会社の設立の登記の申請書には、設立委員の資格を証する書面を添付しなければならない。
   5 株式会社と有限会社との合併による株式会社の変更の登記の申請書には、株式の消却を伴わない場合には、資本減少の公告をしたことを証する書面を添付することを要しない。
   【正解】 5 
   
 【問題 32】   次の対話は、株式会社の新株発行に伴う変更の登記に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、誤っているものはいくつあるか。
   教授: 登記申請書に株主総会議事録を添付しなければならないのは、どのような場合ですか。
   学生:ア 登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合です。例えば、定款の規定に基づいて株主総会で新株発行事項の決定をした場合や、株主以外の者に対して特に有利な価額で新株を発行する場合です。
   教授: 定款に株式の譲渡制限に関する定めのある会社が、株主割当以外の方法によって新株を発行するときも株主総会の決議が必要ですが、このときに添付すべき株主総会議事録にはどのような事項が記載されている必要がありますか。
   学生:イ このような閉鎖的な会社の株主は、保有株式の経済価値の変動について重大な利害関係があります。そこで、少なくとも発行すべき株式の最低発行価額を記載する必要があります。
   教授: それでは、最終の賃貸対照表を添付しなければならないのは、どのような場合ですか。
   学生:ウ 登記すべき事項について、一定額の純資産の存在が要件となる場合です。例えば、一部無償部分のある抱き合わせ増資をする場合や、会社成立後に5万円未満で株式を発行する場合です。
   教授: 株式の申込みを証する書面の添付を要しないのは、どのような場合ですか。
   学生:エ 書面による株式の申込みをしなくても株主が確定される場合です。例えば、現物出資の場合や、株主割当の方法による場合です。
   教授: 発行手続の瑕疵が治癒されている場合、株主割当とそれ以外の方法とで、添付書類に違いがありますか。
   学生:オ 発行手続の違法は、株主の引受権を損なうときは、無効原因となりますが、差止請求の機会を損なうにとどまるときは、直ちに無効原因となるとは考えられていません。そこで、例えば、発行事項の通知が法定機関を欠くことが明らかな場合であっても、添付書類に違いはないといえます。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 4(出題当時は5) 
   
 【問題 33】   株式会社の資本減少による変更の登記に関する次の記述中の(  )中に下記のアからクまでの字句を当てはめた場合、いずれにも該当しない字句の組合せとして正しいものは、後記1から5までのうちどれか。ただし、同一の字句が2箇所以上に当てはまる場合がある。
   「資本減少の方法には、資本の額のみの減少、株式の消却及びこれらを組み合わせる方法があるが、いずれの場合にも、株主総会の特別決議と(  )が必要であるから、資本減少による変更の登記の申請書には、必ず株主総会議事録と(  )をしたことを証する書面を添付しなければならない。また、(  )に対しては各別に催告をしなければならないので、この催告をしたことを証する書面を添付しなければならない。
   もし、(  )があるときは、原則として、これに対して弁済し、担保を供し、又は信託しなければならないので、これらを証する書面を添付しなければならない。資本を減少しても債権者を害するおそれのないときは、その者についてこれらの書面を添付しなくてもよいが、この場合には、そのようなおそれのないことを証する書面を添付しなければならない。
   資本減少による変更の登記は、資本減少の効力が発生した時から、本店においては2週間以内に申請をしなければならない。この期間は、資本の額のみの減少には(  )が完了した時から、株式の強制消却による場合には(  )又は(  )の完了の時のいずれか遅い時点から起算される。」
   ア 定款所定の方法による公告
   イ 官報による公告
   ウ 株券提供公告
   エ 異議を述べた債権者
   オ 会社と取引のある債権者
   カ 知れたる債権者
   キ 株主保護手続
   ク 債権者保護手続
    1 アエク   2 アオキ   3 イオク  4 イカキ   5 ウエキ
   【正解】  2 
   
 【問題 34】   複数の取締役を置く有限会社が代表取締役を定めた場合について、「定款の規定又は社員総会の決議をもって代表取締役を定めている会社にあっては、代表取締役たる地位は取締役たる地位とは別個のものではなく、ただ、定款の規定又は社員総会の決議による会社の一方的意思表示により代表取締役が定められ、他の取締役の代表権が制限されるにすぎない。これに対し、定款の規定に基づき、取締役の互選によって代表取締役を定めている会社にあっては、取締役の地位と代表取締役の地位は分化し、株式会社における取締役の地位と代表取締役の地位に類似するものとなる。」という考え方がある。 A,B及びCを取締役とし、A及びBを代表取締役とする有限会社に関する次の1から5までの記述のうち、この考え方と明らかに矛盾するものはどれか。ただし、この有限会社の取締役及び代表取締役の員数については、定款に別段の定めがないものとする。
   1 代表取締役が取締役の互選によって定められたときは、この有限会社の設立の登記の申請書には、A、BおよびCが取締役への就任を承諾したことを証する書面とともに、A及びBが代表取締役への就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
   2 代表取締役が社員総会の決議をもって定められたときは、Aについて代表取締役の地位のみの辞任による変更の登記を申請することができる。
   3 代表取締役が定款の規定をもって定められたときは、A及びBの死亡による変更の登記について、Cが、この有限会社を代表して申請することはできない。
   4 代表取締役が取締役の互選によって定められたときは、Cの辞任による変更の登記を申請する際に、A及びBについて代表取締役の氏名の登記の抹消を申請しなければならない。
   5 代表取締役が社員総会の決議をもって定められたときは、Cの辞任及び後任取締役Dの就任による変更の登記を申請する際に、A及びBについて代表取締役の退任による変更の登記を申請する必要はない。
   【正解】 2 
   
 【問題 35】   株式会社において、現に在職している取締役5名のうちの1名が平成11年6月21日に任期満了により退任した。後任の取締役については、同日の株主総会において選任決議があったが、被選任者が就任を承諾したのは、同年10月1日であった。以上に伴う取締役の退任・就任による役員変更の登記は、同月5日に申請された。この場合における過料の制裁に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
   ア 定款において取締役の員数の定めがなければ、旧取締役の退任の登記の申請を怠ったことによる過料の制裁は免れない。
   イ 定款において取締役の員数が5名と定められているのであれば、新取締役の選任手続を怠ったことによる過料の制裁は免れない。
   ウ 定款において取締役の員数が5名と定められているのであれば、旧取締役の退任の登記の申請を怠ったことによる過料の制裁は免れない。
   エ 選任又は登記の申請が遅れたことにつき故意又は過失がなくても、過料の制裁は免れない。
   オ 登記の申請を怠ったことによる過料の制裁は、代表取締役が受ける。
    1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個
   【正解】 3 
   

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平成11年度司法書士午前試験では、35問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】  次のアからオまでの記述について,民法上の社団法人,権利能力なき社団又は民法上の組合のいずれに当てはまる記述であるかという観点から分類をした場合,正しい組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 構成員が団体に拠出した不動産は,団体の名義で登記をすることができる。
   イ 構成員の債権者は,その債権に基づき,構成員が団体に拠出した財産を差し押さえることはできない。
   ウ 団体の債権者は,その債権に基づき,構成員の借入財産を差し押さえることはできない。
   エ 団体の設立登記が成立要件である。
   オ 営利を目的としない。
 
   【正解】 3 
   
 【問題 02】  次の対話は,債権の消滅時効に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の回答のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   教授: 債務者は,時効の利益を時効の完成前に放棄することができますか。
   学生:ア はい。時効の利益は,期限の利益と同様に,それにより利益を受ける債務者のために存するので,債務者は,債務の発生後は,いつでも時効の利益を放棄することができます。
   教授: それでは,時効の完成前に,準禁治産者が,保佐人の同意を得ずに債務の承認をした場合,時効は中断しますか。
   学生:イ はい。時効の中断の効力を生ずべき債務の承認をするためには,処分の能力又は権限があることは要しないので,保佐人の同意は不要です。
   教授: 時効完成後に債務者が債務の存在を承認した場合,債務者は,時効の利益を放棄したことになりますか。
   学生:ウ いいえ。債務者が時効の完成を知った上で債務の存在を承認したのでなければ,時効の利益の放棄には当たりません。
   教授: それでは,債務者が時効の完成を知らずに債務の分割弁済を約束した場合,債務者は,時効を援用することができますか。
   学生:エ はい。債務の分割弁済の約束は,それが時効の完成前にされたときは,債務の承認として時効の中断事由となりますが,時効の完成後にされたときは,時効の利益の放棄には当たらないので,債務者は,時効を援用することができます。
   教授: 債務者は,いったん時効の利益を放棄した後は,もはや時効を援用することができないのでしょうか。
   学生:オ いいえ。時効の利益を放棄した時点から再び時効は進行するので,再度時効が完成すれば,債務者は,時効を援用することができます。
      1  アイ    2  アエ    3 イオ    4  ウエ   5  ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 03】  Aは,Bと協議の上,譲渡の意思がないにもかかわらず,その所有する甲土地をBに売り渡す旨の仮装の売買契約を締結した。この場合における次のアからオまでの記述のうち,判例の考え方に従うと,Aによる売買契約の無効の主張が認められるものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア Bに対して金銭債権を有する債権者Cが,A・B間の協議の内容を知らずに,その債権を保全するため,Bに代位して,Bへの所有権移転登記をAに請求した。そこで,Aは,Cに対し,A・B間の売買契約の無効を主張した。
   イ Bは,甲土地上に乙建物を建築し,A・B間の協議の内容を知らないDに乙建物を賃貸した。そこで,Aは,Dに対し,A・B間の売買契約の無効を主張した。
   ウ Bに対して金銭債権を有する債権者Eが,A・B間の協議の内容を知らずA・B間の売買契約の無効を主張した。
   エ Bは,A・B間の協議の内容を知っているFに甲土地を転売し,さらに,Fは,その協議の内容を知らないGに甲土地を転売した。そこで,Aは,Gに対し,A・B間の売買契約の無効を主張した。
   オ Bは,A・B間の協議の内容を知らないHに甲土地を転売し,さらに,Hは,その協議の内容を知っている I に甲土地を転売した。そこで、Aは I に対し,A・B間の売買契約の無効を主張した。
      1  アイ    2  アウ   3 イオ   4  ウエ   5 エオ
   【正解】 1 
   
 【問題 04】   次の対話は,自己契約・双方代理の禁止に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからクまでの学生の回答のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   教授: 民法第108条の規定によって保護される利益は何だと考えますか。
   学生:ア 不当な契約を一般的に防止しようとする公益だと考えます。
       イ 不当な契約から生ずる損害を避ける当事者の利益だと考えます。
   教授: それでは,民法第108条に違反してされた法律行為の効力はどうなりますか。
   学生:ウ 無効となり,追認をすることはできません。また,本人が事前に双方代理の行為について同意を与えることはできません。
       エ 無権代理となり,追認をすることができます。また,本人が事前に双方代理の行為について同意を与えていれば,代理行為の効力は本人に及びます。
   教授:それでは,法律行為の代理人の選任をその相手方に委任する契約の効力はどうなりますか。
         
   学生:オ 法律行為の内容や委任契約がされた経緯などから,代理人の選任の委任が無効とされる場合があります。
       カ 相手方や相手方と同一の代理人を代理人として選任することをしなければ,その代理人の代理権が否定されることはありません。
   教授: 不動産の所有権移転の登記の申請について,同一の司法書士が登記権利者と登記義務者の双方の代理をすることが可能とされているのは,なぜですか。
   学生:キ 登記の申請について,同一人が登記権利者と登記義務者の双方の代理をすることは,原則として民法第108条に違反するので,許されませんが,申請者双方の同意を得ている場合には,それが許されるからです。
       ク 登記の申請は,既に効力を生じた権利変動の公示を申請する行為であり,民法第108条ただし書にいう「債務ノ履行」に準ずる行為に当たるからです。
    1 アウオキ  2 アエカク  3 イウカキ  4 イエオキ  5 イエオク
   (参考)
    民法第108条 何人ト雖モ同一ノ法律行為二付キ其相手方ノ代理人ト為り又ハ当事者双方ノ代理人ト為ルコトヲ得ス但債務ノ履行二付テハ此限二在ラス
   【正解】 5 
   
 【問題 05】  AのBに対する債権をCが譲り受けようとする場合に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
   1 Aの有する債権が,BにAの肖像画を描かせることを内容とするものである場合,Cは,債権を取得することができない。
   2 AとBとの間に債権の譲渡を許さない旨の合意がある場合,その合意の存在を知り,又は知らないことについて過失があるCは,債権を取得することができない。
   3 AとBとの間に債権の譲渡を許さない旨の合意がある場合であっても、BがAのCに対する譲渡を追認したときは,Cは,債権を取得することができる。
   4 Cが譲り受けようとする債権が,AとBとの間の既存の賃貸借契約に基づき,将来の一定の期間内に発生すべき賃料債権である場合であっても,Cは,債権を取得することができる。
   5 AのBに対する債権が民法上の扶養請求権である場合,Cは,債権を取得することができない。
   【正解】 2 
   
 【問題 06】  次のアからオまでの記述のうち,使用貸借のみに当てはまり,賃貸借及び無利息の消費貸借には当てはまらないものの組合せはどれか。
   ア 貸主は,目的物の瑕疵につき,その存在を知って引き渡した場合に限り,担保責任を負う。
   イ 借主が破産宣告を受けた場合には,貸主は,期限の定めがあるときでも契約の解約を申し入れることができる。
   ウ 借主が死亡した場合には,契約は,その効力を失う。
   エ 当事者が返還の時期又は使用収益の目的を定めなかったときは,貸主は,いつでも返還を求めることができる。
   オ 借主は,貸主の承諾がなければ,第三者に目的物を使用収益させることができない。
    1 アイ    2  アオ   3 イウ   4  ウエ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 07】  詐害行為取消権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれが。
   ア 詐害行為取消権の被保全債権は詐害行為時に具体的に発生していることを要するから,調停により毎月一定額の支払を受けることを内容とする婚姻費用の分担に関する債権を取得した妻は,夫による所有不動産の譲渡に関し,譲渡がされた時に期限が到来していた債権のみに基づいて詐害行為取消権を行使することができる。
   イ 離婚に伴う財産分与は,婚姻の解消という身分行為に伴うものではあるが,身分関係の廃止とは直接に関係のない行為であるから,財産分与が,不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分行為であると認められるときは,詐害行為として取り消すことができる。
   ウ 取引の安全の観点から,転得者が詐害の事実について善意である場合には,詐害行為の取消しは認められないとする立法趣旨に照らすと,転得者が詐害の事実について善意であれば,その転得者から更に対象物件を転得した者については,その者が詐害の事実について悪意であっても,債権者は,詐害行為取消権を行使することができない。
   エ 債務者Aに対し,Bは300万円,Cは200万円の金銭債権を有していたが,CがAから200万円の弁済を受けたことにより,Aは,無資力となった。Cに対するAの弁済がBの請求により詐害行為として取り消された場合,責任財産の回復を目的とする詐害行為取消制度の趣旨に照らし,Cは,Bに対し,自己の債権額に対応する按分額80万円についても支払を拒むことはできない。
   オ 詐害行為取消権の行使により法律行為が遡及的に無効とされることは,取引の安全に重大な影響を与えるため,法律関係の安定の観点から短期消滅時効が定められている趣旨に照らすと,詐害行為取消権の消滅時効は,債権者が債務者に詐害の意思かあることを知ったか否かにかかわらず,債権者が詐害行為の客観的事実を知った時から進行する。
    1  アウ   2  アオ   3 イエ   4 イオ   5  ウエ
   【正解】 3 
   
 【問題 08】  Aは,Bに対し,自己がそれまで使用していた自動車を代金200万円で売り渡したが,Bが買い受けた後,その自動車は,突如,エンジンにトラブルが発生し,走行することができない状態になった。Bが自動車修理工場に依頼して点検したところ,エンジンの内部に売買以前からの不具合かおり,そのためにトラブルが発生したこと及びその修理のためには100万円の費用が必要であることが判明した。このような場合に売主Aが負担する責任に関する考え方の前提として,次の二つの考え方があるものとする。
   第1説 Aの売主としての債務は,その目的となった中古自動車の所有権を買主に移転し,これを引き渡すことであり,これによってAの債務の履行は完了する。
   第2説 中古自動車の売買であっても、売主Aは,完全な目的物を引き渡す債務を負っており,上記のような事例では,Aは,その債務を履行したとはいえない。
   次のアからオまでの記述のうち,第2説を前提とし,第1説を前提としない記述の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
   ア Aがエンジンの内部に不具合かあることを知らなかったことについて過失がなかった場合であっても,Aは,Bに対して損害賠償責任を負うが,これは,売買が有償契約であるという性質を特つことから,法が特に定めた責任である。
   イ Bは,エンジンの修理費用100万円のほか,修理期間中当該自動車を使用することができなかったために失った得べかりし利益についても,Aに対し,損害賠償を請求することができる。
   ウ Bは,Aに対し、エンジンを修理するよう請求することはできないが,自ら修理工場に依頼して修理させ,その費用100万円についてAに損害賠償を請求することはできる。
   エ BのAに対する損害賠償請求や売買契約の解除は,Bがエンジンにトラブルが発生したことを知った時から1年以内にしなければならないが,これは,その責任の性質上,当然に導かれる結論とはいえない。
   オ Bは、Aに対し,現実にエンジンを修理するか否かにかかわらず,売買代金を100万円減額するよう請求することができる。
    1  アエ   2 アオ   3  イウ   4 イエ   5  ウオ
   【正解】 4 
   
 【問題 09】  「譲渡担保権者は,目的物の所有権を取得するが,譲渡担保権の設定者に対して担保の目的を超えて使用・処分しない義務を負う。」との見解がある。Aが、Bに対して有する債権の担保のため、Bが所有している動産について、譲渡担保権の設定を受け,占有改定の方法によりその引渡しを受けた場合に関する次のアからオまでの記述のうち,この見解を前提とすれば誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア Bは,その動産についてCに対しても譲渡担保権を設定し,占有改定の方法により引き渡した。この場合,Cは,第2順位の譲渡担保権を取得する。
       
   イ Aは,その動産をDに売却して,指図による占有移転の方法により引き渡した。Dは、その動産がAのために譲渡担保に供されたものであることを知っていた場合,動産の所有権を取得するが,Bに対して担保の目的を超えて使用・処分しない義務を負う。
   ウ Bは、その動産をEに売却し,現実の引渡しをした。Eは,その動産がAのために譲渡担保に供されたものであることを知らず,また,知らないことに過失がなかった場合,動産の所有権を取得する。
   エ Bが弁済期に債務を履行しなかったので,Aは,Bに対してその動産の引渡しを請求した。Bは,清算金の支払があるまで動産の引渡しを拒むことができる。
       
   オ Bが弁済期に債務を履行しなかったので,Aは,その動産をFに売却した。Bは,Fに対して動産の受戻しを請求することはできない。
    1  アイ   2  アエ   3 イウ   4  ウオ   5 エオ
   【正解】 1 
   
 【問題 10】  下図のように,甲地が乙地を通らなければ公路に出ることができない位置関係にある場合において,甲地の所有者Aが乙他の所有者Bから通行地役権の設定を受けたときに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
   
 
   1 通行地役権の設定契約において,Aが乙地を通行することができるのは,Bがその都度指定する時間に限られる旨を定めることはできない。
   2 Aが甲地の所有権とともに通行地役権をCに譲渡した場合,Cは,甲地の所有権移転の登記とともに地役権移転の登記を経由しなければ,第三者に対し,地役権の移転を対抗することができない。
   3 Aが甲地の持分2分の1をDに譲渡した場合,Dも通行地役権を取得する。
   4 Aが甲地をEに譲渡した場合,Aの通行地役権は,特別の定めをしなくてもEに移転する。
   5 Aは,通行地役権のみを丙地の所有者Fに譲渡することはできない。
   【正解】 2 
   
 【問題 11】  滌除権者に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
   1 抵当不動産の所有権を無償で譲り受けた者であっても滌除権を行使することができる。
   2 抵当不動産の所有権を相続によって取得した者であっても,滌除権を行使することができる。
   3 抵当不動産について譲渡担保権の設定を受けた者であっても滌除権を行使することができる。
   4 抵当不動産について競売が申し立てられた後にその不動産の所有権を取得した者であっても,滌除権を行使することができる。
   5 抵当不動産の共有持分を取得した者であっても滌除権を行使することができる。
   【正解】 1 
   
 【問題 12】  地上権の消滅に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 地上権者が破産の宣告を受けた場合,それまで地代の滞納がなかったときでも土地所有者は,地上権の消滅を請求することができる。
        
   イ 地上権者は,存続期間の定めがあるときでも、いつでも地上権を放棄することができる。
   ウ 地上権者が土地を使用していないときでもその地上権に抵当権が設定されていれば,地上権は,時効によって消滅することはない。
   エ 地上権者がその土地の上に有する建物を第三者に賃貸している場合,地上権者と土地所有者が地上権を合意により消滅させても,これを建物の賃借人に対抗することはできない。
   オ 地上権が消滅した場合,地上権者は,その土地に植栽した樹木について,土地所有者に対し,時価で買い取るべきことを請求することができる。
    1  アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ
   【正解】 2 
   
 【問題 13】  後記の記述のうち,次の事例においてBが自己の所有権取得をDに対抗することができないとの結論を導く根拠として最も適切でないものはどれか。
   (事例) Aは,その所有する甲不動産をBに譲渡したが,その所有権移転登記が未了の間に,甲不動産をCに二重に譲渡した。その後,甲不動産は,CからDに譲渡され,AからCへ,CからDへの所有権移転登記がされたが,Cは,背信的悪意者であった。
   1 転得者が保護されるかどうかは,詐害行為取消権における受益者,転得者の関係と同様である。
   2 Cが背信的悪意者であってもAC間の売買が無効になるものではない。
   3 Dは,Bとの関係で登記の欠?を主張する正当な利益を有する第三者に該当する。
   4 信義則に違反するかどうかは,相手方との関係で相対的に判断すべきである。
   5 A・C間の譲渡が公序良俗に反する場合であっても,Dは,背信的悪意者でなければ,民法第177条の第三者に該当する。
   【正解】 5 
   
 【問題 14】  動産質権に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 質権は,質物を債権者に引き渡さなければ,成立しない。
   イ 質物は,質権者に対し,占有改定の方法によって引き渡すことができる。
   ウ 質権者は,質物の占有を継続しなければ,質権を失う。
   エ 質権者が質物を第三者によって奪われた場合,質権に基づいてその返還を請求することができる。
   オ 質権者は,設定者の承諾がなければ,質物を第三者に賃貸することができない。
    1  アイエ   2 アイオ   3 アウオ   4 イウエ   5 ウエオ
   【正解】 4 
   
 【問題 15】  「Bに賃貸されているA所有の甲不動産がCに譲渡された場合において,CがBに対して賃料を請求するときは,Cは,所有権移転登記を経由する必要はない。」とする見解がある。次のアからオまでの記述のうち,この見解の根拠とならないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 賃料請求は,賃借権の存在を認めることを前提として賃貸借契約上の権利を行使するものである。
       
   イ 賃借人は,甲不動産の譲渡の当事者以外の第三者である。
   ウ 甲不動産が二重に譲渡された場合であっても,債権の準占有者に対する弁済や供託によって、賃借人を保護することができる。
   エ 賃貸人の地位の譲渡を賃借人に対抗するためには,賃借人に対する通知又は賃借人の承諾があれば足りる。
       
   オ 甲不動産が二重に譲渡された場合においてもその所有権の帰属と賃料債権の帰属とが分離することは避けるべきである。
    1  アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 16】  次のアからオまでの記述のうち,AからCに対する返還請求又は妨害排除請求が認められるものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア Aが,Bから賃借している土地上に建物を所有し,所有権保存登記を経由している場合において,この土地の一部を隣地所有者Cが占拠した。
   イ Aが,その所有する土地をBに売却して所有権移転登記を経由し,さらに,BがCに対し,この土地を転売した。Cが,この土地上に建物を建てた後,A・B間の売買契約が解除され,AからBへの所有権移転登記が抹消された。
   ウ Bは,所有者Dから賃借している土地上に建物を所有していたが,Cがこの建物を競売により取得した。この場合において,Dの無権代理人Aが賃借権の譲渡を承諾した後,Dが死亡し,AがDの地位を単独で相続した。
   エ Aが所有する土地上に建物を建築することを請け負ったBは,自らすべての材料を提供して建物を完成させたが,Aが請負代金を支払わないので,自己名義の所有権保存登記を経由した後,この建物をCに譲渡し,所有権移転登記を経由した。
   オ Bは,所有者Aから賃借している土地上に建物を所有していたが、Bが死亡し,CがBの地位を単独で相続した。
    1 アイウ   2 アイエ   3 アウオ   4 イエオ   5 ウエオ
   【正解】 2 
   
 【問題 17】  「物権的請求権は,相手方の費用負担でその積極的な行為を請求する権利である。」とする見解がある。この見解に関する次のアからオまでの記述のうち,適切でないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア この見解では,物権侵害の原因を作ったのは第三者であるが,現に物権を侵害している物を支配している者は相手方であるという場合についてまで,相手方に費用を負担させることになり,相手方に酷であるとの批判がある。
   イ この見解の根拠には,物権的請求権は,物権の一作用であるが,それは物に対する追及権であって,人に対する権利ではないとの考え方がある。
   ウ この見解では,互いに相手方に対して物権的請求権を有する場合には,どちらが先に請求するかによって費用負担者が決定されることになり,不合理であるとの批判がある。
   エ この見解の根拠には,物権は物に対する支配権であるから,この支配の実現が妨害された場合には,自力救済が禁止されている以上,法律上その排除ができなければならないとの考え方がある。
   オ この見解は,物権的請求権における費用負担の問題を,これとは異質な不法行為の責任原理にゆだねるものてあり,不合理であるとの批判がある。
    1 アイ   2 アウ   3 イオ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 18】  認知に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 父は胎児を認知することができるが,胎児は父に対して認知の訴えを提起することはできない。
   イ 未成年者は,その法定代理人の同意がなくても認知をすることができる。
   ウ 遺言による認知は,遺言者が遺言の方式に従って撤回することができる。
   エ 認知は,認知をした父が子の出生の時にさかのぼって効力を生ずる旨の別段の意思表示をしたときを除き,認知の時から効力を生ずる。
   オ 父の死亡の日から3年以内であれば,子又はその3親等内の親族は,認知の訴えを提起することができる。
    1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ
   【正解】 5 
   
 【問題 19】  特定遺贈に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 特定遺贈の受遺者は,自己のために遺贈の効力が生じたことを知った時から3か月以内に遺贈の放棄をしないときは,遺贈を承認したものとみなされる。
   イ 遺言者の妻を扶養することを負担とする特定遺贈があった場合,受遺者がその負担した義務を履行しないときは,その遺贈は,効力を生じない。
   ウ 特定遺贈の受遺者の後見人が後見監督人の同意を得ないで遺贈の放棄をした場合,後見監督人は,その遺贈の放棄を取り消すことはできない。
   エ 不動産について始期付きの特定遺贈があった場合,受遺者は,始期の到来前は,遺贈義務者に対し,始期付所有権移転請求権保全の仮登記を求めることができる。
   オ 遺留分を侵害する特定遺贈は,遺留分を侵害する限度において無効である。
    1 アイ   2 アウ   3 イオ  4 ウエ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 20】  氏の変更に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア Aとの婚姻によって氏を改めたBは,Aと離婚をしたときは,戸籍法の定めるところにより届け出ることによって,婚姻前の氏に復することなくAの氏を称することができる。
   イ Aとの婚姻によって氏を改めたBは,Aの両親と養子縁組をした後にAと離婚をしたときは,婚姻前の氏に復する。
   ウ A・B夫婦と養子縁組をしたCは,Bと離縁をしても,縁組前の氏に復しない。
   エ Aと離婚をしたBが嫡出である子Cを連れてDと婚姻をし,Dの氏を称しても,Cの氏は,Aが離婚した際のA・B夫婦の氏のままである。
   オ 嫡出でない子Aの氏は,父Bに認知されると,母Cの氏から父Bの氏に変更する。
    1 アイ   2 アエ  3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 4 
   
 【問題 21】  相続の限定承認に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 相続人が数人ある場合,限定承認は,相続人が各別にすることができる。
   イ 限定承認は,相続人が家庭裁判所に対して限定承認をする旨を申述してしなければならない。
   ウ 限定承認をした相続人は,善良な管理者の注意をもって,相続財産を管理する義務を負う。
   エ 限定承認をした相続人は,相続によって得た財産の限度においてのみ被相読人の債務及び遺贈を弁済する責任を負う。
   オ 限定承認をした相続人が被相続人の債務を自己の固有財産で弁済した場合,その弁済は,無効である。
    1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 22】  遺産分割に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 家庭裁判所は,遺産分割の禁止の審判をする場合,その禁止の期間を定めることを要しない。
   イ 相続財産中の甲不動産を共同相続人Aに相続させる旨の遺言は,遺産分割の方法の指定に当たるので,甲不動産をAに取得させるためには,遺産分割の手続を経なければならない。
   ウ 相続開始後遺産分割前に共同相続人Aから相続財産中の甲不動産についてのAの権利を第三者Bが譲り受けた場合,Bは,遺産分割の手続を経ることなく,共同相続人に対して共有物分割の請求をすることができる。
   エ 共同相続人間にいったん遺産分割協議が成立した場合,共同相続人は,その協議を合意解除して新たな遺産分割協議を成立させることはできない。
   オ 共同相続人A・B間に遺産分割の協議が成立した場合,Aがその協議により負担した債務をBに履行しないときであってもBは,債務不履行を理由としてその協議を解除することはできない。
    1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ
   【正解】 5 
   
 【問題 23】  予備罪の共同正犯に関する次の記述中の( ア )から( カ )までに当てはまる用語の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
    刑法第43条本文は「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は,その刑を減軽することができる。」と規定し,同法第60条は「二人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする。」と規定しています。これらの条文に規定された「実行」という概念を同一に理解する立場においては,「実行」は,( ア )の段階で初めて問題となることから,( ア )の前段階である( イ )に関して「実行」が問題となる余地はなく,したがって,殺人予備罪に関し共同正犯が( ウ )ことになります。これに対し,未遂犯成立のための実行行為概念は( エ )を確定するための概念であり,共犯成立の前提となる実行行為概念は( オ )を確定するための概念であるとして,両者の「実行」概念の( カ )を認めた上で,予備罪についても構成要件の修正形式としての実行行為を観念することができるとする立場があります。
        (ア)   (イ)     (ウ)       (エ)     (オ)    (カ)
      1 未遂 予備 成立する余地はない 処罰範囲 処罰時期 絶対性
      2 既遂 未遂 成立する場合がある 処罰時期 処罰範囲 相対性
      3 未遂 予備 成立する場合がある 処罰範囲 処罰時期 相対性
      4 既遂 未遂 成立する余地はない 処罰時期 処罰範囲 絶対性
      5 未遂 予備 成立する余地はない 処罰時期 処罰範囲 相対性
   【正解】 5 
   
 【問題 24】  Aは,開店中の大規模スーパー・マーケットの6階の通路ベンチに札入れを置き忘れた。その約30分後,同ベンチに札入れが放置されているのに気付いたBは,持ち主が戻ってこないうちに,これを自己の物にしようと考え,ペンチに近づいたところ,ベンチから数メートル離れた場所を買物客Cが通りかかり,札入れを注視していたことから,Cに対し,「札入れを警備室に届けてやる。」と嘘を言って,その旨信用させ,札入れをベンチから取り上げ,これを自己のポケットに入れてその場から立ち去った。他方、Aは,そのスーパー・マーケットの地下売場で買物をしようとした際に,札入れをベンチに置き忘れたことを思い出し,直ちに引き返したが,既にBが札入れを持ち去った後であった。
    この事例におけるBの罪責に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし最も適切なものはどれか。
   1 Bが,札入れが放置されていることに気付き,ベンチに近づいた時点では,ベンチから数メートル離れた場所でCが札入れを注視していたのであるから,札入れはCの占有に移っており,Bがそれを知りながら札入れをペンチから取り上げ,これをポケットに入れた時点で,Bには窃盗罪が成立する。
   2 Cは,Bが「札入れを警備室に届けてやる。]と言ったことを信用したからこそ,Bが札入れを取り上げることを黙認したのであるから,Bには詐欺罪が成立する。
   3 Aは,開店中のスーパー・マーケットにおいて,約30分間,札入れを置き忘れたベンチから離れ,地下売場等において買物をしようとしていたのであるから,Aの札入れに対する占有を認めることは困難であり,Bには占有離脱物横領罪が成立する。
   4 Aの占有が否定されたとしても,この事例においては,札入れの占有は,Aが札入れをベンチに置き忘れた時点で,スーパー・マーケットの管理者に 帰属していたと考えられるから,Bには窃盗罪が成立する。
   5 Aが札入れをベンチに置き忘れたことを思い出した時点で,Aが札入れに対する事実上の支配を回復したと評価することができるから,その後にBがベンチから札入れを取り上げ,これをポケットに入れたのであれば,Bには 窃盗罪が成立する。
   【正解】 3 
   
 【問題 25】   業務上過失致死傷罪における「業務」と業務妨害罪における「業務」に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
   
   1 業務上過失致死傷罪における「業務」とは,実際に反復継続して行われているものでなければならない。
   2 業務妨害罪における「業務」とは,報酬又は収入を伴うものでなければならない。
   3 業務上過失致死傷罪における「業務」には,他人の生命・身体に生ずる危害を防止することを目的とする職務は含まれない。
   4 業務妨害罪における「業務」には,娯楽のために行われる自動車の運転も含まれる。
   5 業務上過失致死傷罪の「業務」には,親が家庭内で行う育児は含まれない。
   【正解】 5 
   
 【問題 26】  偽造罪に関する次の記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
   1 文書偽造罪が成立するためには,抽象的に文書の信用を害する危険があれば足り,特定の人に対し具体的に損害を与え,又は与える危険があることを要しない。
   2 公文書偽造罪の客体となる文書は,原本に限られず,原本と同一の内容を保有し,証明文書として原本と同様の社会的機能と信用性を有するものである限り,原本の写しであっても差し支えない。
   3 私文書偽造罪が成立するためには,一般人をして実在者が真正に作成した文書と誤信させるおそれが十分にあれば足り,その名義人が架空であると実在であるとを問わない。
   4 公正証書原本不実記載罪の客体は,私法上の権利義務に関するある事実を証明するものでなければならない。
   5 公正証書原本不実記載罪の客体は,申立ての内容につき公務員に実質的審査権があるものであるか否かを問わない。
   【正解】 4 
   
 【問題 27】  株式会社に関する次のアからキまでの行為のうち,反対株主の株式買取請求権が認められるものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 他の会社の営業の重要な一部の譲受け
   イ 営業全部の経営の委任
   ウ 目的に係る定款の変更
   工 資本の減少
   オ 合併
   カ 有限会社への組織変更
   キ 解散
    1  アイオ  2 アウエ  3 イオカ  4 ウオキ  5 エカキ
   【正解】 3 
   
 【問題 28】  株式会社の資産の評価に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 金銭債権については,その債権金額を付するのが原則である。
   イ 社債については,その社債金額を付するのが原則である。
   ウ 株式については,その時価を付するのが原則である。
   エ 土地については,その取得価額を付するのが原則である。
   オ 合併
   オ 棚卸資産については,その取得価額又は製作価額を付するのが原則である。
    1  アイ   2 アエ   3 イウ   4  ウオ   5 エオ
   【正解】 3 
   
 【問題 29】  次の表は,商法上の各種の訴えに関する規定を整理したものである。この表のAからEまでに,下記アからオまでの訴えのいずれかを当てはめて表を完成させる場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
 
   ア 新株発行無効の訴え
   イ 設立無効の訴え
   ウ 資本減少無効の訴え
   エ 株主総会決議取消しの訴え
   オ 株主総会決議不存在・無効確認の訴え
   
     A  B  C  D  E
  1  イ  ア  エ  ウ  オ
  2  イ  ア  エ  オ  ウ
  3  ウ  エ  イ  オ  ア
  4  エ  オ  ア  ウ  イ
  5  エ  オ  ア  イ  ウ
   【正解】 4 
   
 【問題 30】  株式会社に関する次の貸借対照表の空欄のうち,AからIまでに当てはまる用語の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
 
   1  A 資産  C 流動資産  E 負債  I 任意準備金
   2  B 流動資産  D 引当金  F 未払金  H 資本
   3  B 投資等  D 固定資産  F 預り金  H 資本
   4  C 固定資産  E 負債  G 流動負債  I 当期利益
   5  A 資産  D 投資等  G 固定負債  I 利益準備金
   
   【正解】 5 
   
 【問題 31】  有限会社の社員総会に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 社員総会を招集するには,定款に別段の定めがない限り,会日から2週間前までに,各社員に対して招集通知を発しなければならない。
   イ 各社員は,定款に別段の定めがない限り,出資1口につき1個の議決権を有する。
   ウ 社員は,2個以上の議決権を有するときは,それらを統一しないで行使することができ,会社は,それを拒むことができない。
   エ 社員総会の決議を行うべき場合において,総社員の同意があるときは,社員総会を開かず,書面による決議を行うことができる。
   オ 社員総会の決議の内容が定款に違反するときは,監査役は,その決議取消しの訴えを提起することができる。
    1  アイ   2 アエオ   3 イエ   4 イオ   5  ウエオ
   【正解】 3 
   
 【問題 32】  株式と社債とを比較した次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 発行限度の規制は,社債についてはあるが,株式についてはない。
   イ 社債の発行は,代表取締役が決定することができるが,新株の発行には,取締役会の決議が必要である。
   ウ 発行価額の払込みについての会社に対する債権との相殺は,社債については禁止されていないが,株式については禁止されている。
   エ 発行価額の分割払込みは,社債については認められているが,株式については認められていない。
   オ 複数の会社による合同発行は,社債については認められているが,株式については認められていない。
    1  アイ   2 アエ   3 イウ   4  ウオ   5 エオ
   【正解】 1 
   
 【問題 33】  株主の議決権の行使の制限に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 決議につき特別の利害関係を有する株主は,議決権を行使することができない。
   イ 相互に持ち合っている株式については,各会社は,互いに議決権を行使することができない。
   ウ 単位未満株式については,議決権を行使することができない。
   エ 議決権なき株式についても,株式会社から有限会社への組織変更の決議については,議決権を行使することができる。
   オ 株主名簿の閉鎖期間中であっても,転換社債の転換権の行使によって発行された株式については,議決権を行使することができる。
    1  アイウ  2 アイオ  3 アウエ  4 イエオ  5  ウエオ
   【正解】 2 
   
 【問題 34】  株式会社の株主総会と取締役会とを比較した次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 会社の債権者は,株主総会の議事録は閲覧することができるが,取締役会の議事録は閲覧することができない。
   イ 招集通知は,株主総会については書面によってする必要があるが,取締役会については口頭ですることでも足りる。
   ウ 代理出席は,株主総会においては認められているが,取締役会においては認められていない。
   エ 定款による決議要件の緩和は,株主総会についてはすることができるが,取締役会についてはすることができない。
   オ 監査役は,株主総会に出席して意見を述べることはできるが,取締役会に出席して意見を述べることはできない。
    1  アイ   2 アオ   3 イエ   4  ウエ   5  ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 35】  株式会社の設立の際の株式の発行と会社設立後の新株の発行とを比較した次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
 
    1 アイウ  2 アイエ  3 アエオ  4 イウオ  5  ウエオ
   【正解】 5 
   

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平成11年度司法書士午後試験では、19問出題され、すべて5択形式の問題です。
 黒い部分 にマウスポインタを当てると正解が表示されます。

 【問題 01】   当事者の出頭に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
   1 当事者双方が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しないときは,裁判所は,当事者双方が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなすことができる。
   2 裁判所は,攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が釈明をすべき期日に出頭しないときは,申立てにより又は職権で,その攻撃又は防御の方法を却下することができる。
   3 当事者双方が,連続して2回,口頭弁論の期日に出頭しないときは,訴えの取下げがあったものとみなされる。
   4 裁判所は,当事者双方が期日に出頭しない場合においても,証拠調べをすることができる。
   5 裁判所は,当事者双方が口頭弁論の期日に出頭しない場合において,審理の現状及び当事者の訴訟追行の状況を考慮して相当と認めるときは,終局判決をすることができる。
   【正解】 1 
   
 【問題 02】   次の記述のうち,裁判所の措置が弁論主義に反するものはどれか。
   1 裁判長が,口頭弁論の期日において,訴訟関係を明瞭にするため,当事者に対して立証を促すこと。
   2 当事者の申立てがないのに,職権で,当事者本人を尋問すること。
   3 当事者の一方の提出した証拠を相手方にとって有利な事実の認定のために用いること。
   4 当事者が,ある法規について一致した解釈をしているのに,これと異なる解釈に立って判決をすること。
   5 証拠調べの結果に基づき,いずれの当事者も主張していない主要事実を認定すること。
   【正解】 5 
   
 【問題 03】   証拠保全に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
   1 裁判所は,必要があると認めるときは,訴訟の係属中,職権で,証拠保全の決定をすることができる。
   2 証拠保全の申立ては,相手方を指定することができない場合には,することができない。
   3 証拠保全の申立てを却下した決定に対しては,抗告をすることができる。
   4 証拠保全として検証を行う場合には,裁判所は,申立人の申立てにより,検証物の提示を命ずることができる。
   5 証拠保全に関する費用は,訴訟費用の一部となる。
   【正解】 2 
   
 【問題 04】   次の記述のうち,裁判所の措置が処分権主義に反するものはどれか。
   1 Aは,Bとの間で,売買契約を締結する際に,当該契約に基づく訴訟についてはAの住所地の地方裁判所を管轄裁判所とする旨の合意をしていたので,Aの住所地の地方裁判所に当該契約に基づく訴訟を提起した。ところが,裁判所は,専属管轄違反を理由として,訴訟を他の裁判所に移送する旨の決定をした。
   2 AがB及びCを共同被告として訴えている訴訟において,Bが口頭弁論期日において請求を認諾する旨の意思表示をした。ところが,裁判所は,当該訴訟が固有必要的共同訴訟であることを理由としてBの請求の認諾を認めず,証拠調べを実施した上で,A敗訴の判決を言い渡した。
   3 AがBに対して債務不存在確認訴訟を提起した。裁判所は,証拠調べの結果,Aの債務が存在するとの心証を得たことから,Bの反訴の提起がないにもかかわらず,Aの債務が存在することを確認する旨の判決を言い渡した。
   4 AがBに対して100万円の支払を求める損害賠償請求訴訟を提起したところ,Bは,Aの損害は20万円であると主張して争った。ところが,裁判所は,証拠調べの結果,Aの損害は60万円であったと認定して,Bに60万円の支払を命ずる判決を言い渡した。
   5 AがBに対して貸金返還請求訴訟を提起した。裁判所は,Aの請求を認めて,Bに金銭の支払を命ずる判決をするに当たり,Aの申立てがないにもかかわらず,当該判決につき仮執行宣言を付した。
   【正解】 3 
   
 【問題 05】   裁判上の和解に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
   1 民事上の争いについては,当事者は,請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して,自己の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所又は地方裁判所に和解の申立てをすることができる。
   2 裁判所は,受命裁判官に和解を試みさせることはできない。
   3 裁判所は,口頭弁論の終結後,判決の言渡しまでの間においても,和解を試みることができる。
   4 裁判所は,当事者の一方の申立てがあるときは,事件の解決のために適当な和解条項を定めることができる。
   5 当事者が裁判上の和解をした場合において,和解の費用について特別の定めをしなかったときは,裁判所は,申立てにより又は職権で,和解費用の負担の裁判をしなければならない。
   【正解】 3 
   
 【問題 06】   担保権の実行としての不動産競売と不動産の強制競売に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 担保権の実行としての不動産競売は,債務名義はなくとも担保権の登記がされている不動産登記簿の謄本の提出があれば開始されるが,不動産の強制競売は,債務名義により行われる。
   イ 開始決定前の保全処分の制度は,担保権の実行としての不動産競売にはあるが,不動産の強制競売にはない。
   ウ 不動産の所有者が第三者異議の訴えを提起することは,担保権の実行としての不動産競売ではできないが,不動産の強制競売ではできる。
   エ 開始決定に対する執行異議の申立ては,担保権の実行としての不動産競売では担保権の不存在又は消滅を理由としてすることができるが,不動産の強制競売では請求権の不存在又は消滅を理由としてすることはできない。
   オ 不動産の上に存する抵当権は,担保権の実行としての不動産競売では売却によって消滅するが,不動産の強制競売では売却によって消滅しない。
    1  アイ    2 アエ   3 イオ   4  ウエ   5  ウオ
   【正解】 5 
   
 【問題 07】   保全執行に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 保全執行は,執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する。
   イ 保全執行は,債権者に対して保全命令が送達された日から2週間を経過したときは,これをしてはならない。
   ウ 保全執行は,保全命令が債務者に送達される前であっても,これをすることができる。
   エ 不動産に対する仮差押えの執行は,これを強制管理の方法により行うことはできない。
   オ 金銭債権に対する仮差押えの執行は,保全執行裁判所が債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止する命令を発する方法により行う。
    1  アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ
   【正解】 3 
   
 【問題 08】   司法書士の業務に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 司法書士は,契約当事者双方から嘱託を受けて関係書類を受領した後,その登記申請をしない間に登記義務者から書類の返還を求められた場合には,これに応じなければならない。
   イ 司法書士は,疾病,傷害等で自ら業務をすることができない場合には,補幼者に全面的にその業務を取り扱わせることができる。
   ウ 司法書士は,民事事件の証人として裁判所から尋問を受けた場合であっても,業務上知り得た事実で嘱託者の秘密に関するものについては,証言を拒むことができる。
   エ 司法書士は,正当な理由かある場合であっても,嘱託者に理由書を交付しなければ,その嘱託を拒むことができない。
   オ 司法書士は,司法書士試験に合格した者であっても,司法書士の登録をしていない者であれば,これを補助者とすることができる。
    1  アイ   2 アエ   3 イウ   4  ウオ   5 エオ
   【正解】 4 
   
 【問題 09】   供託金払渡請求権の行使に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
   1 供託金払渡請求権は,一般の債権譲渡の方法により,供託手続外で自由に譲渡することができるが,譲受人が供託金払渡請求権を行使するためには,譲渡人から供託所に対して譲渡通知をしなければならない。
   2 弁済供託の供託金取戻請求権が供託者の債権者によって差し押えられた場合でも,被供託者は,供託金還付請求権を行使することができる。
   3 反対給付を条件とする弁済供託において反対給付が未了の場合には,被供託者が供託受託の意思表示をしても,供託者は,供託金取戻請求権を行使することができる。
   4 土地の売買代金の支払債務が供託によって消滅しているとの認定に基づいて当該土地の所有権移転登記手続を命ずる判決が確定した場合には,供託金取戻請求権を行使することはできない。
   5 供託金払渡請求権の質権者は,その質権の実行として,当該供託金払渡請求権を差し押さえ,又は当該供託金払渡請求権について転付命令を得て,供託金の払渡しを請求することができる。
   【正解】 3 
   
 【問題 10】   弁済供託に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
   1 賃貸借契約における賃料債務について,賃貸人があらかじめ賃料の受領を拒否する旨を明らかにしている場合でも,その履行期が到来するまでは賃料 の弁済供託をすることはできない。
   2 家賃として供託された弁済供託金については,損害金として還付請求をする旨を留保して払渡請求をすることはできない。
   3 債務者が債務の全額に相当するものとして弁済供託をした場合であっても,債権者たる被供託者は,債務の一部に充当する旨を留保して供託金の還付請求をすることができる。
   4 不法行為に基づく損害賠償債務については,賠償額に争いがある場合には弁済供託をすることができない。
   5 利息及び弁済期の定めのある金銭消費貸借契約の債務者は,弁済期が未到来の場合であっても,その受領を拒否されたときは,借用金額及び弁済期までの利息を提供して弁済供託をすることができる。
     1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ
   【正解】 4 
   
 【問題 11】   供託の受諾に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 供託所への供託受諾の意思表示は,書面によってしなければならない。
   イ 被供託者をA又はBとする債権者不確知供託において,被供託者は,自らが真実の債権者であることを確定的に証明しなければ,供託の受諾をすることはできない。
   ウ 供託受諾の意思表示は,いつでも撤回することができる。
   エ 供託金還付請求権の譲渡通知が書面をもってされた場合でも,供託受諾の意思表示があったものと認めることはできない。
   オ 供託受諾をすることができる者には,供託金還付請求権の仮差押債権者は含まれない。
    1  アイ   2 アオ   3 イウ   4  ウエ   5 エオ
   【正解】 2 
   
 【問題 12】  
   
 【問題 13】  
   
 【問題 14】  
   
 【問題 15】  
   
 【問題 16】  
   
 【問題 17】  
   
 【問題 18】  
   
 【問題 19】  
   
 【問題 20】  
   
 【問題 21】  
   
 【問題 22】  
   
 【問題 23】  
   
 【問題 24】  
   
 【問題 25】  
   
 【問題 26】  
   
 【問題 27】  
   
 【問題 28】   民法法人に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 設立登記の申請に際し,登記用紙と同一の用紙に設立許可の年月日を記載するには,設立許可書が到達した年月日を記載しなければならない。
   イ 裁判所は,利害関係人の請求により仮理事を選任したときは,その登記を嘱託しなければならない。
   ウ 債務超過の状態となった旨の資産の総額の変更登記は,社団法人についてはすることができるが,財団法人についてはすることができない。
   エ 社団法人の目的たる事業の成功が確定的に不能となったことが客観的に明らかである場合において,ほとんどの社員の所在が長期間の事業の休止により確認することができず,所在の明らかな社員のみが事業の成功の不能を認定したときは,解散登記の申請をすることができる。
   オ 清算人は,清算が結了したときは,主務官庁に届出をした後,清算結了登記の申請をしなければならない。
    1  アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5  ウオ
   【正解】 2 
   
 【問題 29】   株式会社の役員の変更登記の中請に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
   1 親会社の監査役が子会社の取締役に選任されたため,親会社の監査役を退任することとなった場合における変更登記の申請書に記載すべき退任の事由は,資格喪失である。
   2 資本金が5億円の会社の社外監査役が辞任し,その後任の監査役が就任した場合における変更登記の申請書に添付する株主総会議事録には,その者が社外監査役として選任された者である旨が記載されていなければならない。
   3 在任中の取締役に欠格事由が生じた場合であっても,そのために取締役の員数が法定数を欠くこととなるときは,後任者が選任されるまでは,取締役の退任による変更登記の申請をすることができない。
   4 代表取締役の就任による変更登記の申請書に添付された取締役会議事録の印鑑が,議事録の作成時に変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑と同一のものであれば,当該議事録の印鑑につき市区町村長の作成した印鑑証明書の添付を要しない。
   5 在任中の取締役が破産宣告を受けた場合における変更登記の申請書に記載すべき退任の事由は,資格喪失である。
   【正解】 5 
   
 【問題 30】   次のアからオまでの記述を、商号の登記、未成年者の登記、後見人の登記及び支配人の登記(会社の支配人を除く。)に当てはめた場合に、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。申請書に添付することにより変更登記の申請をすることができるものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 株券及び端株券の提出を要する株式の分割をした場合において,株券提供公告をしたことを証する書面は申請書に添付することができないが,株券及び端株券全部の提供があったことを証する書面は申請書に添付することができる。
   イ 株主割当てにより新株を発行した場合において,取締役会決議の日から払込期日までの期間が1週間であった。
   ウ 数名の株主を有する会社が,株主を参集させず,書面を各株主に持ち回ることにより,会社が発行する株式の総数の変更を決議した。
   エ 定款に「当会社の株主総会は,札幌市において開催する。」旨の規定かある会社が,東京都において株主総会を開催し,株主の一部の出席により,株式の譲渡制限に間する規定の廃止を決議した。
   オ 午前中に開催された取締役会で新たに代表取締役に選任された者の招集に基づき,その日の午後に臨時株主総会を開催し,会社が公告をする方法の変更を決議した。
    1  アイウ  2 アイエ  3 アウオ  4 イエオ  5  ウエオ
   【正解】 4 
   
 【問題 31】   商号の登記に関し,商号使用者が第1欄の事項を登記することなく死亡した場合,その相続人が,申請書にその資格を証する書面を添付しても,第2欄の登記の申請をすることができないものはどれか。
              第1欄                   第2欄
   1 営業の種類を変更した。                営業の種類の変更の登記
   2 営業所を他の登記所の管轄区域内に移転した。  新所在地における営業所移転の登記
   3 商号の譲渡を受けた。                 商号の譲渡による変更の登記
   4 営業所を設置した。                   商号新設の登記
   5 商号を廃止した。                     商号廃止の登記
   【正解】 4 
   
 【問題 32】   株式を消却した場合における登記事項及び取締役会の権限で発行することができる新株の数に関し,次のA説からC説までの3説があり,それらの論拠として,下記のアからウまでの考え方がある。これらの説とその論拠となる考え方との組合せとして適切でないものは,後記1から5までのうちどれか。
   A説 株式を消却すると,「発行済株式総数」の変更を登記しなければならないが,「会社が発行する株式の総数」の変更を登記する必要はない。この場合には,消却した株式数に相当する新株を改めて発行することができるようになる。
   B説 株式を消却すると,「発行済株式総数」の変更とともに「会社が発行する株式の総数」の変更を登記しなければならない。この場合には,消却した株式数に相当する新株を改めて発行することはできない。
   C説 株式を消却すると,「発行済株式総数」の変更を登記しなければならないが,「会社が発行する株式の総数」の変更を登記する必要はない。この場合には,消却した株式数に相当する新株を改めて発行することはできない。
   ア「会社が発行する株式の総数」は,定款の絶対的記載事項であるから,株主総会における定款変更決議を経なければ,その変更を登記することはできない。
   イ 取締役会が,定款により与えられた権限を行使して新株を発行した以上,その後にその株式を消却したからといって,同一の権限に基づき重ねて新株の発行をすることができるようになるわけではない。
   ウ 登記簿上の「会社が発行する株式の総数」は,登記簿上の「発行済株式総数」とあいまって,会社が今後発行することができる新株の数を公示するものでなければならない。
    1 A説とア 2 B説とイ 3 B説とウ 4 C説とイ 5 C説とウ
   【正解】 5 
   
 【問題 33】   次のアからオまでの書面のうち,合名会社と合資会社の合併による合名会社の変更登記の申請書に添付しなければならない書面の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
   ア 債権者に対し合併に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨の公告をしたことを証する書面
   イ 存続会社の総社員の同意書
   ウ 合併契約書
   エ 定款
   オ 合併により入社した社員が出資につき履行した部分を証する書面
    1  アイ   2 アイオ  3 アウオ  4 イエ   5  ウエオ
   【正解】  1 
   
 【問題 34】   下記のアからオまでの記述のうち,次の文章中の(  )に入れることができるものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
  「株式会社の清算結了の登記に関し,清算人が現務を結了して,債権を取り立て,債務を弁済して計算したところ,残存債務があった。この残存債務が会社の株式全部を有する親会社に対する債務であった場合には,(  )により残存債務が消滅した旨の記載がある決算事務報告書を承認した株主総会の議事録を添付して,清算結了の登記を申請することができる。」
   ア 清算人が自己の財産をもって親会社に債務を弁済したこと
   イ 親会社が会社に対する残余財産分配請求権を放棄したこと
   ウ 清算人が親会社に対する会社の債務を免責的に引き受けたこと
   エ 清算人が親会社に対する債務の消滅時効を援用したこと
   オ 親会社が会社の債務を免除したこと
    1  アイウ  2 アイオ  3 アエオ  4 イウエ  5  ウエオ
   【正解】 5 
   
 【問題 35】   資本金900万円の有限会社の設立登記を申請する場合,申請書に添付すべき取締役及び監査役の調査報告書に記載することを要しない事項は,次のうちどれか。ただし,検査役の調査は受けないものとする。
   1 500万円の不動産を現物出資した場合における弁護士の証明書の相当性
   2 300万円の金銭出資をした場合における引受けの有無
   3 150万円の自動車を現物出資した場合における定款に定めたその価格の相当性
   4 100万円の債権を現物出資した場合における定款に定めたその価格の相当性
   5 80万円の絵画を現物出資した場合におけるその給付の有無
   【正解】 2 
   

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